【北朝鮮のミサイル危機!?】安倍政権の流すJアラートを素直に信用してはならない理由。

 全国瞬時警報システム(Jアラート)によると、2017年9月15日朝、北朝鮮からミサイルが発射され、北海道襟裳岬の東約2000キロに着水したとのことです。
 
 この件に関して、自民党の議員でありながら冷静な意見を言っている人もいます。石破茂議員の2017年9月15日付オフィシャルブログ記事から一部を引用させて頂きます。

引用始め
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本日7時前に北朝鮮がミサイルを発射した際の報道の混乱ぶりはよく理解が出来ません。

NHKニュースは政府の発表として「ミサイルが午前7時4分頃、日本の領域に侵入し、午前7時6分頃、領域から出て、午前7時16分頃、襟裳岬の東およそ2000キロに落下した」と伝えました。

「領域」とは領土・領海・領空の総称であるため、高度500キロ以下を飛翔したのかと思っていたら、その後の発表ではこれをはるかに上回る高度であったようで、我が国の国家主権の及ぶ「領域」も「領空」も侵犯はされていないはずです。

細かいことのようですが、国家主権が侵犯されたか否かでその意味は全く異なるのであり、どうしてこのように基本的なことがあやふやのまま発表がなされたのでしょうか。本日の自民党の会議で政府はその誤りを認めましたが、何故、情報を伝えた防衛省も、受け取った内閣官房も、「領域」ではないことに全く気付かないままに発信してしまったのか。南スーダンの「戦闘」という日報の表現を巡って大混乱に陥ったことに対する反省が活かされていないのではないでしょうか。
 
政府は午前7時にJアラートを通じて北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野の道県に警報を伝え、当該道県では「北朝鮮からミサイルが発射された模様です。建物の中、又は地下に避難してください」というアナウンスが流れたとのことですが、この時点ではすでに着弾地点は把握できているはずです。「着弾はしないが、デブリ(破片)が落ちる可能性がある」ということだったのでしょうか。それはどのような根拠によってその範囲を特定したのでしょうか。

せっかく警報を発するのであれば、同時に国民にどのような状況であるかも可能な限り正確に伝えなければ、避難すべきか否かの判断がつきません。このようなことを繰り返していると、やがて国民の政府に対する信頼が失われることになるのではないかと強く危惧します。
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引用終わり

 「いい加減な情報発信を繰り返していると国民のだれも信用しなくなり、オオカミ少年になりますよ」という指摘はその通りです。極右のコワモテ議員ですが、たまにはマトモなことを言いますね。

 一方、安倍総理の応援団である放送作家・小説家の百田尚樹さんは、次のような発言をしています。

 この発言に同調し、素直にダンゴ虫のポーズをとり、北朝鮮に敵意を抱いている人は多いと思います。こういう無邪気な人たちは、次のようなことを前提にしているのではないでしょうか。

1)北朝鮮の恐怖を煽る安倍政権の姿勢は正しい。
2)北朝鮮は話の通じる相手ではない。
3)北朝鮮のミサイルが日本に落下する可能性がある。
4)北朝鮮と敵対しているアメリカ様の立場・主張は正しい。

 上記のような「常識」が、いかにウソと偏見にまみれたものか、以下に説明いたします。

1)北朝鮮の恐怖を煽る安倍政権の姿勢は正しい。
 アメリカにとって、軍需産業を潤すためにもアジアの一角が不安定である必要があります。アメリカの植民地である日本の総理大臣が、アメリカに追随し、北朝鮮悪者キャンペーンを繰り広げるのは自然なことなのかもしれません。

 しかも、北朝鮮の「脅威」は、森友・加計問題から国民の目をそらし、野党の追及を鈍らせる効果があります。Jアラートを流して毅然としたコメントをすれば「強い」リーダーを演出することも可能です。事実、戦後最悪・最低の内閣でありながら、支持率は上昇傾向にあります。Jアラートを流し、ダンゴ虫のポーズを国民に強要すれば、戦前の恐怖の雰囲気を醸成できるので、平和憲法を改悪するための素地を形成できます。安倍さんにとっては万々歳ではないでしょうか?

2)北朝鮮は話の通じる相手ではない。
 北朝鮮は話の通じない相手ではありません。現実に、世界の大多数の国々と交流があります。

朝鮮民主主義人民共和国と外交関係を有する国々の一覧図。緑色で塗られた諸国は朝鮮民主主義人民共和国と国交を有し、灰色の諸国は国交を有さない。赤色の国家は国交を断絶している。

 わざわざ外交ルートを閉ざしているのは日本くらいなものです。宗主国であるアメリカ様ですら、対話の道を探っています。戦争大国であるアメリカは、他のどの国よりも戦争の恐ろしさを知っており、泥沼化を避けたいという気持ちがあるのです。

 一般に、無能な人間ほど力に頼ろうとします。手間暇がかかっても地道な外交努力こそが確実な安全保障への近道です。プロレスラー出身の国会議員以外にも、北朝鮮と直接対話をする人がドンドン現れて欲しいと思います。

3)北朝鮮のミサイルが日本に落下する可能性がある。
 北朝鮮のミサイルが落下する可能性があるならば、安倍総理は芸能人と花見を楽しむでしょうか?

写真(北朝鮮の危機を煽る一方で、喜び組と花見を楽しむ安倍総理夫妻) 出典:朝日新聞

 北朝鮮のミサイルが落下する可能性があるならば、安倍総理は呑気にゴルフを楽しむでしょうか?

 北朝鮮のミサイルが落下する可能性があるならば、全国の原発を再稼働しようとするでしょうか?逆に、現在稼働されている原発を、真っ先に停止させるのではないでしょうか?

参考記事リンク:
ミサイルが落下するかもしれないのに、原発を停止しないのはナゼか?

 北朝鮮のミサイルが落下する可能性があるならば、臨時国会の冒頭で衆議院を解散しようとするでしょうか?政治空白は禁物のはずです。

写真:臨時国会の冒頭で衆議院を解散しようと目論む安倍総理

 結論を言いますと、北朝鮮のミサイルが日本に落下する可能性はありません。

4)北朝鮮と敵対しているアメリカ様の立場・主張は正しい。
 アメリカは、建国以来の二百数十年間、その9割以上を戦争に費やしてきました。ほとんど常に、世界中のどこかの国と戦争をしてきたのです。戦争をしないと軍需産業が儲からないので国が回らないのです。こんな病的な国がマモトであるはずがありません。事実、アメリカ国民の大多数は、病気をしたら破産しかねないような歪んだ社会制度に苦しめられています。

参考記事リンク:
【安倍総理が隷従するアメリカという国】その危険な素性を再確認しよう。

最後に:

 このような発言に同調し、素直にダンゴ虫のポーズをとり、良く知りもしない北朝鮮に対して敵意を抱く人が減ることを望みます。

以上

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