【国際的な恥さらし】イギリスのガーディアン紙が日本の過労死問題を取り上げる。

 日本での過労死があまりにも特異な現象であるため、「karoshi」という英語が生まれてしまいました。国際的な恥さらしと言えます。

 電通というブラック企業で新入社員が過労自殺したことがニュースになり、労働基準監督署が立ち入り検査をしました。日本人だけではありません。外国人技能実習生として岐阜県の鋳造会社に勤務していたフィリピン国籍のジョーイ・トクナンさん(当時27歳)が2014年に死亡した件ついては、岐阜労働基準監督署が2016年8月、長時間労働が原因の過労死として労災認定していました。国際的にも悪名高い現代の奴隷制度が人の命を奪ったのです。

 イギリスのガーディアンが日本の過労死を記事にしました。上記の悲惨な事例を取り上げています。以下に、リンクを記します。

「Death from overwork: Japan’s ‘karoshi’ culture blamed for young man’s heart failure」

 上記リンク先の記事を以下に要約しました。参考にしてください。

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出典:ガーディアン

出典:ガーディアン

外国人技能実習生として鋳造会社で働いていたフィリピン人のジョーイ・トクナンさんは、2014年に心不全で亡くなった。この27歳の若者は妻と娘を国に残して来日していたが、再会はかなわなかった。

殺人的な長時間労働を強いられたために起こった過労死だと労働基準監督署は認定した。日本における時代錯誤な労働慣習は、労働者の2割を過労死の危険にさらしている。これは、初の過労死白書で日本政府も認めている。脳卒中、心不全、自殺・・・ 何百という過労死の事例が、日本では毎年報告されている。

ワークライフバランスなどと言われているが、日本人の労働時間は他国と比べて非常に長い状態が続いている。2015年12月から2016年1月に行われた調査によると、約2割の企業で、月80時間以上の残業をしている従業員がいる。残業が月80時間を超えると過労死の危険が高まるとされている。1週間あたり49時間以上働く従業員の比率も2割を超えており、他国に比べて高い。

昨年度の過労死関連賠償請求は1456件にも上っており、特に、人手が不足している介護現場で深刻な状況だ。国は過労死の認定を渋っており、実数はこの10倍にもなると言われている。

日本政府は過労死問題に取り組んでいるふりをしているが、肝心の労働時間短縮には及び腰だ。

大手広告代理店の電通で24歳の女性従業員が今月過労自殺し、長時間労働による健康リスクが注目を浴びた。彼女は自殺する前、心身の深刻な状況をSNS上に書き込んでいた。月の残業が100時間を超え、1週間の睡眠時間が10時間だけということもあったという。人の命よりも会社の業績が優先される風潮があるのだ。

心不全で亡くなったフィリピン人の外国人技能実習生:トクナンさんは、月の残業が78.5~122.5時間であった。彼は、給料のほとんどを故郷の家族に仕送りしていた。トクナンさんは21万人いる外国人技能実習生の一人に過ぎない。1993年に導入されたこの制度は安倍政権下で拡充され、現代の奴隷労働制度として批判の的になっている。

最近発生した上記2件の過労死事例は注目を浴び、日本政府は改善策を求められている。

先進国の中でも日本の長労働時間は異常である。従業員の過労死という悲劇が多数発生しても、献身と自己犠牲を要求する過酷な労働文化は一向に改善されていない。2014年に制定された過労死を防止する法律は役に立っていないのだ。

従業員に過度の長時間労働を強いるような職場の生産性は、長い目で見れば悪化するであろう。
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以上

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