そもそも原子炉は何を目的に作られたのでしょうか?元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏によれば、原爆を作るのが目的だったそうです。「原子力=核を選んだ世界の末路」と題した小出裕章さんの講演の一部を以下に引用します。
参照リンク:
「原子炉は原爆つくるための装置、核分裂は本質的に核兵器のもの-小出裕章さんが指摘する原発の真実」
引用始め
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前略
原発を推進している人の中には、核分裂反応が原爆という形で初めて人類に利用されたことが不幸だったのだなどと言う人がいますが、それは大きな間違いです。核分裂反応というのはもともと爆弾向けであり、本質的に核兵器のものなのです。核分裂反応の持つ性質が100%花開いて原爆になったのです。
「原子炉」と言うと、みなさんは原発に使われるものだと思われるでしょうが、もともと「原子炉」は原爆をつくるためのもので、電気をつくるための装置ではありません。原爆の材料であるプルトニウムが欲しいから「原子炉」をつくったのです。人類最初の「原子炉」は原爆をつくるための装置にほかなりません。
中略
現在の日本の原発でできるプルトニウムでは、高性能の原爆はできません。そこで高性能の原爆をつくるために、高速増殖炉を計画しました。高速増殖炉を動かすことによって、純度98%という優秀なプルトニウムが手に入ります。電力の実用化なんて、どうでもいいのです。とにかく一基でも動かせば、超優秀な原爆材料が手に入る、これが高速増殖炉の目的です。これが、どんなに困難があっても、何十年止まっていても、何兆円お金をムダにしても、高速増殖炉をつくりたい日本国家の本音だと思います。
中略
イランや北朝鮮などの「Nuclear Development」は、「核開発」と訳し「とても悪いことをやっている」とマスコミなどは訳します。ところが、日本がウラン濃縮や原発を動かす文脈で考えると「原子力開発」と訳されるのです。しかし、実態は同じです。日本も「核開発」をしているにすぎません。これまで多くの日本人は、「核」と「原子力」はあたかも違うものであるかのように思い込まされてきました。しかし、もともと原子炉は電気エネルギーを生み出すために開発されたものではなく、核兵器を生み出すためにこそ開発されたものなのです。「原子力の平和利用」という原発を“隠れ蓑”にして、核兵器をつくる能力を手にしているにすぎないのです。
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引用終わり
戦後、国連の常任理事国を中心として限られた国しか核兵器を持つことが許されない決まりが作られ、世界情勢をコントロールする手段として利用してきました。
2016年現在、世界中に300基ある原発は、核兵器製造のために活用することが出来ます。2015年10月時点で、実際に保有されている核兵器の数を各国別に示します。
これだけの数を保有している訳ですから、軍需産業の人たちもかなり儲けたことでしょう。
実際に兵器として使える状態にするためには、事前の検証実験が必要です。1945年の広島・長崎への原爆投下はアメリカによる大量虐殺行為ですが、破壊能力や人体への影響を調べるための実験でもありました。それ以降、アメリカも含めた核兵器保有国は、世界中で2000回以上の核実験を実施してきました。
どの国が、どの場所で、いつ、何回、核爆発の実験を実施してきたかが解るビデオを以下に紹介します。すでに680万回以上再生されています。どうぞ、ご覧ください。
これだけの実験を繰り返すには、途方もない時間・労力・お金が費やされてきたに違いありません。地球を放射性物質で汚染することになることが分かっていながら、無駄な「努力」を人類はしてきたのです。
21世紀以降、原発から出た核のゴミにより作られた劣化ウラン弾がアメリカ軍が使用し、イラクやアフガニスタンの住民が健康被害に苦しんでいます。アメリカの操り人形でしかない日本の安倍政権は、福島原発事故から何も学ぶことが出来ず、原発再稼働や輸出に邁進しています。
原子力利権の総本山であるIAEA(=International Atomic Energy Agency 国際原子力機関)を頂点とした組織は非常に強固で巨大です。地球や人類がどれだけ被害に遭っても、彼らが自分たちの利権を自ら手放すことはありません。市民の良識・正しい判断力・行動力で粘り強く追い詰めていく必要があります。
以上