放射線管理区域で子どもに掃除をさせる国があるらしい・・マスクもさせず・・内部被ばくの危険を解説。

写真(福島県の国道6号での清掃活動) 出典:福島民報

写真(福島県の国道6号での清掃活動) 出典:福島民報

 2015年10月10日、福島県の国道6号で清掃ボランティア活動が行われたそうです。合計約50kmの区間でゴミ拾いが実施されましたが、福島原発に近い危険地域でマスクもせずに屋外活動することがなぜ危険か、再確認したいと思います。

 体の外部からの被ばくよりも内部被ばくの方が危険です。内部被ばくの説明をウィキペディアから引用します。

引用始め
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 放射性物質が空気中などに拡散して存在している場合、その放射性物質が体内に入り込むことによる内部被曝の恐れが生じる。そのため、内部被曝については放射性物質を体内に取り込まないような防護が基本となる。
体内に取り込まれる経路としては、次の三つがある。

呼吸器を通しての摂取(吸入)
 放射性物質で汚染した空気を吸い込むことによって、気道や肺胞を通して体内に放射性物質が侵入することを言う。マスクの着用などで防護できる。

口、消化器を通しての摂取(経口摂取)
 放射性物質で汚染された水や食物を摂取することで、胃や小腸などの消化管から体内に放射性物質が侵入することを言う。基準値を超える放射能を持つ食品を摂取しないことで防護できる。

皮膚、特に傷口を通しての摂取
 皮膚の毛穴や汗腺または皮膚にある傷から放射性物質が侵入することを言う。放射性物質と接触する皮膚表面に傷があるときは、放射性物質の取り扱いを避けることで防護できる。
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引用終り

 原発事故により放出された放射性物質を体内に取り込むことがなぜ危険か?その理由を、「東京で被曝対策をして生きるということ」というサイトの記事(下記リンク)から引用いたします。

なぜ内部被曝が危険なのか(年間1mSvの欺瞞)

引用始め
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 外部被曝と異なり、内部被曝では体内に取り込まれた放射性物質により、それが体外に排出されるまでの間、至近距離から局所的に強い放射線を長い期間継続的に浴び続けるため、低線量でも危険性が高く、繰り返し放射線を受け続けた臓器に癌が発生しやすいとされています。

 至近距離から強力な放射線を集中的に一か所に受けるという点で、同じ実効で線量で比較すると内部被曝は外部被曝の600倍から1,000倍ほどの危険性 があると言われています。つまり、外部被曝の1mSVと内部被曝の1mSVとは人体に与える影響は全く異なり、ICRP(国際放射線防護委員会)や日本政府が唱える1mSvまでは安全というのはあくまで外部被曝のみを考慮したに過ぎないということに注意が必要です。

 放射性セシウム137といった物質は原子力発電所が稼働し始めてから、ここ数十年程度で初めてこの世に産まれた物質であり、我々生物が体内に溜め込まないような防御反応を示すことができないのは当然のことです。人工放射線核種は体内に蓄積してしまう、という点で自然放射線核種とは危険性が全く異なります。つまり自然放射線と人工放射線で放射線自体には全く違いはありませんが、自然放射線核種と人工放射線核種では体内における挙動が全く異なるということです。このことを理解していないと、「人間はもともとカリウム40からの放射線被曝を日常的にしているのだから、セシウム137等を気にし過ぎる必要はない」という被曝の害を軽視する原発推進側の学者に言いくるめられてしまうことになります。

 一番重要なこと、それは放射線被曝による健康被害はガンに限らないということです。甲状腺ガン、白血病、骨髄腫に関しては比較的被曝との因果関係が証明しやすいため、チェルノブイリ原発事故においてIAEAが甲状腺ガン被害を認め、国内での原発作業員の方々の白血病の労災認定(認定基準値:年間5mSv)が存在します。しかし、チェルノブイリの研究によれば、ガンよりも早期にそして幅広く被害が生じるのが放射性セシウムが心筋に蓄積することによる心疾患、放射線おょび増加した活性酸素により細胞が攻撃されることによる免疫不全障害、そして脳へのダメージによる知的障害です。特に子どもの知的障害は深刻で、チェルノブイリ原発事故が起きた後に産まれたベラルーシの子供たちの高等学校の卒業率は著しく低くなったという統計もあります。
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引用終り

 上で述べた通り、内部被ばくは、とても危険です。下図の地域で清掃活動などしてはいけないことが解るでしょう。放射線管理区域では、飲食することも禁止されています。

図(福島県国道6号の清掃活動エリア) 出典:NPO法人ハッピーロードネットのホームページ

図(福島県国道6号の清掃活動エリア) 出典:NPO法人ハッピーロードネットのホームページ


写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 NPO法人ハッピーロードネットのホームページ掲載資料を次に示します。

出典:NPO法人ハッピーロードネットのホームページ

出典:NPO法人ハッピーロードネットのホームページ

 参加者には中学生・高校生が含まれていますね。若い世代ほど放射線に敏感なことを大人たちは知らないのでしょうか?主催・共催・後援・協賛した組織の人間たちには、良心の呵責が無いのでしょうか?それとも純粋に無知なのでしょうか?電力会社や御用マスコミなど、原発マフィアも名前を連ねていますね。同様の清掃活動は2016年の10月にも実施されています。今後、永遠に続ける覚悟なのでしょう。

最後に:
 現在、日本では原子力緊急事態宣言が発令中であり、福島原発周辺での道路清掃ボランティア活動が許されるような状況ではありません。放射線管理区域に指定しなければならない高線量地域で活動した場合の被ばくの危険性について認識が低いのは由々しきことです。心地良いウソに逃げ込み、現実から目を背けてはいけません。

あなたは、心地よいウソに流されていませんか?原発事故を忘れてしまった人たちへ。

以上

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