【旧日本軍の性暴力を正当化!】被害者を侮辱した筒井康隆氏の妄言を考える。

写真(筒井康隆氏) 出典:朝日新聞

 小説家・劇作家・俳優として有名な筒井康隆氏は1934年生まれの82歳だ(2017年現在)。数多くの作品を発表してきており、外国語に翻訳されたものも多い。差別的表現などで物議を醸したこともある。安倍昭恵夫人と異なり正真正銘の私人であるが、今回は踏み越えてはならない一線を越えてしまったようだ。

 筒井氏は、自身の2017年4月4日付ブログ記事で次のようなコメントをしている。

「長嶺大使がまた韓国へ行く。慰安婦像を容認したことになってしまった。あの少女は可愛いから、皆で前まで行って射精し、ザーメンまみれにして来よう。」
 
 表現の自由を持ち出せば何を言っても許される訳ではない。朝鮮日報の日本語版は「衝撃的な妄言」と批判している。この発言は次の点で問題だ。

1)旧日本軍の侵略行為という事実を直視せず、当然、反省もしていない。

2)被害者のみならず、韓国人全体に対する侮蔑感情が露わである。

3)戦時中と同じ性暴力を再び繰り返してやるぜ、という挑発行為である。

 当然、韓国側の反発は大きく、韓国語に訳されて主要書店でベストセラーになっていた筒井氏の著作「モナドの領域」は販売中止になった。おなじく韓国で出版予定だった「旅のラゴス」も契約解除となった。わざわざ韓国語に訳されて出版されたということは、韓国人のファンが多いという証明である。また、筒井氏はアニメーション版「時をかける少女」の原作者としても韓国内で有名なのだ。

 筒井氏は「美しい国:日本」に泥を塗ったのである。日本国内で真の保守を自認する方々はさぞかし怒り心頭だろう。

 筒井氏は朝日新聞の取材に対して、次のように弁明している。

「あんなものは昔から書いています。ぼくの小説を読んでいない連中が言っているんでしょう。本当はちょっと『炎上』狙いというところもあったんです」
「ぼくは戦争前から生きている人間だから、韓国の人たちをどれだけ日本人がひどいめに遭わせたか、よく知っています。韓国の人たちにどうこういう気持ちは何もない」

 残念だが、2017年4月11日の時点で発言の撤回もないし、反省・謝罪の弁もない。昔から著作の中で同じような暴言を吐いてきたなら尚更問題だ。炎上を狙うにしても方法が不適切だ。筒井氏が本当に日本の侵略行為を良く知っているならば、被害者に気持ちに配慮しようとしないのはナゼだろう。韓国に対する敵対感情は見られるが、友好的な態度はかけらもない。上記の見苦しい言い訳は支離滅裂だ。恥の上塗りという表現がふさわしい。

 加害者側はすぐ忘れても、被害者側はその事実を忘れることはない。旧日本軍による性暴力の被害者を前にして、筒井氏は同じ侮辱発言ができるのだろうか?強姦は結果として殺人につながるケースも多い。無限の深みからこちらを見つめる死者の眼差しを想像したことはないのだろうか?歴史から学ぶという知性を持ち合わせていなくても作家活動をすることは可能なのだろうか?彼は2002年に紫綬褒章を受章しているが、人間性は考慮されていないらしい。

 筒井康隆氏の今回の暴言は、私の理解を超えるものだ。同じ人間としておぞましいという感想しかない。安倍内閣の閣僚でもこんな発言には賛同しないだろう。

 筒井氏は長年かかって積み上げてきた自分の実績に自ら泥を塗ってしまったのだ。プロの作家としてプライドがあるならば、少なくとも、韓国人の筒井康隆ファンをガッカリさせてしまった責任は取るべきだろう。どう責任を取るかは本人が判断すればよい。

参考リンク:
筒井康隆氏、慰安婦像への侮辱促す? 「炎上狙った」

Japanese novelist sparks outcry in South Korea with insults about ‘comfort woman’ statue

以上

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