【オススメ】美味しんぼ「福島の真実」編は秀逸なルポルタージュである。

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 「美味しんぼ」はグルメ漫画として一世を風靡し、単行本の累計売上部数は1億冊を超えている。福島原発事故後、鼻血の描写でバッシングされたのは記憶に新しい。

 『ビッグコミックスピリッツ』2014年22・23合併号に掲載された「美味しんぼ 第604話 福島の真実その22」において、次の描写が批判の的になった。

・登場人物が福島第一原発に取材に行った後、疲労感をおぼえたり鼻血を出したりするなど、体調の異変を訴えた。
・前福島県双葉町長の井戸川克隆氏が「私も鼻血が出ます。私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」と言った。

図(美味しんぼの一場面)
図(美味しんぼの一場面)

 これらの描写に対して、作者や編集部に対して猛烈なバッシングが起こり、現職の大臣までもが不快感を表明するなど異常な事態となった。

 しかし、福島の鼻血問題を最初に提起したのは美味しんぼではなく、実は自民党なのである。2012年4月25日参議院の憲法審査会に出席した自民党議員の山谷えり子氏は、井戸川克隆氏の「私も鼻血が出ます。私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」という趣旨の発言を引用し、当時の民主党政権に対して、「双葉郡民は憲法上の国民ではないのか」と、対策を迫っている。不思議なことに、この時の国会での発言に関しては、政府も自民党も県も双葉町も一切問題としておらず、批判は起こらなかった。

 民主党政権時代に野党の自民党が鼻血問題を提起しても問題にならないが、安倍自民党政権下で『ビッグコミックスピリッツ』が鼻血場面を描写すると大問題になる。この奇怪な現象は、報道の自由度ランキングの推移を確認すれば納得できる。

図(日本の報道の自由度ランキング推移:2016年) 出典:データを基に筆者が作成
図(日本の報道の自由度ランキング推移:2016年) 出典:データを基に筆者が作成

 民主党政権は短命で終わったが、報道の自由度については世界的な評価が高かった。しかし、自民党の安倍政権が樹立されて以降、ランキングは急降下し、報道機関に対する圧力が露骨になった。大手御用マスコミの自主規制は特にひどく、政府にとって都合の悪いことはほとんど報道されなくなった。このような状況下で原発推進側にとって触れて欲しくない鼻血問題が提起されれば表現者側が叩かれるのは当然の結果であろう。「私も鼻血が出ます。私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」という発言や鼻血の描写は事実なので問題はないが、それを受け止めなれない環境になってしまったのである。

 さて、鼻血問題で世間の認知度をさらにアップした漫画「美味しんぼ」だが、「福島の真実」編が納められている単行本の110巻と111巻を購入して読んでみた。グルメ漫画だけあって福島県の郷土料理のことがたくさん紹介されている。作者自身の福島県に対する思い入れが強く、根底で福島県民に対する温かい気持ちを感じ取ることが出来た。その一方で、放射性物質に汚染された厳しい現実もしっかり指摘している。権力の御機嫌取りをすることもなく、心地よいウソに流されず、事実を積み重ねて結論を出そうとするスタイルはルポルタージュと言ってよい。漫画という表現方式を用いた秀逸なルポルタージュである。

 今はバッシングの対象となっているが、遠い将来には歴史的な高い評価を受けることになるだろう。以下にリンクを示すので、実際に読んでみることをお勧めする。

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 「美味しんぼ」110巻と111巻から、海原雄山(登場人物の一人)のセリフをいくつか引用する。

引用始め:
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「この畑も、風向き次第では放射性物質を浴びただろう。風向き次第でこの豊かな自然を失っていたかと思うと、身の毛がよだつ。この、“危機と紙一重”というのが、福島の真実だ。」

「豊かな南相馬の地に、今は入ることができない。南相馬だけではない、いくつかの地域に立ち入ることができなくなった。それは国土を喪失したに等しい。」

「安全なものは安全、危険なものは危険、きちんと見極めをつけることが福島の食材には必要なのです。消費者に真実を伝えなければいけない。」

「いったいどれほど貴重なものをわれわれは喪失してしまったのか。豊かさも喜びも輝きも幸せも。失ってはならぬものを失ってしまった。」

「真実を知らせたくない人間。何もかもうやむやにごまかしたい人間。そしてその嘘の上塗りに手を貸すマスコミ。」

「心温かくわれわれをもてなしてくれるひでじい。美しい山、さわやかな山菜。何一つ欠けるもののない素晴らしさだ。それなのにどうしてみんなの心はこわばってしまったのか。それはこの美しく豊かな福島の大地を、目に見えぬ凶悪なものが覆っているからだ。この凶悪な存在が福島の大地を深く傷つけ、人の心を凍えさせる。これが福島の真実だ。」

「原発安全神話が崩れたから、今度は放射線安全神話を作る気だ。」

「問題は、幸運にも山に囲まれて放射性物質の直撃を避けられて、安全とされている古殿町の生産物でも、食べるか食べないかは自己の責任で判断することを要求されるというこの事実だ。」

「あちこちで人々の生き甲斐が奪われていっている。これが福島の真実だ。」

「(福島原発の視察を終え)一番の印象は、破壊の程度が想像をはるかに超えていて、それに対する処置がすべて応急処置でしかないことだ。」

「放射線の被害というとガンのことばかり取り沙汰されるが、政府は体のあらゆる症状について予見を持たずに調査すべきだ。」

「あの方たちの平和な生活を奪った東電と国は、あの方たちの人の良さ、我慢強さをいいことに何も責任を取っていない。」

「政府は、自分たちと東電の利益のために、福島を安全だと言う。」

「福島に住んでいる人たちの心を傷つけるから、住むことの危険性については、言葉を控えるのが良識とされている。だが、それは偽善だろう。低線量の放射線は安全性が保証できない。国と東電は福島の人たちを安全な場所に移す義務がある。私は一人の人間として、福島の人たちに、国と東電の補償のもとで危ない所から逃げる勇気を持ってほしいと言いたいのだ。特に子供たちの行く末を考えてほしい。福島の復興は、土地の復興ではなく、人間の復興だと思うからだ。」
************************
引用終わり

 鼻血問題で猛烈なバッシングを受けた後、沈黙を守っていた原作者の雁屋哲氏が次の書物を出版した。

美味しんぼ「鼻血問題」に答える

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 本書では、「風評被害」だと騒いでバッシングを行った者たちに対する反論がされている。漫画で描いた汚染状況に関して補足説明をするとともに、内部被ばくの恐ろしさについても詳述している。そして最後にこう結論付けているのだ。

「福島の人たちよ、自分を守るのは自分だけです。福島から逃げる勇気を持ってください。」

 たとえ悪者になっても、勇気をもって真実を語るのが自分の生き方だと、原作者:雁屋哲氏は述べている。なかなか出来ることではない。この本を読むと、「福島を食べて応援しよう」などと言っている人間の軽薄さが良く理解できる。

 美味しんぼ:110巻、111巻と合わせて読まれることをお勧めする。

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福島県内の自動車整備工場で洗車汚泥が高濃度放射性廃棄物と化している。この問題は氷山の一角に過ぎない・・・

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 福島県内には、国が認証した自動車整備工場が約1700か所あります。自動車を洗車した時に発生する汚水は地下に溜められ、油・水と汚泥が分離され、有害でない水だけ排水されています。福島原発事故以降、沈殿した汚泥は高濃度の放射性廃棄物と化しています。

図(洗車場の油水分離槽) 出典:東京新聞
図(洗車場の油水分離槽) 出典:東京新聞

 第三者機関による調査では、整備工場1700か所のうち36か所を調べたにすぎませんが、国の指定廃棄物基準(1キログラム当たり8000ベクレル超)の7倍以上(最大57400ベクレル)の放射性物質を検出していたことが、業界三団体への取材で判明しました。

参考リンク:
福島の整備工場 洗車汚泥に放射性物質

Car wash septic tanks emerge as radiation threat in Fukushima

 福島原発事故により、チェルノブイリ原発事故よりも多い放射性物質が世界中に拡散しました。現在も放出し続けており、東日本一帯は特に汚染状況がひどいのです。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report "Health consequences resulting from Fukushima Update 2015"
写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 福島県内の自動車整備工場で放射性廃棄物が蓄積されていても何の不思議もありません。この件で何が問題なのか、以下に箇条書きします。

・法律による報告義務は、下水の汚泥と焼却灰だけが対象とされており、多くの抜け穴がある。

・福島県内の自動車整備工場だけで数千トンの高濃度放射性汚泥が溜まっている。汚泥が溢れないように、健康不安におののきながら手作業で汚泥を汲み上げる作業をしている。

・業界団体は何年も前から日本政府に対して対策を求め続けていたのに、事実上、放置されていた。行政の怠慢である。

・各自動車整備工場は顧客を失うことを恐れ、長らくこの事実を公表することが出来なかった。彼らの保管能力は限界に達しつつある。

・今回、第三者機関による調査はわずかに36か所であり、国による全数調査を早急に実施しなければならない。

・自動車整備工場の放射性汚泥問題は、福島県内だけの問題ではない。放射性物質が付着した自動車は日本中を走り回っており、日本中に拡散している。汚染状況調査は日本全国で行わなければならない。

・放射性廃棄物は、自動車整備工場だけの問題ではない。今回判明した事実は、氷山の一角に過ぎない。ありとあらゆる分野で汚染が放置され、日本国民は事実を調べようともしないし、見ようともしていない。

・問題の先送りは健康被害という形で現れる。呼吸や食事を通じて体内に取り込んだ場合の内部被ばくが恐ろしいのだ。体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加する。人工放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しない。チェルノブイリ原発事故後の調査ですでに明らかになった事実だ。

最後に:
 新聞テレビなどの主要メディアは、このニュース(自動車整備工場の放射性廃棄物問題)をほとんど取り上げていません。運良くこの情報に接することができた人は、「福島県内だけのことだ」「自動車整備工場限定の問題だ」と思わない方がいいです。問題の矮小化は死を招きます。

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【人間社会を破壊する発電設備】福島原発周辺の町は今どうなっているのか?

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 2011年3月に発生した東日本大震災は、広範な地域に壊滅的な被害をもたらした。犠牲者や行方不明者が多く、心の傷はまだまだ癒えないだろうが、復興は進んでいる。しかし、立ち入り禁止の区域では、人が戻ることもできず、後片付けすらできない状態だ。原発という名の発電施設が事故を起こし、半永久的に人が住めない場所が出来てしまったのだ。放射性物質による汚染があまりにもひどいため、さすがの安倍政権も居住を許可できない区域がある。

 今回は、外国人の写真家:Arkadiusz Podniesinski氏が撮影したものを何枚か紹介する。

写真(富岡町の保育園で放置された三輪車)
写真(富岡町の保育園で放置された三輪車)
写真(双葉町の保育園で放置されたままのカバン)
写真(双葉町の保育園で放置されたままのカバン)
写真(富岡町のレンタルDVDショップ)
写真(富岡町のレンタルDVDショップ)
写真(パチンコ店は客も来ないまま、床に球が散乱している)
写真(パチンコ店は客も来ないまま、床に球が散乱している)
写真(薬局は放置されたまま片づける者もいない)
写真(薬局は放置されたまま片づける者もいない)
写真(無数の家畜が飢え死にし、放置されたままだ)
写真(無数の家畜が飢え死にし、放置されたままだ)
写真(病院の機能は停止したままだ)
写真(病院の機能は停止したままだ)

 たかだか発電施設が事故を起こしただけで、人間社会を再起不能にしてしまったのだ。原発と人間が共存できないことを直感で理解して頂けたらと思う。

参照リンク:
Photos give rare glimpse inside the abandoned city of Fukushima

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【福島県農家の訴え】「汚染された作物を自分では食べない。それを消費者に売っていることに罪悪を感じる。」

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 次のビデオは、福島県の農家たちと日本政府との交渉場面です。2013年6月6日と書かれています。

 福島原発事故以降、放射性物質まみれの土地で農業せざるを得ない農家の本音が語られています。発言内容の要点を以下に記します。

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・自分の作った玄米を測定したら、100ベクレルを超えていることが判明した。
・汚染具合も知らずに農作業をしているのが実態だ。
・農地の除染作業は、農家自身も行っている。
・しかし実態は、除染にはなっておらず拡散しているだけだ。
・空間線量も下がっていない。
・原発事故から2年経過しても、環境は何も変わっていない。
・汚染された農業機材は使用してはならないという指針があるが、農家には汚染度を調べる手立てがない。
・それで仕方なく、すべて新しいものに買い替えた。どうしてくれるんだ!
・農家の気持ちをよく考えて欲しい。
・農家は作物を育て、自分たちで食べ、消費者にも売るが、そういう収穫の喜びが今はない。
・福島県の農作物は他県よりも安いのを承知しながら作っている。損害賠償をもらいながら、農家に何の活力がありますか?
・福島県では、農作物は出荷前にすべて検査しなければならない。
・だから、農家自身は作物の汚染度を把握している。
・100ベクレル以下ならば出荷できるが、私は食べない。
・消費者は、放射性物質は含まれていないと思い込んで購入し食べている。
・放射能まみれのものを作って売っていることに罪の意識がある。

写真(日本政府に訴える福島県農家の男性)
写真(日本政府に訴える福島県農家の男性)

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 一番最初に発言した男性の真剣な眼差しがとても印象的です。生活の場を原発で破壊されて怒りに震えていますが、それを懸命に抑えて、言葉を選んで訴えています。対する官僚たちは権限もない若手ばかりで、原子力村を守るための防波堤にされています。被害農家たちに喋らせてガス抜きするのが目的なのでしょう。

 新聞・テレビの御用マスコミでは決して取り上げられることがない場面です。必死になって声を上げている被害農家たちの思いを無駄にしないためにも、ウェブ上での拡散をお願い致します。

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【反原発派が新潟知事選で勝利!】海外メディアの論調を紹介します。

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 2016年10月16日、反原発を掲げる米山隆一氏が、新潟県知事選で勝利しました。本来ならば、自民党・公明党の支援を受けた森民夫氏が勝って当たり前の選挙だったのですが、東京電力や安倍政権の謀略やデタラメがあまりに露骨だったため、眠っていた有権者を起こしてしまったようです。投票率は53%と低いですが、前回よりも10%くらい上昇しています。良い傾向だと思います。

 何十年にも渡って天文学的な原発マネーを新潟に投入してきたのに県民は拒否の意思表示をしたのです。この人は冷静を装っていますが、内心はうろたえているに違いありません。

写真(新潟県知事選の結果を受けて悩む安倍総理) 出典:ANN
写真(新潟県知事選の結果を受けて悩む安倍総理) 出典:ANN

 ところで、海外メディアは今回の新潟県知事選をどのように報道しているのでしょうか?一例として、2016年10月17日付のイギリス:ガーディアン記事リンクを以下に示します。

「Japanese anti-nuclear candidate wins election at site of world’s biggest atomic power station 」

 上記リンク先の記事内容要約を以下に記します。

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写真(反原発知事が選出された新潟県は、世界最大の原子力発電所を抱える) 出典:ガーディアン
写真(反原発知事が選出された新潟県は、世界最大の原子力発電所を抱える) 出典:ガーディアン

世界最大の原子力発電所を抱える日本の地方で、反原発を掲げる候補者が知事に選出された。福島原発事故後に原発の再稼働を目論んでいた東京電力にとっては大打撃である。

医師で弁護士の米山隆一氏(49)は、主に野党系の支持を受けて新潟県知事選に勝利した。「県民の生命や生活を脅かしかねない状況下で、原発の再稼働など認められない。東京電力の野望と対峙してきた泉田前知事の政策を継続する。東京電力は、事故時の甲状腺がん防止策を持っていないし、まともな避難計画も立てていない。」というのが彼の主張だ。

福島原発事故後、柏崎刈羽原発の安全性を懸念する人が増えており、安倍政権の原発政策に対して拒否の意思表示がされたのだ。投票所での出口調査によると、県民の約7割は原発再稼働反対だ。

テレビニュースが米山氏当確を報じ始めると、米山陣営では万歳三唱が沸き起こった。自民党の支援を受けた森民夫氏(67)は国土交通省の官僚だったが、選挙に敗れた。森氏は選挙中、あからさまな原発再稼働推進を口することが出来なくなっていた。

世界最悪の福島原発事故を起こしただけでなく、その後繰り返された隠ぺい行為により、東京電力の信用は地に落ちた。新潟県の柏崎刈羽原発は800万キロワットの発電能力を有しており、その再生は東京電力にとって死活問題だ。日本で稼働中の原発は現在2基だけであり、安倍政権も積極的に再稼働したがっている。

今回の新潟知事選挙は、原発の安全性を問う機会になった。安倍政権の原発政策や、福島原発事故に対する東京電力の対応に対して、人々の関心が再び集まったのだ。

柏崎刈羽原発のうち数基は、2007年の地震以来停止したままだ。2007年の事故では放射能漏れや火災が発生しており、東京電力の対応もひどかった。そしてそれが、福島原発事故につながっている。
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 上記のガーディアン記事は、全体として、米山隆一氏の当選を好意的に報じていると思います。世界的には原発産業は衰退しており、どこの国も撤退を推進しています。金銭的な損得勘定を考えても割の合わない商売なのです。目先のことしか考えられない原発推進派が跳梁跋扈しているのは日本くらいなものです。日米原子力協定により、アメリカが日本の原発政策を牛耳っているのも大問題です。

参考リンク:【憲法よりも上位にあるもの?】日本社会を支配する本当のシステムは何か?

 今回の新潟県知事選の結果をバネにして、より多くの日本人が原発反対の声を上げて欲しいと思います。

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【福島原発事故による内部被ばく】東京は放射性物質まみれであり、安心して暮らせる場所ではない。

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「福島原発事故は収束した」
「福島原発事故により放出された放射性物質は健康に影響を与えない」
「放射性物質による実被害は無いのに懸念を表明するのは、風評被害につながるのでやめるべきだ」

 上記のような「信念」に取り憑かれている人は多いと思います。御用マスコミや芸能人を使った「食べて応援キャンペーン」も功を奏しているようです。

 「食べて応援キャンペーン」を懐疑的に見ている人もいます。しかしその人たちも、健康被害を心配すべきなのは福島県内だけだと思っている場合が多いのではないでしょうか?

 世界有数の大都市である東京は福島県から200km以上離れていますが、果たして、安心して暮らせる状態なのでしょうか?

「放射能汚染―32カ所が基準超え―東京東部で市民団体調査」

 上記リンク先の情報によると、2014年~2015年にかけて市民団体が調査した結果、国の指定基準を超える高放射能汚染箇所(ホットスポット)が多数発見されました。

出典:赤旗
出典:赤旗

 さらに、ホワイトフードさんは、東京都内公園の放射性物質による土壌汚染状況をまとめてくれています。

図(東京都の放射能汚染状況) 出典:ホワイトフード
図(東京都の放射能汚染状況) 出典:ホワイトフード

 詳細な数値に関しては、下記リンク先でご確認ください。

東京  放射能汚染の状況|放射能検査地図

 「この程度の汚染数値だったら大した事ねえよ。気の持ち方次第だよ」なんて言う人もいるかもしれません。放射性物質まみれの環境で暮らすことにより、放射性物質を呼吸や食事などを通して体内に取り込むとどうなるのでしょうか?外部被ばくよりも恐ろしい内部被ばくの危険を避けることはできません。

参考リンク:【福島原発事故】放射性物質の汚染により発生する健康被害とは?

 例えば、セシウム137を毎日10ベクレルづつ摂取した場合、500日後には体内の総放射線量は1400ベクレルにも達します(1ベクレルとは、1個の原子が1秒間に崩壊する時の放射線の強さに等しい)。体重70キログラムの大人ならば、1キログラム当たり20ベクレルですが、体重20キログラムの子供の場合、1キログラム当たり70ベクレルになってしまいます。体重1キログラム当たりのベクレル数が多くなるほど心臓に悪影響を与えやすいことが判っています。

図(放射性セシウム量と心臓への悪影響の関係) 出典:バンダジェフスキー博士 「放射性セシウムと心臓」
図(放射性セシウム量と心臓への悪影響の関係) 出典:バンダジェフスキー博士 「放射性セシウムと心臓」

 特に体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加します。セシウム137は、体内の様々な臓器に偏在し濃縮されるのが原因です。人工放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しません。

 チェルノブイリ原発事故に伴い、ベラルーシでこの研究を行い発表したバンダジェフスキー博士は逮捕・投獄され、拷問も受けています。日本では特定秘密保護法が成立しており、似たような人権侵害が起こる可能性が高いですね。つまり、内部被ばくによる健康被害は原発マフィア側にとって都合の悪い事実だということです。

 2016年6月30日、環境省は、1キログラム当たり8000ベクレル以下ならば一般廃棄物扱いにして全国でリサイクルも可能にするという基本方針を正式に決定しましたが、これが犯罪行為だということが理解できたのではないでしょうか?繰り返しますが、人工放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しないのです。本来、1キログラム当たり0ベクレルでなければなりません。

 安倍政権下では、放射性物質による汚染状況調査も健康被害調査もまともに行われていません。福島県内での甲状腺がん発生率が何百倍に増えても、原発事故との因果関係を認めようとしません。

 福島原発事故により放射性物質は全国に拡散されました。東京の人たちは他人事だと言ってられません。では、何をすべきなのでしょうか?

 放射性物質に汚染された地域は少なくとも300年は居住することができません。何兆円もかけて無駄な除染作業をするくらいならば、そのお金を移住費用などに充てるべきでしょう。本来、日本政府は下記の施策を即実行すべきです。

①放射能レベルの正確な測定を日本全国で行い、結果を全て公表する。
②外部被ばくだけでなく内部被ばくの危険についても、最新の知見を国民へ提供する。
➂避難・移住地域選定については、最低限、チェルノブイリ基準を適用する。

出典(明かり新聞)
出典(明かり新聞)

④避難・移住先で不自由がないように、住居、仕事、収入については十二分に援助する。
⑤避難対象者の医療費については生涯無料とし、診断結果は本人へ丁寧に説明する。
⑥原発は即廃止し、福島原発も含めて廃炉作業は安全第一で進める。

 放射性物質は、目も眩むような閃光を発しません。鼻を突くような異臭がありません。耳をつんざくような爆音もしません。顔をしかめるような激痛もありません。だからこそ、科学的な知識、原発マフィア以外からの情報、健康被害への想像力、冷静な思考力・判断力、雰囲気に流されない自律心などが必要になります。「見て見ぬふり」や「臭い物に蓋」は身を滅ぼします。国民は、自分の身は自分で守るしかないと思います。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report "Health consequences resulting from Fukushima Update 2015"
写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

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原発のデメリットとメリットまとめ

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原発のデメリット

1)建設に費用が掛かり過ぎる。一基あたり数千億である。

2)事故の心配をしなければならない。

3)原発稼働させる前に、周辺住民の避難計画を立てる必要がある。

4)事故に備えて安定ヨウ素剤を備蓄し、周辺住民に配布しなければならない。

5)事故時は放射性物質拡散情報が隠ぺいされるので、避難すべき方向がわからないし、ヨウ素剤を飲むタイミングもわからない。

6)巨大事故が起こっても、誰も責任をとらないシステムになっている。

7)日米原子力協定の縛りにより、日本側で決められるのは電気料金だけであり、基本的にアメリカの意向に従わなければならない。

8)原発は構造が複雑で、故障しやすい。

9)常に冷却し続けねばならないので、電源の喪失が命取りとなる。

10)稼働することで生み出される放射性廃棄物は、処理方法が確立されておらず、10万年先まで子孫に禍根を残す。

11)事故が起こってメルトダウンや爆発が起これば、周辺地域は居住不可能になる。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report "Health consequences resulting from Fukushima Update 2015"
写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

12)事故が発生すると多数の周辺住民が健康被害を受け、しかも世代を超えて被害が続く。

13)発電効率が約3割に過ぎず、残りの7割は海に捨てている。

14)核分裂反応では二酸化炭素を出さないが、それ以外の、建設・運用・廃炉を含めた莫大な工程で大量の二酸化炭素を排出する。

15)核兵器の製造が原発推進の当初の目的だったが、生み出された大量のプルトニウムは活用することができず、危険なだけである。

16)テロリストの攻撃に怯えなければならない発電施設である。

17)事故が起こらなくても、原発を保守点検する現場の作業員は放射性物質による健康被害に苦しみ続けている。

原発のメリット

1)政治家・官僚・メーカー・電力会社・御用マスコミ・御用学者といった原発マフィアたちが、おいしい生活をすることができる。

出典:原子力村の住民一覧
出典:原子力村の住民一覧

2)原発立地の住民は、おこぼれに預かることができる。(しかし、時間とともに金額は減り、事故の恐怖と引き換えである)

まとめ

 原発は、一般国民にはデメリットしかもたらさないことがお分かり頂けたと思います。原発は不幸をもたらすものです。再生可能エネルギーの活用が遅れている日本でも電力は足りており、原発は必要ありません。小水力・洋上風力・地熱・波力など、日本の豊かな自然環境を活かしたクリーンな発電手段を普及させるべきだと思います。

以上

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【日本人は全員観るべき】ドイツ公共放送の番組「フクシマの嘘」紹介

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 福島原発事故やその背景について、これほど重要な情報を30分弱で、しかも、分かりやすくまとめている番組は珍しいです。日本人だけでなく世界中の人に観てもらいたいビデオです。

 上記ビデオを観れない人のために、文字書き起こしを転載します。転載元は、下記のリンクです。

放射能メモ:ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」書き起こし

転載始め
*********************
我々は放射能から身を守り、警察から外人と見破られないよう防護服を着こんだ。
汚染され、破壊した原発が立っているのは立ち入り禁止区域だ。
そこに連れて行ってくれることになっている男性と落ち合った。
なにが本当にそこで起きているか、彼に見せてもらうためだ。
ナカ・ユキテル氏は原子力分野のエンジニア会社の社長で
もう何十年間も原発サイトに出向いて働いてきた。
フクシマでも、だ。
私たちは見破られず、無事チェックポイントを通過した。
作業員たちが作業を終え、原発から戻ってきたところだった。
3月11日に起こったことは、これから日本が遭遇するかもしれぬことの
前兆に過ぎないのかもしれないことが次第にわかってきた。
そしてその危険を理解するには、過去を理解することが必要だ。

(タイトル) フクシマの嘘
(監督) ヨハネス・ハノ

私たちは立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から約7キロ離れたところにいる。
ナカ氏はここで生活をし福島第一とフクシマノ第二の間を股にかけて仕事をしてきた。
ナカ氏と彼の部下は、何年も前から原発の安全性における重大な欠陥について注意を喚起してきた。
しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

(ナカ氏)
私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけで
その人たちの言うことなど誰も本気にしません。
日本ではその影響力の強いグループを呼ぶ名前があります。
原子力ムラ、というのです。
彼らの哲学は、経済性優先です。
この原子力ムラは東電、政府、そして大学の学者たちでできています。
彼らが重要な決定をすべて下すのです。

私たちは東京で菅直人と独占インタビューした。
彼は事故当時首相で、第二次世界大戦以来初の危機に遭遇した日本をリードしなければならなかった。
彼は唖然とするような内容を次々に語った、たとえば
首相の彼にさえ事実を知らせなかったネットワークが存在することを。
マスメディアでは彼に対する嘘がばらまかれ彼は辞任に追い込まれた。
彼が原子力ムラに対抗しようとしたからである。

(菅前首相)
最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前にしておかなければいけないものがあったのに、何もしなかったことです。
原発事故を起こした引き金は津波だったかもしれないが当然しておくべき対策をしなかったことが問題なのです。
この過失は責任者にあります。
つまり、必要であったことをしなかった、という責任です。

では原発事故の原因は地震と津波ではなかったのか?
原子力ムラの足跡を辿っていくと、嘘、仲間意識と犯罪的エネルギーの網の目に遭遇する。
調査は2つの大陸にまたがった。
まずカリフォルニアに飛んだ。
目的地はサン・フランシスコである。
私たちはある男性と話を聞く約束をしていた。
彼は長年原子炉のメンテナンスの仕事でフクシマにも何度も来ており
かなり深刻なミスや事故を東電が隠蔽するのに遭遇した。
フクシマの第1号原子炉は70年代初めにアメリカのジェネラルエレクトリック社が建設し
それ以来アメリカのエンジニアが点検を行ってきた。
そしてフクシマでは何度も問題があった。

(ハーノ記者)
東電は、点検後、なにをあなたに求めたのですか?

(スガオカ氏)
亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは簡単です。
つまり、黙れ、ですよ。
何も話すな、黙ってろ、というわけです。

問題があるなど許されない
日本の原発に問題など想定されていない
アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏も
それを変えようとすることは許されなかった。

(スガオカ氏)
1989年のことです、蒸気乾燥機でビデオ点検をしていて
そこで今まで見たこともないほど大きい亀裂を発見しました。

スガオカ氏と同僚が発見したのは、それだけではない。

(スガオカ氏)
原子炉を点検している同僚の目がみるみる大きくなったと思うと彼がこう言いました
蒸気乾燥機の向きが反対に取り付けられているぞ、と。
もともとこの原発の中心部材には重大な欠陥があったのだ。
スガオカ氏は点検の主任だったので
正しく点検を行い処理をする責任があったのだが
彼の報告は、東電の気に入らなかった。
私たちは点検で亀裂を発見しましたが、東電は私たちにビデオでその部分を消すよう注文しました。
報告書も書くな、と言うのです。
私はサインしかさせてもらえませんでした。
私が報告書を書けば、180度反対に付けられている蒸気乾燥機のことも報告するに決まっていると知っていたからです。

(ハーノ記者)
では、嘘の文書を書くよう求めたわけですか?

(スガオカ氏)
そうです、彼らは我々に文書の改ざんを要求しました。

スガオカ氏は仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。
GE社に解雇されて初めて彼は沈黙を破り日本の担当官庁に告発した。
ところが不思議なことに、告発後何年間もなにも起こらなかった。
日本の原発監督官庁はそれをもみ消そうとしたのだ。
2001年になってやっと、スガオカ氏は「同士」を見つけた。
それも日本のフクシマで、である。
18年間福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏は当時の日本の与党、保守的な自民党所属だ。
佐藤氏は古典的政治家で皇太子夫妻の旅に随行したこともある。
始めは彼も、原発は住民になんの危険ももたらさないと確信していた。
それから、その信頼をどんどん失っていった。

(佐藤前知事)
福島県の原発で働く情報提供者から約20通ファックスが届きその中にはスガオカ氏の告発も入っていました。
経産省は、その内部告発の内容を確かめずにこれら密告者の名を東電に明かしました。
それからわかったことは、私も初めは信じられませんでした。
東電は、報告書を改ざんしていたというのです。
それで私は新聞に記事を書きました。
そんなことをしていると、この先必ず大事故が起きる、と。

それでやっと官僚たちもなにもしないわけにはいかなくなり
17基の原発が一時停止に追い込まれた。
調査委員会は、東電が何十年も前から重大な事故を隠蔽し安全点検報告でデータを改ざんしてきたことを明らかにした。
それどころか、フクシマでは30年も臨界事故を隠してきたという。
社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。
一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役に任命された。
彼らは佐藤氏に報告書の改ざんに対し謝罪したが佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。
そこで佐藤氏は日本の原発政策という「暗黙のルール」に違反してしまった。
2004年に復讐が始まった。

(佐藤前知事)
12月に不正な土地取引の疑いがあるという記事が新聞に載りました。
この記事を書いたのは本来は原発政策担当の記者でした。
この疑惑は、完全にでっち上げでした。
弟が逮捕され、首相官邸担当の検察官が一時的に福島に送られて検事を務めていた。
彼の名はノリモトという名で
遅かれ早かれ、お前の兄の知事を抹殺してやる、と弟に言ったそうです。
事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に圧力がかかり始めました。
少し私の悪口を言うだけでいいから、と。
中には2、3人、圧力に耐え切れずに自殺をする者さえ出ました。
私の下で働いていたある部長は、いまだ意識不明のままです。

それで、同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。
裁判で彼の無罪は確定されるが
しかし沈黙を破ろうとした「邪魔者」はこうして消された。
これが、日本の社会を牛耳る大きなグループの復讐だった。
そしてこれこそ、日本で原子力ムラと呼ばれるグループである。

(菅前首相)
ここ10~20年の間、ことに原子力の危険を訴える人間に対する
あらゆる形での圧力が非常に増えています。
大学の研究者が原発には危険が伴うなどとでも言おうものなら出世のチャンスは絶対に回ってきません。
政治家はあらゆる援助を電力会社などから受けています。
しかし、彼らが原発の危険性などを問題にすれば、そうした援助はすぐに受けられなくなります。
反対に、原発を推進すれば、多額の献金が入り込みます。
それは文化に関しても同じでスポーツやマスコミも含みます。
このように網の目が細かく張りめぐらされて原発に対する批判がまったくなされない環境が作り上げられてしまいました。
ですから原子力ムラというのは決して小さい領域ではなくて国全体にはびこる問題なのです。
誰もが、この原子力ムラに閉じ込められているのです。

東電から献金を受け取っている100人以上の議員に菅首相は立ち向かった。
その中には前の首相もいる。やはり彼と同じ政党所属だ。
ネットワークは思う以上に大きい。
多くの官僚は定年退職すると、電事業関連の会社に再就職する。
1962年以来東電の副社長のポストは原発の監査を行うエネルギー庁のトップ官僚の指定席だ。
これを日本では天下り、と呼んでいる。
しかし反対の例もある。
東電副社長だった加納時男氏は当時与党だった自民党に入党し12年間、日本のエネルギー政策を担当し
それからまた東電に戻った。
このネットワークについて衆議院議員の河野太郎氏と話した。
河野氏の家族は代々政治家で彼の父も外相を務めた。
彼は、第二次世界大戦後日本を約60年間に渡り支配した自民党に所属している。
原発をあれだけ政策として推進してきたのは自民党である。

(河野議員)
誰も、日本で原発事故など起こるはずがない、と言い続けてきました。
だから、万が一のことがあったらどうすべきか、という準備も一切してこなかったのです。
それだけでなく、原発を立地する地方の行政にも危険に対する情報をなにひとつ与えてこなかった。
いつでも、お前たちはなにも心配しなくていい
万が一のことなど起こるはずがないのだから、と。
彼らはずっとこの幻想をばらまき事実を歪曲してきた
そして今やっと、すべて嘘だったことを認めざるを得なくなったのです。

この雰囲気が2011年3月11日に壊れた。
日本がこれまでに遭遇したことのない大事故が起きてからだ。
14時46分に日本をこれまで最大規模の地震が襲った。
マグニチュード9だった。
しかし、地震は太平洋沖で始まったその後のホラーの引き金に過ぎなかった。
時速数百キロという激しい波が津波となって日本の東部沿岸を襲った。
津波は場所によっては30メートルの高さがあり町や村をのみこみ消滅させてしまった。
約2万人の人がこの津波で命を失った。
そして福島第一にも津波が押し寄せた。
ここの防波堤は6メートルしかなかった。
津波の警告を本気にせず処置を取らなかった東電や原発を監査する当局は
警告を無視しただけでなく、立地場所すら変更していたのだ。

(菅前首相)
もともとは、原発は35mの高さに建てられる予定でした。
しかし標高10mの位置で掘削整地しそこに原発を建設したのです。
低いところの方が冷却に必要な海水をくみ上げやすいという理由で。
東電がはっきり、この方が経済的に効率が高いと書いています。

巨大な津波が、地震で損傷を受けた福島第一を完全ノックアウトした。
まず電源が切れ、それから非常用発電機が津波で流されてしまった。
あまりに低い場所に置いてあったからである。
電気がなければ原子炉冷却はできない。

(菅前首相)
法律ではどの原発もオフサイトサンターを用意することが義務付けられています。
福島第一ではその電源センターが原発から5キロ離れたところにあります。
これは津波の後、1分と機能しなかった。
それは職員が地震があったために、そこにすぐたどりつけなかったからです。
それで電源は失われたままでした。
こうして送電に必要な器具はすべて作動しませんでした。
つまりオフサイトサンターは、本当の非常時になんの機能も果たさなかったということです。
法律では原発事故と地震が同時に起こるということすら想定していなかったのです。

菅直人はこの時、原発で起こりつつある非常事態について、ほとんど情報を得ていなかった。
首相である彼は、テレビの報道で初めて、福島第一で爆発があったことを知ることになる。

(菅前首相)
東電からは、その事故の報道があって1時間以上経ってもなにが原因でどういう爆発があったのかという説明が一切なかった。
あの状況では確かに詳しく究明することは難しかったのかもしれないが、
それでも東電は状況を判断し、それを説明しなければいけなかったはずです。
しかし、それを彼らは充分に努力しませんでした。

2011年3月15日、災害から4日経ってもまだ
東電と保安院は事故の危険を過小評価し続けていた。
しかし東電は菅首相に内密で会い、職員を福島第一から撤退させてもいいか打診した。
今撤退させなければ、全員死ぬことになる、というのだ。

(菅前首相)
それで私はまず東電の社長に来てもらい、撤退はぜったい認められない、と伝えた。
誰もいなくなればメルトダウンが起き、そうすれば莫大な量の放射能が大気に出ることになってしまう。
そうなってしまえば広大な土地が住めない状態になってしまいます。

菅は初めから東電を信用できず、自分の目で確かめるためヘリコプターで視察した。
しかし首相である彼にも当時伝えられていなかったことは、フクシマの3つの原子炉ですでにメルトダウンが起きていたということだ。
それも災害の起きた3月11日の夜にすでに。

(菅前首相)
東電の報告にも、東電を監査していた保安院の報告にも、燃料棒が損傷しているとかメルトダウンに至ったなどということは一言も書かれていなかった。
3月15日には、そのような状況にはまだ至っていないという報告が私に上がっていました。

事故からほぼ1年が経った東京。
世界中であらゆる専門家が予想していたメルトダウンの事実を東電が認めるまでなぜ2ヶ月も要したのか、私たちは聞こうと思った。
自然災害が起きてからすぐにこの原発の大事故は起きていたのである。

(ハーノ記者)
「原子炉1号機、2号機そして3号機でメルトダウンになったことを、東電はいつ知ったのですか」

(東電・松本氏)
「私どもは目で見るわけにはいきませんが、上がってきましたデータをもとに事態を推定し燃料棒が溶けおそらく圧力容器の底に溜まっているだろう、という認識に達したのは5月の初めでした。」

膨大なデータに身を隠そうとする態度は今日も変わらない。
東電は、毎日行う記者会見でこれらのデータを見せながら、事態はコントロール下にあると言い続けている。
しかしこれらのデータの中には、本当に責任者たちはなにをしているのかわかっているか、疑いたくなるような情報がある。
たとえばスポークスマンはついでのことのように、放射能で汚染された冷却水が「消えてしまった」と説明した。 
理由は、原発施設ではびこる雑草でホースが穴だらけになっているという。

(ハーノ記者)
「放射能で汚染された水を運ぶホースが
雑草で穴が開くような材料でできているというのですか?」

(東電・松本氏)
「草地に配管するのは私たちも初めてのことですが、穴があくなどのことについては知見が不十分だったと思っています。」

しかし原発の廃墟をさらに危険にしているのは雑草だけではない。
私たちは富岡町に向かった。
ゴーストタウンだ。
原発廃墟の福島第一から7キロのところにある。
私たちはナカ氏に便乗した。
彼のような住民は、個人的なものをとりに行くためだけに短時間だけ帰ることが許されている。
彼は、地震に見舞われた状態のまま放り出された会社を見せてくれた。
今では放射能のため、ここに暮らすことはできない。

(ナカ氏)
この木造の建物はとても快適でした。
とても静かで、夏は涼しく、冬は暖かかった。
私たちは皆ここで幸せに暮らしていました。

80人の原発専門のエンジニアが彼のもとで働いており
原発事故後も、事故をできるだけ早く収束しようと努力している。
ナカ氏と彼の社員は、原発廃墟で今本当になにが起きているのか知っている。

(ナカ氏)
私たちの最大の不安は、近い将来、廃墟の原発で働いてくれる専門家がいなくなってしまうことです。
あそこで働く者は誰でも、大量の放射能を浴びています。
どこから充分な数の専門家を集めればいいか、わかりません。

しかし、まだ被爆していない原発の専門家を集めなければ事故を収束するのは不可能だ。
例えこれから40年間、充分な専門家を集められたとしても、日本も世界も変えてしまうことになるかもしれない一つの問題が残る

(ハーノ記者)
今原発は安全なのですか?

(ナカ氏)
そう東電と政府は言っていますが
働いている職員はそんなことは思っていません。とても危険な状態です。
私が一番心配しているのは4号機です。
この建物は地震でかなり損傷しているだけでなく、この4階にある使用済み燃料プールには約1300の使用済み燃料が冷却されています。
その上の階には新しい燃料棒が保管されていて、非常に重い機械類が置いてあります。
なにもかもとても重いのです。もう一度大地震が来れば建物は崩壊してしまうはずです。
そういうことになれば、また新たな臨界が起こるでしょう。

このような臨界が青空の下で起これば、日本にとって致命的なものとなるだろう。
放射能はすぐに致死量に達し、原発サイトで働くことは不可能となる。
そうすれば高い確率で第1、2、3、 5、 6号機もすべてが抑制できなくなり、まさにこの世の終わりとなってしまうだろう。
東京で著名な地震学者の島村英紀氏に会った。
2月に東大地震研が地震予知を発表したが、それによれば75%の確率で4年以内に首都を直下型地震が襲うと予測されている。

(ハーノ記者)
このような地震があった場合に原発が壊滅して確率はどのくらいだとお考えですか?

(島村教授)
-はい、とても確率は高いです。

(ハーノ記者) 
-どうしてですか?

(島村教授)
計測している地震揺れ速度が、これまでの予測よりずっと速まってきています。
私たちはここ数年千以上の特別測定器を配置して調査してきましたが
それで想像以上に地震波が強まり、速度も増していることがわかったのです。

これは日本の建築物にとって大変な意味を持つだけでなく、原発にとっても重大な問題となることを島村氏は説明する。

(島村教授)
これが原発の設計計算です。
将来加速度300~450ガルの地震が来ることを想定しています。
そして高確率で発生しないだろう地震として600ガルまでを想定していますが
この大きさに耐えられる設計は原子炉の格納容器だけで
原発のほかの構造はそれだけの耐震設計がされていないのです。
しかし私たちの調査では、最近の地震の加速度がなんと4000ガルまで達したことがわかっています。
想定されている値よりずっと高いのです。

(ハーノ記者) 
電気会社は、それを知って増強をしなかったのですか?

(島村教授)
今のところ何もしていません、不十分であることは確かです。
これだけの地震に耐えられるだけの設計をしようなどというのは、ほとんど不可能でしょう。

ここは原発廃墟から60キロ離れた場所だ。
フクシマ災害対策本部では東電、保安院、福島県庁が共同で原発の地獄の炎を鎮火するための闘いの調整をはかっている。
私たちは東電の災害対策部責任者にインタビューした。
ことに彼に訊きたいのはどうやって今後これだけ損傷している原発を大地震から守るつもりなのか、ということだ。
ことに、危ぶまれている4号機について訊いた。

(東電・白井氏)
4号機の使用済み燃料プールには夥しい量の使用済み燃料が入っています。
これをすべて安全に保つためには、燃料プールの増強が必要です。
燃料プールのある階の真下に、新しい梁をつけました。

(ハーノ記者) 
原発はほとんど破壊したといってもいいわけですが
原発が健在だった1年前ですら大地震に耐えられなかった構造で
どうやって次の地震に備えるつもりなのでしょうか?

(東電・白井氏)
我々は耐震調査を4号機に限らず全体で行いました。
その結果、問題ないという判断が出ています。

(ハーノ記者) 
でも地震学者たちは4000ガルまでの地震加速度が測定されていて、これだけの地震に耐えられるだけの原発構造はないと言っています。
半壊状態のフクシマの原発の真下でそのような地震が来ても全壊することはないと、なぜ確信がもてるのですか?

(東電・白井氏)
その4000ガルという計算は別の調査ではないでしょうか。
それに関しては、私は何とも言いかねます。

(ハーノ記者) 
原発を日本で稼動させるだけの心構えが、東電にできているとお考えですか?

(東電・白井氏)
それは答えるのが難しいですね。

(ナカ氏)
これがやってきたことの結果です。
この結果を人類はちゃんと知るべきだと思います。
一緒に未来の政策をつくっていくことができるように
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転載終わり

 本記事の拡散を是非ともお願い致します。同じ間違いを人類がこれ以上繰り返さないために、ご協力をお願い致します。

以上

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【壮大な人体実験?】放射性物質の中で暮らしている人々

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 まずは、次のビデオをご覧ください(全体で8分41秒)。福島県福島市の河川敷で、住民たちが放射線量を計っています。

 毎時20マイクロシーベルトを超えるようなホットスポットが存在するのには驚かされます。こんなところで、学生がランニングしたり、子供が遊んでいるのです。現在、福島県に住んでいる人たちの中で危機感があるのはごく一部なのでしょうか?

 このビデオを見て、私が抱いた感想を以下に述べます。

・除染といっても地域の一部しかできないので、安心して暮らせるようにはならない。
・政府が発表する線量数値はあてにならない。
・毎時何マイクロシーベルトというのは外部被ばくだけであり、内部被ばくの危険性を住民たちは認識していない。(体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加する。セシウム137は、体内の様々な臓器に偏在し濃縮されるのが原因だ。人工放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しない。)
・除染で発生した大量の放射性廃棄物を詰めたフレコンパックは何十万個にもなるが、屋外で野ざらしにされているため、その多くが破れ始めている。呼吸や食事による内部被ばくの危険性はますます高まっている。
・放射線は人間の五感で認識できないので、危機感を持つことが難しい。
・放射性物質の安心神話を刷り込む御用学者、健康被害の隠ぺい工作、食べて応援キャンペーンなどにより、住民たちはダマされている。

 放射性物質に汚染された地域は少なくとも300年は居住することができません。何兆円もかけて無駄な除染作業をするくらいならば、そのお金を移住費用などに充てるべきでしょう。本来、日本政府が行うべき施策は下記であるべきです。

①放射能レベルの正確な測定を日本全国で行い、結果を全て公表する。
②外部被ばくだけでなく内部被ばくの危険についても、最新の知見を国民へ提供する。
➂避難・移住地域選定については、最低限、チェルノブイリ基準を適用する。

出典(明かり新聞)
出典(明かり新聞)

④避難・移住先で不自由がないように、住居、仕事、収入については十二分に援助する。
⑤避難対象者の医療費については生涯無料とし、診断結果は本人へ丁寧に説明する。
⑥原発は即廃止し、福島原発も含めて廃炉作業は安全第一で進める。

 安倍政権をはじめとする原発マフィアがやっていることは、これらの原則に反しています。国民を危険地域に放置して、壮大な人体実験でもやりたいのでしょうか?

 放射性物質は、目も眩むような閃光を発しません。鼻を突くような異臭がありません。耳をつんざくような爆音もしません。顔をしかめるような激痛もありません。だからこそ、科学的な知識、利害関係者以外からの情報、健康被害への想像力、冷静な思考力・判断力、雰囲気に流されない自律心などが必要になります。「見て見ぬふり」や「臭い物に蓋」は身を滅ぼします。国民は、自分の身は自分で守るしかないと思います。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report "Health consequences resulting from Fukushima Update 2015"
写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

以上

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【原発労働者の声】日本社会の差別構造が全国の原発を支えている。

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 原発利権に巣食う人々の集まりは、原子力ムラとか原子力マフィアと呼ばれます。巨大な集団でありその構造は複雑です。具体的なものを下図に示します。

出典:原子力村の住民一覧
出典:原子力村の住民一覧

 政治家・官僚・電力会社・関連メーカー・学者・マスコミ・・・。彼らは、国民から徴収した電気料金や税金を使って、有害無益な原発を推進・運営し、働きにそぐわないオイシイ生活を送っています。地域独占で、かかったコストをすべてユーザーに請求できるという異常さを当たり前だと思い込んでいる人たちに自浄努力を期待することはできません。重大事故を何回繰り返しても、その結果、日本社会が放射性物質まみれになっても、日本人がそのせいで絶滅に向かっても、みずから現状を変えることは絶対にありません。麻薬中毒患者と同じなのです。

 さて、原子力ムラという組織を支え、批判の対象となっている人たちのほとんどは、原子力発電所の現場を知りません。原発を支えているのは末端の労働者たちです。危険で汚く給料も安いという差別的な労働環境に苦しみながら、それに依存するしかない現実があります。原子力ムラの無責任な行動やぜいたくな生活は、末端で働く非正規労働者たちに支えられています。放射線被ばくを伴う危険作業は、現場の使い捨て労働者たちにほとんどが押し付けられています。

図(被ばく作業のほとんどは下請け業者が行っている) 出典:朝日新聞
図(被ばく作業のほとんどは下請け業者が行っている) 出典:朝日新聞

 求人に応募して全国から集められた労働者は、原発の現実を知らない若年層も大勢います。防護服・マスク・ゴーグルで全身を覆わねばならないため息苦しく、声がこもりコミュニケーションは困難となり、湿気で全身汗びしょになります。現場では水を飲むこともできず、トイレ休憩もままなりません。放射線の恐怖に怯え、線量計のアラーム音が鳴れば生きた心地がしません。線量の管理はいい加減で杜撰です。保守点検を考慮した設計になっていないので、作業のやり難さは天下一品です。現場で負傷者が出ても救急車を呼ばず、事故自体が隠ぺいされています。

 子供が生まれる予定の原発労働者は、放射線により自分の子供の健康が悪影響を受けないか心配します。自分の健康が悪化しても、放射線との因果関係が認められることは稀です。これだけのリスクを負っても、支払われる給料は少ない。ヤクザ稼業の中間業者が何重にも入り込みピンハネしているからです。そんな実態を把握していても電力会社は見て見ぬふりをしています。各原発労働者の被ばく歴はコンピューター管理されていますが、自分の数値を教えて欲しいと照会しても応じてくれません。原発労働により健康を害しても世話をしてもらえるわけではなく、捨てられるだけです。原発労働者は、電力会社の正社員と比べてあらゆる面で差別されており、時には地元住民からも白い目で見られます。

 先日、ある芸能人が福島第一原発を訪れて、原発管理側の案内で現実を知った気になり浅はかなレポートをしていましたが、こんなものを簡単に信用してはいけません。

写真(福島第一原発をリポートするカンニング竹山氏) 出典:共同通信
写真(福島第一原発をリポートするカンニング竹山氏) 出典:共同通信

 たかだか発電設備、しかも、供給量は十分に足りているので無くても困らない発電設備のために何万、何十万という人たちの人権を踏みにじっているという現実を知るべきです。広島・長崎と同じく被ばくが避けられない原子力発電所。「安全神話」「や「安心神話」を流布している人でなしを許してはなりません。人命を危険にさらさなければ維持できないような発電施設(=原発)は即廃止すべきです。「原発再稼働」や「原発輸出」を推進する政府の方針に軽々しく賛成している有権者は、一度立ち止まって考えを改める必要があると思います。

参考文献:

原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録

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