【シリアに対するアメリカのミサイル攻撃】アメリカの暴走?アメリカの偽善?戦争で得をするのは誰?日本はイエスマンでいいの?

写真(米国によるシリアへのミサイル攻撃) 出典:ニューズウィーク

 2017年4月6日、アメリカのトランプ政権は、シリア国内にあるアサド政権の軍事施設を巡行ミサイル数十発で攻撃しました。理由は「シリア国内で、化学兵器の使用が疑われる攻撃で多数の死傷者が出たことへの対抗措置」だそうです。アメリカの考えや行動は正しいのか考えてみたいと思います。

1)アサド政権は自国民に対して本当に化学兵器を用いたのか?
 「サリンのような神経ガスや塩素ガスなどの化学兵器がアサド政権によって使われた結果、多数の住民が殺害された」、とトランプ大統領は主張しています。その一方で、アサド大統領はこの主張を全否定しています。関連する記事のリンクを以下に示します。

「アメリカはテロリスト支援国家だ」シリア・アサド大統領のインタビュー書き起こし

 本当にアサド政権が自国民に対して化学兵器を使ったのかどうかは調査中であり、国連安保理での決議案採決もされないまま、アメリカは独断でミサイル攻撃をしてしまいました。客観的に見てこれはアメリカの暴走であり、侵略行為と言われても仕方ありません。

 本当に化学兵器が使われたのか?使われたのが本当なら、誰が使ったのか?アメリカの支援を受けているテロリスト集団が使ったという可能性はないのか?予断を許さず冷静に調査しなければなりません。アメリカは調査を妨害してはなりません。

2)アメリカはまず、大量破壊兵器による自国の侵略の歴史を振り返るべき

 トランプ大統領は次のように述べています。

「シリアの独裁者アサドが無実の市民に対して化学兵器を使って攻撃を行った。このとても残虐な攻撃でかわいい赤ちゃんたちも無慈悲に殺害された」
「罪もない市民に対する化学兵器を使った攻撃は恐ろしいことで、このようなアサド政権による凶行は許容されてはならない」

 トランプ大統領は本当に、シリア市民の立場で物事を考えているのでしょうか?アメリカ第一主義で移民排斥のような主張を繰り返してきましたが、あれは何だったのでしょうか?

 実際のところアメリカは「世界の警察官」ではなく、長年に渡り、世界中で侵略行為を繰り返してきました。建国以来、その年月の93%を戦争に費やしてきたのです。戦争がないと生きていけない国といっても過言ではありません。関連する記事のリンクを以下に示します。

【山本太郎議員の追及!】これを見れば、安倍政権がアメリカの奴隷であることを再認識できる。

 上記リンク先記事にも書いていますが、アメリカは、ありもしない大量破壊兵器を口実にイラクを侵略し、無数の市民を虐殺しました。これは明確な国際法違反であり、戦争犯罪です。しかし、謝罪すらしていません。

 日本への原爆投下・空襲も戦争犯罪ですが、謝罪していません。オバマさんは広島に来て演説しましたが、その内容は空虚で退屈なものでした。具体的には下記リンク先記事をご覧ください。

【ゴマカシと偽善が充満】オバマ米大統領の広島演説を解説します。

 イラクなどの戦場でアメリカが使った劣化ウラン弾は放射性物質を広範にまき散らし、兵士や住民たちに深刻な健康被害をもたらしています。悪魔の所業ともいえる実態を下記リンク先の記事でご確認ください。

【悪魔の所業!】原発のゴミで作られた兵器により生命を脅かされている人たち

 アメリカはベトナム戦争で化学兵器の一種である枯葉剤を大量に散布しました。被害者は推定で300万人にも上ります。悲惨な写真の数々をここでは掲載しませんが、彼らに対してアメリカは謝罪していません。

 上記の例は氷山の一角に過ぎません。過去のアメリカの戦争犯罪を振り返ってみると、「世界の警察官」を気取る資格はありませんし、シリア市民の安全を親身になって考えているとは思えないのです。トランプさんは偽善者なのでしょう。

3)アメリカの戦争で得をするのは誰か?
 アメリカが、他国民の人命を踏みつけにしてでも戦争をやりたがる理由はなんでしょうか?言うまでもなく、軍需産業を儲けさせるためです。詳しくは、下記リンク先の記事を参照してください。

暴力で物事を解決しようとし、暴力という手段で儲けようとする国:アメリカ

 死の商人たちを儲けさせるため、という本音を漏らすことはありません。しかし、事実なのです。アメリカは、麻薬の中毒患者のようなものです。過去の愚行を繰り返したいがために、暴走を正当化したいがために、世界の警察官を演じているのです。

4)日本はどうすべきか?
 アメリカがまともな国でないことは十分お分かり頂けたと思います。戦後70年以上に渡って、このアメリカの植民地だったのが日本です。植民地と言われてピンとこない人は下記文献が参考になると思います。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

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 植民地国家のリーダーである安倍総理は、アメリカ:トランプ政権のシリア攻撃に対して次のようなコメントを述べました。(2017年4月9日)

「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないという米国政府の決意を日本政府は支持する。今回の米国の行動は、これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解している」
「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増している。その中で、国際秩序の維持と、同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強い関与を日本は高く評価する。今後、米国をはじめ国際社会と連携しながら、世界の平和と安定のために日本が果たすべき役割をしっかり果たしていく」

 ひたすらアメリカのイエスマンに徹しなければならない総理大臣というのも見ていて哀れですね。私だったら、いくらお金を積まれてもあんな役割はお断りです。

 日本国のリーダーとして少しでもプライドを持っているならば、アメリカに対して小石くらい投げて欲しいと思います。

【矢部宏冶氏の著書】『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』を読んでみた。

以上

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