まずは、下記のYouTube映像をご覧ください。2015年5月に行われた、日本共産党:志位委員長と自民党:安倍総理の党首討論です。(約7分30秒)
討論の流れは次の通りです。
日本が起こした戦争は間違っているのか正しいのか、志位さんは安倍さんに対して繰り返し質問した。
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しかし、安倍さんは討論の間、質問に答えることはなかった。
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過去の日本の戦争に関して安倍さんは善悪の判断ができない、と志位さんは判断した。
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集団的自衛権を認めると、アメリカの言いなりになって一緒に戦争ができるようになってしまう。しかし当然ながら、アメリカが今後起こす戦争が間違い、つまり侵略戦争のケースもあり得る。
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自国が起こした戦争の善悪も判断できないのに、アメリカが行う戦争の善悪を判断できる訳がない。これではアメリカの侵略戦争に加担する恐れがある。
討論の間、安倍さんは終始逃げ回っていました。従って議論もかみ合わず生産的なものとは言えませんでした。(見てるだけで疲れる・・・)
過去の日本の侵略戦争に関して、安倍さんが善悪の判断ができなかった理由を考えてみたいと思います。
実は安倍さんは、日本の過去の戦争に関して善悪の判断が出来ていたのです。安倍さんの基本的な考えは以下の通りです。
「天皇の軍隊が行ったのは自衛のための戦争であり、侵略戦争では断じてない。日本軍の行動を邪魔する者は皆テロリストだ。我々は何も悪いことはしていないので謝罪する必要はない。」
つまり、靖国神社の基本的立場と一致しているのです。従って、個人的にお友達から「日本の過去の戦争が良いか悪いか?」と問われたら「良い」と答えるはずです。「悪い」と答えるはずがありません。
日本の過去の戦争が正しいと思っているならば、正々堂々「良い」と答えればいいと思うのですが、公の場で口に出して言うことができません。なぜか?宗主国であるアメリカ様からお叱りを受けるからです。アメリカの考えは「日本の過去の戦争は悪い」ですから、それと反対のことを公の場で言うことはできないのです。
戦後の日本はずっとアメリカの属国でした。実質、独立国ではないのでアメリカに対して頭が上がらないのです。義務でもない「思いやり」予算を毎年2000〜3000億円も献上して、アメリカ軍様に沖縄駐留して頂いている状態です。日本社会の基本的在り方を決める前には、アメリカ様にお伺いを立てなければならないのが現実です。注)
では、アメリカ様の意向通り「日本の過去の戦争は悪い」、つまり、侵略戦争だったと安倍総理は公の場で言明できるでしょうか?出来るはずがありません。なぜなら安倍さんの本心は、
「天皇の軍隊が行ったのは自衛のための戦争であり、侵略戦争では断じてない。日本軍の行動を邪魔する者は皆テロリストだ。我々は何も悪いことはしていないので謝罪する必要はない。」
、ですから。しかも、靖国神社が大好きなその他大勢の仲間達(主に自民党議員)に合わせる顔が無くなります。選挙では、靖国神社の教義に共感している多くの有権者に支えられてきたという事情もあります。
以上に述べた背景がありますので、「日本の過去の戦争が良いか悪いか」という基本的な質問に安倍総理は答えることが出来なかったのです。さぞかし辛かったでしょうね。大金を積まれても、こんな立場になるのは御免です。党首討論お疲れ様でした。
注)日本が独立国として振る舞えない事情については下記文献が詳しい。
以上