この女性蔑視丸出しの歌詞を見たら、自民党議員やネトウヨですら眉をひそめるのではないか?あまりに度が過ぎて笑ってしまう、というのが正直な感想だ。
秋元康氏は多才だ。作詞家、放送作家、プロデューサー、映画監督、さらに、漫画原作者でもある。2009年4月から2012年5月まで日本放送作家協会理事長を務め、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事でもある。この秋元氏が作詞した曲「アインシュタインよりディアナ・アグロン」を紹介しよう。
歌詞は、下記リンク先ですべて見ることが出来る。
http://www.uta-net.com/movie/206311/
以下に、一部を引用させていただく。
引用始め
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難しいことは何も考えない
頭からっぽでいい
二足歩行が楽だし
ふわり軽く
風船みたいに生きたいんだ
女の子は
可愛くなきゃね
学生時代は
おバカでいい
(中略)
テストの点以上
瞳(め)の大きさが気になる
どんなに勉強できても
愛されなきゃ意味がない
スカートをひらひらとさせて
グリーのように
世の中のジョーシキ 何も知らなくても
メイク上手ならいい
ニュースなんか興味ないし
たいていのこと
誰かに助けてもらえばいい
女の子は
恋が仕事よ
ママになるまで
子供でいい
それよりも重要なことは そう
スベスベの
お肌を保つことでしょう?
(中略)
もっともっともっと
輝きたい
人は見た目が肝心
だってだって
内面は見えない
可愛いは正義よ
チヤホヤされたい
(以下略)
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引用終わり
女性アイドルグループのプロデューサーとして有名な秋元康氏は、この歌詞を世に送ることで多くの人から共感を得、結果として大きな儲けにつながると考えたのである。SNS上で一部の人間が反発したとしても、そんなことは気にしない。刹那的・反動的であり、無知・無教養丸出しだ。仕事とはいえ、このような曲を歌わされている女性たちはどんな気持ちなのだろうか?少しでも屈辱を感じてくれればいいが、何の問題意識もないならば洗脳されていることになる。
女性蔑視・男尊女卑意識に凝り固まっている人間は日本にたくさんおり、彼らの本音を解りやすく表現すると次の通りになる。
「女は性的に搾取されるべき存在だ」
「男へ愛想良くし媚びを売る態度を女は身に付けろ」
「女に教育は必要ない」
このように、女性に対して精神的奴隷であることを強要するメッセージが日本社会には溢れている。多くの女性は幼い時からこのようなメッセージに繰り返しさらされ続け、次第に自尊心を失い、男性が支配するいびつな環境に順応してきたのだ。男も女もそれを当然と思い、普段は意識することもないのが実情だ。無意識下に押し込まれたものを、自分の力だけで意識化することは難しいのだ。
「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の時代錯誤で戦前回帰願望すら感じる歌詞を見て、日本会議という政治的反動団体を連想した。安倍内閣を占拠し、安保法制・憲法改悪を推進している日本会議にとって、最良の時は戦前であるらしい。
日本会議に賛同する人間にとって、秋元康氏が作詞した曲「アインシュタインよりディアナ・アグロン」のメッセージは耳に心地良いだろう。日本会議という言葉すら知らない若者が多いと思うが、問題意識もなく女性蔑視曲を喜んで聴いているとは嘆かわしい。亡国の風景である。
この歌詞の件でバッシングされている秋元康氏だが、実は、安倍総理と大の仲良しである。秋元氏の自宅に安倍氏を招き、昼食を共にしたこともある。
二人は新聞紙上で対談も行っている。価値観を共有しているのだろう。類は友を呼ぶのである。
安倍晋三首相×作詞家・秋元康氏(1)アイデアと勇気、世界変える(産経新聞)
安倍総理は、民進党:辻元議員のような自分に媚びを売らない女性に対しては、見下した態度をとる。
しかし、自分に対して媚びを売り、ご機嫌を取ることが上手い女性は閣僚として重用する。筆頭格はこの人だが、稲田さんもなかなか頑張っている。
最後に:
女性が奴隷状態を強要されている社会は男にとっても住みにくく、衰退の一途をたどることは避けられない。出生率の低下や人口減少という事実がそれを証明している。暮らしやすい社会にするには、有権者自身が意識を変え、具体的な投票行動を起こさなければならない。待っていても何も変わらない。政治家が発する選挙向けの美辞麗句ではなく、普段の行動・発言を注意深く観察することが肝要だ。また、普段何気なく聴いている音楽の中にも、性差別を助長する毒が含まれていないかどうか確認・検証していく必要がある。
以上