安倍さんを今後も支持するかどうか、これを読んでから決めても遅くないと思います。この法律はナゼ違憲なのか?

写真(南スーダンに派遣されたPKO部隊を視察する稲田防衛大臣) 出典:産経ニュース

 安保法制が強行採決される前の2015年5月27日、日本共産党の志位委員長が、衆議院安保法制特別委員会で、戦地での軍事支援について質問しました。国会中継のビデオリンクを以下に記します。

 後半のハイライトシーンだけを、以下に書き起こしました。安倍総理とのやり取りを通じて、非常に重要な指摘がされています。

書き起こし始め
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<志位議員>
これは、米海兵隊がつくった「海兵隊教本」でございます。現在使われているものであります。

「兵站(へいたん)はいかに重要か。兵站は軍事作戦のいかなる実施の試みに置いても不可欠な部分である。兵站なしには計画的で組織的な活動としての戦争は不可能である。兵站なしには、部隊は戦場にたどり着けない。兵站がなければ、武器は弾薬なしになり、装備は故障し、動かないままとなり、病人や傷病兵は治療のないままになり、前線部隊は食料や避難所や医療なしに過ごさなければならない。」

兵站の重要性について、非常にわかりやすく書かれています。
次にですね、「兵站と戦争」、という項があります。

「兵站は戦争の一機能であるがゆえに兵站システムとそのシステムを作動させる部隊および要員は、暴力および危険の対象となる。兵站の部隊、設備、施設は、軍事攻撃の格好の目標であることを認識することが重要である。」

先ほど総理はですね、
「兵站は安全なところでやるのが常識なんだ」、
と言われましたが、しかし、海兵隊教本には別のことが書いてあるんですよ。
「戦闘部隊はいろんなところに動ける。だから柔軟性がある。兵站というのは計画的に動かなくてはいけない。より、軍事攻撃の格好の目標になる。」

軍事の常識がはっきり述べられています。
そして、結論です。

「兵站は戦争と一体不可分である。兵站が軍事行為の不可欠の一部である。兵站は、いかなる、すべての戦争の中心構成要素である。」

非常に明瞭であります。

総理に伺います。総理は昨日、本会議での私の質問に関して、
「我が国が行う後方支援は、他国の武力の行使と一体化しないように行うものである。このようなことから、武力行使と一体不可分であるというご指摘は当たりません」
と答弁されました。

総理がなんと言おうと、自衛隊が支援する米軍が、
「兵站は武力行使と一体不可分であり、兵站が戦闘行為の不可欠の一部であり、兵站は、戦争の中心構成要素だ」、
ここまで言っているんですよ。
相手はこう言ってるんですよ。
これが兵站の本質ではないですか?

<安倍総理>
たしかにですね、今、志位委員がご紹介されたように兵站というのは重要なんですよ。
重要だからこそ、安全を確保しなければいけない。
つまり、兵站の安全が確保できないようであれば、作戦行動は成り立たないわけなんです。
ですから、われわれが支援するのは、しっかりと兵站の安全が確保されている場所において、いわば後方支援をするわけであります。
食料等々を届けていく。攻撃されて奪われてしまったら、相手に渡るわけですから。だからこそですね、また、後方支援をしている間は攻撃に対しては脆弱である、という考え方のもとに、しかし、これもちゃんと、安全を確保しましょう、という考え方でもあるんだろうと思いますよ。
えー、後方支援に際しては危険を回避し、安全を確保することは当然でありまして、むしろ、軍事的に合理性があると思います。
これは同時に、後方支援を充分に行うためにも必要なことでありまして、危険な場所にですね、物資をたくさん届けるというのは、敵に届けてしまうようなことになってしまうわけでありますから、そういうところで、いわば後方支援をしないということは、むしろ常識であるということは、繰り返し申し上げてきたわけですが、あえてまた繰り返し申し上げたいと思うわけであります。
先ほど来、答弁させていただいていますように、戦闘現場ではない場所、そして安全を十分に確保できるということについてですね、 しっかりと見極めながら活動を行っていくことに、区域を設定していくことになるわけであります。

<志位議員>
総理はね、これだけ議論したのに、また同じ事を繰り返す。
「安全を確保します」、と。
しかしね、議論してきたじゃないですか。
これまで「非戦闘地域」でしか、やっていけないという歯止めがあった。
これを廃止する。
戦闘現場でなければ、これまで政府が戦闘地域と呼んでいたところまで自衛隊が出かけて活動することになる。
攻撃される可能性がある。これをお認めになりました。
攻撃されたら武器の使用をする。これもお認めになりました。
戦闘になるんじゃないか、ということを私は提起してまいりました。
まさにこれ、議論を通じて、自衛隊のやる後方支援は、戦闘になるということがはっきりしました。
これがこの議論の到達点なんですよ。
そしてですね、兵站というのは、いま、海兵隊の教本を示しましたが、戦争行為の不可欠の一部であり、武力の行使と一体不可分のものです。
だから軍事攻撃の目標にされる。
これが世界の常識であり、軍事の常識です。
武力の行使と一体でない後方支援など、世界でおよそ、通用するものではありません。
なお、1986年のニカラグア事件に関する国際司法裁判所の判決は、兵器または兵站もしくはその他の支援の供与について、
「武力による威嚇、または武力の行使とみなされることもありうる」、と書いている。
あらゆる兵站がすべて武力の行使でない、ということがあり得ないということは国際司法裁判所も明記していることであります。
しかもこれまでは「非戦闘地域に限る」「弾薬を運ばない」とかいう歯止めがありましたが、今回の法案は外してしまっているではないですか。
武力の行使と一体ではない「後方支援」というごまかしは、いよいよ通用するものではありません。

今日の質疑を通じて、政府の法案が、武力の行使を禁止した憲法九条一項に反する違憲立法であることは、明瞭になったと思います。
絶対に、認めるわけには参りません。
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書き起こし終わり

 別に共産党員でなくとも、志位さんの説明が正しく、安倍さんの答弁がゴマカシであることを理解できます。有権者が全員、国会質疑を聞いて理解し、正しく判断すれば、安保法制のような違憲立法が成立することはなかったのです。さらに、自公政権はとっくの昔に崩壊していたと思います。

 残念ながら、こういった国会でのやり取りは国民の多くには知らされず、「日本人の生命と財産を守るために安保法制は必要だ」という安倍さんの詭弁を信じてしまいました。しかし、今からでも遅くはありません。違憲立法を躊躇しない政権の暴走は、有権者の意識の持ち方次第で止めることが可能です。

 一人でも多くの国民が正しい情報を得て、正しい判断をするためにも、ネット上での拡散をお願い致します。

以上

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