原発で事故が頻発する本当の理由を、あなたは知っていますか?元現場責任者の証言に慄然!

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写真(福島原発事故) 出典:brainz.org
写真(福島原発事故) 出典:brainz.org

 平井憲夫さんという方は、約20年間、原子力発電所の現場責任者として働いておられました。従って、原発内部の実情を良く把握しておられます。1997年1月にお亡くなりになりましたが、その前年の1996年、下記リンク先の文章を書き残してくださいました。

原発がどんなものか知ってほしい

 上記サイトから、平井憲夫さん自身の経歴を引用します。
「1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。」

 上記サイトには、原発の現場監督を長年していた人でないと知り得ない情報、原発のお寒い実態が詳細に書かれています。以下に、一部を引用させて頂きます。

引用始め
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素人が造る原発

 仮に、自分の家を建てる時に、立派な一級建築士に設計をしてもらっても、大工や左官屋の腕が悪かったら、雨漏りはする、建具は合わなくなったりしますが、残念ながら、これが日本の原発なのです。

 ひとむかし前までは、現場作業には、棒心(ぼうしん)と呼ばれる職人、現場の若い監督以上の経験を積んだ職人が班長として必ずいました。職人は自分の仕事にプライドを持っていて、事故や手抜きは恥だと考えていましたし、事故の恐ろしさもよく知っていました。それが十年くらい前から、現場に職人がいなくなりました。全くの素人を経験不問という形で募集しています。素人の人は事故の怖さを知らない、なにが不正工事やら手抜きかも、全く知らないで作業しています。それが今の原発の実情です。

 例えば、東京電力の福島原発では、針金を原子炉の中に落としたまま運転していて、1歩間違えば、世界中を巻き込むような大事故になっていたところでした。本人は針金を落としたことは知っていたのに、それがどれだけの大事故につながるかの認識は全然なかったのです。そういう意味では老朽化した原発も危ないのですが、新しい原発も素人が造るという意味で危ないのは同じです。

 現場に職人が少なくなってから、素人でも造れるように、工事がマニュアル化されるようになりました。マニュアル化というのは図面を見て作るのではなく、工場である程度組み立てた物を持ってきて、現場で1番と1番、2番と2番というように、ただ積木を積み重ねるようにして合わせていくんです。そうすると、今、自分が何をしているのか、どれほど重要なことをしているのか、全く分からないままに造っていくことになるのです。こういうことも、事故や故障がひんぱんに起こるようになった原因のひとつです。

 また、原発には放射能の被曝の問題があって後継者を育てることが出来ない職場なのです。原発の作業現場は暗くて暑いし、防護マスクも付けていて、互いに話をすることも出来ないような所ですから、身振り手振りなんです。これではちゃんとした技術を教えることができません。それに、いわゆる腕のいい人ほど、年問の許容線量を先に使ってしまって、中に入れなくなります。だから、よけいに素人でもいいということになってしまうんです。

 また、例えば、溶接の職人ですと、目がやられます。30歳すぎたらもうだめで、細かい仕事が出来なくなります。そうすると、細かい仕事が多い石油プラントなどでは使いものになりませんから、だったら、まあ、日当が安くても、原発の方にでも行こうかなあということになります。

 皆さんは何か勘違いしていて、原発というのはとても技術的に高度なものだと思い込んでいるかも知れないけれど、そんな高級なものではないのです。

 ですから、素人が造る原発ということで、原発はこれから先、本当にどうしようもなくなってきます。

名ばかりの検査・検査官

 原発を造る職人がいなくなっても、検査をきっちりやればいいという人がいます。しかし、その検査体制が問題なのです。出来上がったものを見るのが日本の検査ですから、それではダメなのです。検査は施工の過程を見ることが重要なのです。

 検査官が溶接なら溶接を、「そうではない。よく見ていなさい。このようにするんだ」と自分でやって見せる技量がないと本当の検査にはなりません。そういう技量の無い検査官にまともな検査が出来るわけがないのです。メーカーや施主の説明を聞き、書類さえ整っていれば合格とする、これが今の官庁検査の実態です。

 原発の事故があまりにもひんぱんに起き出したころに、運転管理専門官を各原発に置くことが閣議で決まりました。原発の新設や定検(定期検査)のあとの運転の許可を出す役人です。私もその役人が素人だとは知っていましたが、ここまでひどいとは知らなかったです。

 というのは、水戸で講演をしていた時、会場から「実は恥ずかしいんですが、まるっきり素人です」と、科技庁(科学技術庁)の者だとはっきり名乗って発言した人がいました。その人は「自分たちの職場の職員は、被曝するから絶対に現場に出さなかった。折から行政改革で農水省の役人が余っているというので、昨日まで養蚕の指導をしていた人やハマチ養殖の指導をしていた人を、次の日には専門検査官として赴任させた。そういう何にも知らない人が原発の専門検査官として運転許可を出した。美浜原発にいた専門官は三か月前までは、お米の検査をしていた人だった」と、その人たちの実名を挙げて話してくれました。このようにまったくの素人が出す原発の運転許可を信用できますか。

 東京電力の福島原発で、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した大事故が起きたとき、読売新聞が「現地専門官カヤの外」と報道していましたが、その人は、自分の担当している原発で大事故が起きたことを、次の日の新聞で知ったのです。なぜ、専門官が何も知らなかったのか。それは、電力会社の人は専門官がまったくの素人であることを知っていますから、火事場のような騒ぎの中で、子どもに教えるように、いちいち説明する時間がなかったので、その人を現場にも入れないで放って置いたのです。だから何も知らなかったのです。

 そんないい加減な人の下に原子力検査協会の人がいます。この人がどんな人かというと、この協会は通産省を定年退職した人の天下り先ですから、全然畑違いの人です。この人が原発の工事のあらゆる検査の権限を持っていて、この人の0Kが出ないと仕事が進まないのですが、検査のことはなにも知りません。ですから、検査と言ってもただ見に行くだけです。けれども大変な権限を持っています。この協会の下に電力会社があり、その下に原子炉メーカーの日立・東芝・三菱の三社があります。私は日立にいましたが、このメーカーの下に工事会社があるんです。つまり、メーカーから上も素人、その下の工事会社もほとんど素人ということになります。だから、原発の事故のことも電力会社ではなく、メー力-でないと、詳しいことは分からないのです。

 私は現役のころも、辞めてからも、ずっと言っていますが、天下りや特殊法人ではなく、本当の第三者的な機関、通産省は原発を推進しているところですから、そういう所と全く関係のない機関を作って、その機関が検査をする。そして、検査官は配管のことなど経験を積んだ人、現場のたたき上げの職人が検査と指導を行えば、溶接の不具合や手抜き工事も見抜けるからと、一生懸命に言ってきましたが、いまだに何も変わっていません。このように、日本の原発行政は、余りにも無責任でお粗末なものなんです。

定期点検工事も素人が

 原発は1年くらい運転すると、必ず止めて検査をすることになっていて、定期検査、定検といっています。原子炉には70気圧とか、150気圧とかいうものすごい圧力がかけられていて、配管の中には水が、水といっても300℃もある熱湯ですが、水や水蒸気がすごい勢いで通っていますから、配管の厚さが半分くらいに薄くなってしまう所もあるのです。そういう配管とかバルブとかを、定検でどうしても取り替えなくてはならないのですが、この作業に必ず被曝が伴うわけです。

 原発は一回動かすと、中は放射能、放射線でいっぱいになりますから、その中で人間が放射線を浴びながら働いているのです。そういう現場へ行くのには、自分の服を全部脱いで、防護服に着替えて入ります。防護服というと、放射能から体を守る服のように聞こえますが、そうではないんですよ。放射線の量を計るアラームメーターは防護服の中のチョッキに付けているんですから。つまり、防護服は放射能を外に持ち出さないための単なる作業着です。作業している人を放射能から守るものではないのです。だから、作業が終わって外に出る時には、パンツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹底的に洗ってから、やっと出られます。

 また、安全靴といって、備付けの靴に履き替えますが、この靴もサイズが自分の足にきちっと合うものはありませんから、大事な働く足元がちゃんと定まりません。それに放射能を吸わないように全面マスクを付けたりします。そういうかっこうで現場に入り、放射能の心配をしながら働くわけですから、実際、原発の中ではいい仕事は絶対に出来ません。普通の職場とはまったく違うのです。

 そういう仕事をする人が95%以上まるっきりの素人です。お百姓や漁師の人が自分の仕事が暇な冬場などにやります。言葉は悪いのですが、いわゆる出稼ぎの人です。そういう経験のない人が、怖さを全く知らないで作業をするわけです。

 例えば、ボルトをネジで締める作業をするとき、「対角線に締めなさい、締めないと漏れるよ」と教えますが、作業する現場は放射線管理区域ですから、放射能がいっぱいあって最悪な所です。作業現場に入る時はアラームメーターをつけて入りますが、現場は場所によって放射線の量が違いますから、作業の出来る時間が違います。分刻みです。

 現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ-ムメーターが鳴るようにしてある。だから、「アラームメーターが鳴ったら現場から出なさいよ」と指示します。でも現場には時計がありません。時計を持って入ると、時計が放射能で汚染されますから腹時計です。そうやって、現場に行きます。

 そこでは、ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうしてもいい加滅になってしまうのです。すると、どうなりますか。

普通の職場環境とは全く違う

 放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理というのは、年間50ミリシーベルトを守ればいい、それを越えなければいいという姿勢です。

 例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それで割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところですと、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもあります。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分とか、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをすると白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいのですが……。電力会社はこういうことを一切教えません。

 稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだことがありました。動いている原発は放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。

だれが助けるのか

 また、東京電力の福島原発で現場作業員がグラインダーで額(ひたい)を切って、大怪我をしたことがありました。血が吹き出ていて、一刻を争う大怪我でしたから、直ぐに救急車を呼んで運び出しました。ところが、その怪我人は放射能まみれだったのです。でも、電力会社もあわてていたので、防護服を脱がせたり、体を洗ったりする除洗をしなかった。救急隊員にも放射能汚染の知識が全くなかったので、その怪我人は放射能の除洗をしないままに、病院に運ばれてしまったんです。だから、その怪我人を触った救急隊員が汚染される、救急車も汚染される、医者も看護婦さんも、その看護婦さんが触った他の患者さんも汚染される、その患者さんが外へ出て、また汚染が広がるというふうに、町中がパニックになるほどの大変な事態になってしまいました。みんなが大怪我をして出血のひどい人を何とか助けたいと思って必死だっただけで、放射能は全く見えませんから、その人が放射能で汚染されていることなんか、だれも気が付かなかったんですよ。

 一人でもこんなに大変なんです。それが仮に大事故が起きて大勢の住民が放射能で汚染された時、一体どうなるのでしょうか。想像できますか。人ごとではないのです。この国の人、みんなの問題です。

住民の被曝と恐ろしい差別

 日本の原発は今までは放射能を一切出していませんと、何十年もウソをついてきた。でもそういうウソがつけなくなったのです。

 原発にある高い排気塔からは、放射能が出ています。出ているんではなくて、出しているんですが、二四時間放射能を出していますから、その周辺に住んでいる人たちは、一日中、放射能をあびて被曝しているのです。

 ある女性から手紙が来ました。二三歳です。便箋に涙の跡がにじんでいました。「東京で就職して恋愛し、結婚が決まって、結納も交わしました。ところが突然相手から婚約を解消されてしまったのです。相手の人は、君には何にも悪い所はない、自分も一緒になりたいと思っている。でも、親たちから、あなたが福井県の敦賀で十数年間育っている。原発の周辺では白血病の子どもが生まれる確率が高いという。白血病の孫の顔はふびんで見たくない。だから結婚するのはやめてくれ、といわれたからと。私が何か悪いことしましたか」と書いてありました。この娘さんに何の罪がありますか。こういう話が方々で起きています。

 この話は原発現地の話ではない、東京で起きた話なんですよ、東京で。皆さんは、原発で働いていた男性と自分の娘とか、この女性のように、原発の近くで育った娘さんと自分の息子とかの結婚を心から喜べますか。若い人も、そういう人と恋愛するかも知れないですから、まったく人ごとではないんです。 こういう差別の話は、言えば差別になる。でも言わなければ分からないことなんです。原発に反対している人も、原発は事故や故障が怖いだけではない、こういうことが起きるから原発はいやなんだと言って欲しいと思います。原発は事故だけではなしに、人の心まで壊しているのですから。

 それから、今は電気を作っているように見えても、何万年も管理しなければならない核のゴミに、膨大な電気や石油がいるのです。それは、今作っている以上のエネルギーになることは間違いないんですよ。それに、その核のゴミや閉鎖した原発を管理するのは、私たちの子孫なのです。

 そんな原発が、どうして平和利用だなんて言えますか。だから、私は何度も言いますが、原発は絶対に核の平和利用ではありません。

 だから、私はお願いしたい。朝、必ず自分のお子さんの顔やお孫さんの顔をしっかりと見てほしいと。果たしてこのまま日本だけが原子力発電所をどんどん造って大丈夫なのかどうか、事故だけでなく、地震で壊れる心配もあって、このままでは本当に取り返しのつかないことが起きてしまうと。これをどうしても知って欲しいのです。

 ですから、私はこれ以上原発を増やしてはいけない、原発の増設は絶対に反対だという信念でやっています。そして稼働している原発も、着実に止めなければならないと思っていあす。

 原発がある限り、世界に本当の平和はこないのですから。
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引用終り

 繰り返しになりますが、上で引用した文章の筆者である平井さんは1997年1月にお亡くなりになりました。引用元の文章を書いたのは、その前年の1996年です。

 「このままでは本当に取り返しのつかないことが起きてしまう」という平井さんの心配は、15年後の2011年3月に現実化しました。チェルノブイリ以来の最悪事故が福島第一原子力発電所で発生し、周辺の広大なエリアが放射性物質に汚染されました。事故はいまだに収束しておらず、最終的な汚染規模がどの程度になるか予想もつきません。健康被害も含めて、今後何世代にも渡って事故の影響が続くことは確実です。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 原子力マフィアはもちろんですが、日本国民の多くも事故の深刻さを認識できておらず、「臭い物に蓋をする」という安倍政権の方針に喜んで従っています。心地よい嘘に逃げ込んでいます。事故・失敗から学ぶことができない国民性は、戦前から全く改善されていません。

 危機感の無い安倍政権がやっていることは次のようなことです。

①放射線管理区域に相当する高線量地域に何百万人も居住している状態を放置している。
②避難者への援助を打ち切り、高線量地域へ帰還せざるを得ないようにする。
➂放射能汚染レベルの測定が不十分で、しかも、わざと数値を低く見せている。
④健康調査の対象範囲を狭くし、被曝による健康被害を小さく見せている。
⑤特定の医療機関だけに健康調査・診断を許可し、その結果を住民たちに教えない。
⑥安全だと偽り、東京オリンピックを誘致する。
⑦福島県の農産物を福島県内の学校給食に用いて、「安全性」をアピールしている。
⑧汚染地域への企業進出や学校新設を許可している。
⑨東京電力など原子力村の人間は罰せられず、賠償費用を国民負担にしている。
⑩安全性の確認ができないばかりか、放射性廃棄物の処理・管理方法も確立できていないのに、全国の原発を再稼働しようとしている。
⑪原発の新設や輸出を目論んでいる。
⑫その他いろいろ・・・

 上記の醜態を、天国の平井さんはどのように感じておられるでしょうか?

最後に:
 日本国民の中で原子力発電所での作業に従事したことがある人は、ほんの一握りです。国民のほとんどは作業経験も無く、その実態を知りません。現場の実態を知っている人の中で、それを文章として記録に残してくれる人は稀です。その稀な人のうちの一人が、この記事で紹介した平井憲夫さんなのです。とても貴重な記録です。

 「実際に自分が経験していないことであっても、他人の書いた記録から危険性を想像し、真摯に受け止めて、判断・行動を行う。」こういう種類の知性が、現在の我々に求められていると思います。

以上

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「大学行くのに借金背負うのは当たり前」と思ってる人は、これを見て目を覚ますべし!「若い人たちは食い物にされている!」(山本太郎氏)

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写真(高校生100人を前に演説する山本太郎議員)

2015年8月4日、山本太郎議員は、NPO法人「僕らの一歩が日本を変える」が主催の 「高校生100人×国会議員Vol.5」に参加し、 奨学金問題や貧困問題、政治参加の重要性を伝えました。以下のYouTubeビデオをご覧ください。

以下、書き起こしをしました。是非、お読みください。

書き起こし始め
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どうも、こんにちは。
生活の党と山本太郎と仲間たち。長い党名でごめんなさい。
これ、一言で言える人、なかなか、いないんです。噛んでしまうしね、途中で。
そこで、共同代表やってます、山本太郎と申します。
えー、今日ここにお越しの皆さんは、高校何年生ですか?3年生の方いらっしゃいますか?
多くが3年生だということですね。
この3年生の中で、オレは大学に行くぞ、私は大学に行くぞという方は、どれ位いらっしゃいますか?
多くの方がそうだと。
じゃあ、その中で奨学金を借りて大学に行くという方はいらっしゃいますか?
ありがとうございます、手を挙げて頂いて。
大学生の二人に一人が奨学金を借りて大学に行くんだと。
これ、借りなきゃいけないんですよ。
僕、高校一年生を2回やったんですよ。ダブったんですよ。留年して、その後やめちゃったんですけど・・
だから知らなかったんですよ。奨学金って貰えるものだと思ってたんです、国からね。
でも、どうやら違うらしいんですね。借金、背負わなきゃいけないんですよ。
で、2種類あるんです。
御存知の方ほとんどだと思うんですけど、一応、言わせてください。
無利子のもの、利子が付かないものですよね。で、もうひとつは、有利子のもの。この2種類があるんだよ。
で、大学生の2人に1人が、奨学金を借りて教育を受けなきゃいけないっていう状況にされてる。無利子と有利子。
で、2人に1人の大学生のうち、7割が有利子、利息が付く方を借りなきゃいけない。
みなさん、おかしいと思いません?
だって、教育を国が若い人たちに受けて頂いて、そして社会に出て、それをまた返していただく、というのがまっとうな考えだと思うんです。
先進国、他の国はどうだって考えたときに、OECD、先進国グループ34か国くらいありますよ。その中で給付型、もらえる奨学金を公に国が出してる、そういうシステムが無いのは日本とアイスランドくらいだ。
おかしいですよね。
先ほど、日本は社会保障でもすべて手厚いということを自民党の先輩が言われていましたけど、とんでもない。給付型の奨学金すら出していないんですよ。
借金背負わすんです。それで誰が得してると思いますか?
「借りた金返すのは当たり前だろ。そこに利息が付いたってしょうがないじゃないか。」という考え方になったらダメなんですよ。
国の責任なんです。税金を集めてるんだから。それをどう分配するのか考えるのが政治なんですよね。
じゃ、この利息、奨学金で利息が付く、利息がドンドン膨らんでいく、払えなくなったら、次、延滞金を払わなきゃいけない。
延滞金、払えなかったらどうなるか。差し押さえ。差し押さえするものが無かったら、連帯保証人に行く。
これ、サラ金と一緒なんです。
大人がギャンブルしたいため、酒飲みたいため、サラ金から金借りるのと同じシステムを、若い人たちに押し付けてる。
これで得してる人たちがいるんですね。誰だと思います。
利息で一年間320億円くらい利益が上がるんです。
これ、誰の懐に入るか?メガバンクです。
で、延滞金。延滞金で一年間で43億円くらい儲かる奴らがいるんです。
誰だと思いますか?
民間の債権回収会社。サービサーと呼ばれているような、日立がやっているような、そういう企業の懐に入る。
はっきり言います。
若い人たちは、もうすでに食い物にされています。
「若い人たちはこの国の未来だ」とか色んな綺麗ごとを言うけれども、現在の政治を見てみればよく分かる。すべて切り売りされています。そして、あなたも商品の一つにされている。
どうしてこんな政治になっちゃうか?理由分かりますよね。
政治。実際にコントロールしてるのは政治家でもなんでもないんですよ。
政治を実際にコントロールしてるのは、企業なんです。大企業。
どうしてそうなるか?
すべての諸悪の根源は、選挙なんです。選挙には無茶苦茶お金がかかる。
例えば、私、山本太郎は東京から選挙に立候補しました。
立候補するだけで300万円かかるんです。エントリー費用だけですよ。ふるってるでしょ?
「私、選挙に出ます」というだけで300万円払わなきゃいけない。
そのほかに選挙活動というものを行うのに、最低でも2000万円以上要る。
普通の人は、払える?無理ですよね。
だから、企業から、普段から色んな資金提供を受けなきゃいけない。企業献金、個人献金。
それだけじゃない、組織票。
じゃあ、そういう人たちから色々、支持を集めた政治家が、議会の中に入って誰のために仕事をするか考えて頂きたいんです。
市民に選ばれた政治家ではなく、企業などに応援された人々が、議会の中に入ればもちろん、仕事をするのは企業のためになりますよね。
今、国会議員、700人以上います。その中の大多数派を占める人たちは、大企業に応援されたという人たちが大勢いる。
だから奨学金一つとってみても、本当に皆さんの生活が豊かになるような、そういう学問を深めてもらったり、社会に出てからそれを還元してもらおうという考え方、これっぽちも無いんです。
ヒドイでしょ?
今ヨーロッパでは、若い人たちに対する手厚い助成金であったり手当というものが物凄く多いんです。
ヨーロッパ、例えば、フランス、フィンランド、イギリス。どうして若い人たちに手当てするかというと、少子化対策の為なんです。
日本も、少子化、少子化、って言われてますよね。この先どうなるんだって。
超高齢化社会がやってくるのに、それを支える若者たち、家族を作らない、子どもを作らない。どうやって支えていくんですか、という話になってる。
じゃ、対策するためにどうしたらいいのか、もう、はっきりしてるんです。
高校一年生2回やって辞めた山本太郎でもわかる。
永田町に来て2年しか経っていない山本太郎にも理解できる。
少子化対策に何をするべきか?
まず最初。先ほど言っていた、教育に、親やその子供たちに負担がかからないようなシステムを作らなきゃいけない。
少なくとも、奨学金は利息が無いものを希望者すべてに与えるべきだと思います。
でも、そうはなってない。ひとつはそれ、
もう一つは、賃金を上げなきゃいけない。
最低賃金ってありますよね。賃金として支払うべき最低限の賃金が、この国はあまりにも少なすぎるって話なんです。
国連からも勧告が出ている。「これじゃ、最低限の健康的で文化的な暮らしできませんよ」って勧告まで出ている。
でも政治は、この最低賃金を上げたくないんです。どうしてか?
自分たちを応援してくれているのは大企業なんですよ。
大企業にとって働く人たちはコスト。そのコストを抑えるためには最低賃金、賃金の目安となるものは上げていかれたら困るんです。
チョットは上がってますよ。十円、十数円。でも、そんなんじゃ生活できないですよね。
恐らく、東京都で最低賃金といったら、900円にも満たないです。
それで、一日8時間、月22日間働いたとしても、年収200万円に届かないですよ。
それで、どうやって家族作れっていうの?子供作れっていうの?
土台、無理だって話なんですよ。
じゃあ、ヨーロッパはどうしてるかって?
収入の少ない若者たちに対して、そのような手当ても出す。それだけじゃない。
若者に対して、住居。住居費って物凄く高いんですよね。
例えば、東京で家を借りよう、一人暮らししようと思ったら、給料の半分くらい住居費になっちゃう。そう思いません?ちょっとしたワンルーム借りるのにも、お風呂とトイレが付いてれば、どれ位かかりますかね?最低でも6万円?給料いくらもらってる?住居費、食費、光熱費、通信費。もう、貯金なんてできる訳ないですよ。
貯金ゼロ世帯、31%ですって。
年収200万円未満、ワーキングプア1100万人以上。
1人で暮らしている女性の3人に1人が貧困。
そして、この国に生きる人の6人に1人が貧困。
子供たちの5人に1人が貧困。
これが、この国の現状。
「美しい国」「強い国」、政治はそのような言葉で夢を持たせるけれども、やってることは真逆。
大企業にとってのコストである働く人々は、どんどん賃金が安くなる。働き方が、ドンドンひどいことになってる。
正社員なんて、なかなかなれない。非正規が爆発的に増えていってる。
これすべて、根底がつながってるんです。
奨学金も、労働問題も、そして税金も。
消費税10%に上げるとか、どうのこうの言ってましたよね。今、8%ですけど、先送りにされました。先送りにするとしても、その時の経済状況が悪かったとしても、絶対に上げるって言ってるんです。経済状況悪かったら、上げちゃダメでしょ?でも、絶対上げるんですって。
これは、どうしてそうなるかというと、大企業の連合体、経団連といわれるものがあるんですよね。そこが、2025年までに消費税を19%まで上げろって言ってるんです。
その理由は?
自分たちの支払う税金、法人税を下げて欲しいから。
法人税が下がったら国の収入が減っちゃうよね。減っちゃった分、誰に払わす?皆さんに払って頂くって。ふざけたことばかり言ってるんです。経団連。
皆さんの首を絞めてるのは、この経団連から買収されたような、組織票と資金提供受けた議員たちが、皆さんの首を、美しい言葉を吐きながら絞めているという現実。
こんな本当のこと言っちゃって御免なさいね。でも、何言ってるんだか分からないような御爺さんの話より良いでしょ?
じゃあ、これをどうやって変えていけるんだって話なんですけど、皆さんには変える力があるということなんです。興味持って欲しいんです。興味持たなかったら、国会の中にいるおやじ達、おばちゃんたちは好き放題やるんですよ。だって誰も監視してなかったら、好き放題やるに決まってるでしょ?だから、ここまでやられちゃってるんです。
だけど、皆さん舐められてます。18歳選挙権になれば、もっと自分たちの力が増えるんじゃないかってことをたくらんでるんです、与党は。なぜか?テレビとか色んなコンテンツで皆さんを洗脳できると思っている。でも大きな間違いなんですよ。
若い人たちは考えてる。だからこそ、このようなバカだって、一人一人色んな人の話を聴こうと思っている。
皆さんには変える力があるんですよ。若い人たちが政治に参加しなきゃ、若い人たちの代弁者は、誰一人として議会に連れていくことができないんです。だから、皆さんの声が反映されないのは当然。皆さんの代表者を、皆さんが選挙という場で投票する機会があるなら、そこで選んでいただきたい。そして、横につながって頂きたいんです。皆さんが若者という一つの勢力になれば、政治は変えることができる。
国政選挙の場でも50%程度しか投票行ってないんですよ。四十数%が諦めてるならば、その四十数%がみんな一つになって、今の世の中を変えるという投票行動を起こせば世の中を変えられるんです。
何とか変えたいんですよ。力を貸していただきたい。
心ある国会議員、今ここにお喋りするためにスタンバイされてる先生方いらっしゃいますけど、本当に、絶滅危惧種の方々です。いつ絶滅してもおかしくないという方々なんですけど、是非、力を貸していただきたい。
何とか、この国を持続可能、皆さんが大人になり、もうすでに大人だと思いますけど、家族を作り、別に作らなくてもいいけど、こういう風に今まで私たちがこの国をずっと循環させてきたというか、バトンを繋いできたっていうことを、皆さんの代にも、是非、力を貸していただきたい。じゃなかったら、このまま行ったら、皆さんの代にバトンが渡った時にはぺんぺん草も生えてないってことになりますからね。
力合わせて、この国を良い意味で、一緒に変えていけたらと思います。
ありがとうございました。山本太郎でした。
*********************
書き起こし終わり

以上

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「もっと広い家に安く住みたい」と思っているあなたは、まず、この事実を知らなければならない。現状、原因、対策は何か?

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出典(参議院議員 山本太郎オ フィシャルサイト)

 2017年3月9日、山本太郎議員が内閣委員会で、日本の貧困な住宅政策について質問を行いました。国会中継のビデオリンクを以下に示します。

 以下に国会質疑の書き起こしを記します。なかなか鋭い追及です。これを読むと、日本の住宅問題の論点が明確になります。参考にしてください。

書き起こし始め
***************************
○山本太郎君
「日本社会を根底から揺るがしかねない少子化の危機を脱することは待ったなしの課題ですと、先日、所信表明で加藤少子化担当大臣がおっしゃってくださいました。全くの同感です。少子化対策に有効な施策、幾つかあると思うんですけれども、本日はテーマを住宅に絞って、自由・社民の会派、希望の会を代表して少子化担当大臣に御質問いたします。よろしくお願いします。
少子化対策として更に住宅支援についても考えていく必要があるとお考えになりますか?」

○国務大臣(加藤勝信君)
「(中略)少子化対策においては、若年層や低所得者層に対する住宅支援、これが重要ではないかという、これも重要ではないかというふうに考えております。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。
ちょっと感動しました。というのは、少子化対策に必要なことの一つにこの住宅支援というものは絶対に必要な部分だったので、その全てを言っていただいて、もう私質問することないんじゃないかと一瞬思ってしまいましたが、このまま続けます。

世界を見れば、公的住宅や住宅手当などを充実させることによって出生率上がることはヨーロッパでも証明されていると。
(中略)
少子化を改善する方法として、イギリス、フランス、フィンランド、スウェーデンなど出生率が上がっている国は、住宅手当、住宅政策を充実させる、若年層に子づくりしやすい、家族を形成する気になる効果的な施策を国が先頭に立って打ち出し、結果を出していると言えるんじゃないでしょうか。

国交省、最新の調査で、全住宅のうち公営住宅を含む公的賃貸住宅の占める割合教えてください。」

○政府参考人(伊藤明子君)
「全国の住宅ストックの数は約六千六十三万戸ございまして、公営住宅を含む公的賃貸住宅は約三百三十六万戸でございます。その占める割合は、約五・五%となっております。」

○山本太郎君
「社会住宅、公的な住宅みたいなものを足していっても五・五%だと。
先ほどの資料をもう一枚おめくりいただくと、全住宅に占める社会住宅の割合といういろんな国との比較があるんですけれども、ほかの国は、出生率が上がっている国は桁が違うんですよね。日本にある公社とかURの物件は、低所得者向けとしての前提では造られていない。都営、公営などの住宅は、低所得の若者世帯を受け入れる要件もなかなかないと。最近の日本、若者世代の低所得、貧困なども深刻な問題になってきています。

住宅問題、住宅事情、要は世帯形成だったり、潜在的な住宅問題について、若者世代のみに特化した調査のデータを総務省、国交省、厚労省はお持ちでしょうか?なければないと簡潔にお答えください、時間の関係で。」

○政府参考人(千野雅人君)
「総務省にはそのような調査はございません。」

○政府参考人(伊藤明子君)
「国土交通省としては、若者に特化した居住の調査は行っておりません。」

○政府参考人(中井川誠君)
「厚生労働省におきましては、御指摘の若者に特化した住宅事情の調査は実施しておりません。」

○山本太郎君
「ありがとうございました。
ここ調査しなきゃ少子化対策どう対策するんでしょうかというはずなんですね。できるはずもないということなんです。少子化問題を解決する、この掛け声はすばらしいけれども、本気で取り組むのであればまずは調べると、でなければ手当てはできない。実態が分からないところに政策なんかないという話ですよね?

若年層も使える住宅支援、現在どんなものが存在するでしょうか。生活保護の住宅扶助以外で教えてください。」

○政府参考人(中井川誠君)
「お答え申し上げます。
厚生労働省におきましては、生活困窮者自立支援法に基づき、離職等により経済的に困窮し、住宅を失った又はそのおそれがある方に対して所要の求職活動等を条件に最長九か月の家賃相当額を給付する住宅確保給付金を実施しております。
本給付金につきましては、所得の低い若者の方につきましても要件に合致すれば利用可能でございます。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。
これ、対象者は離職者のみですよね。ということは、ワーキングプア、就労経験のない無業者、長期で離職している人とかは対象にはならないと。家賃補助を受けられる期間は原則たった三か月。これ、第二のセーフティーネットとしては、余り機能していないと言えるんじゃないかということですよね。これ、実績としても非常に数が少ないんですよ。

家賃だけなら何とか払えそうなんだ、こういう方もいらっしゃると思います。でも、それ以前の敷金、礼金が払えないという人も意外と多いという話を今からしたいと思います。まとまったお金を払うためには貯蓄は必要です。

資料のこれ二の一とあります。次のページ。その次行っていただいてもいいですかね、まず。ごめんなさい、ちょっと挟み方を間違えました。日銀の金融広報調査委員会発表ですね。二十八年家計の金融行動に関する世論調査から。単身世帯全年齢で見る貯蓄ゼロ、ちょっとこれびっくりしません、私、見たときびっくりしたんです。単身世帯、これ全世帯で貯金、貯蓄ゼロを見たら、こんな数がいるんです。二十代で五九・三%、三十代で四七・三%、四十代で五〇・一%、すごいなという。

一枚戻っていただけますか。先ほどのデータを見て分かることは、自力で敷金、礼金を準備できない人がこれだけの数いたんだということでも言えると思うんですよね。今お戻りいただいて、資料のものなんですけれども、二十代の単身者にクローズアップして見てみようかと。そうしたら、四年前の調査よりも貯金ゼロがむちゃくちゃ増えているねって。二五%以上増えているということですよね、四年前の調査よりも。これ、ひどい状況なんですよ、現実を見れば。

親などから借りるなども考えられるんですけど、親世代も生活がぎりぎりで出せない状況というのも確かに存在する。
敷金、礼金を借りられるシステムってあるでしょうか?教えてください。」

○政府参考人(中井川誠君)
「厚生労働省におきましては、全国の都道府県社会福祉協議会を実施主体といたしまして、低所得者世帯などを対象に貸付けを行う生活福祉資金貸付制度におきまして敷金、礼金の貸付けを行っているところでございます。」

○山本太郎君
「これも離職者のみですよね。貸付金という形ではあると。でも、これ借金なんだって話ですね。しかも、審査があるんだと。つまり、審査に落ちてしまうという人もいると。これ、二〇一五年の決定件数だけで見ると百八十一件という数字が出ていますね。この国で機能している住宅手当に相当するものは事実上生活保護の住宅扶助のみとなってしまうと。しかし、これは保護基準、保護対象者に対する施策ですから、言ってみれば今の日本に住宅手当的なもの、ほぼ存在していないということが分かると思うんですね。

ちゃんと計画性を持って貯金しなかった者にも責任があるんじゃないかという声も聞こえてきそうなんですけれども、厚労省の二十七年賃金構造基本統計調査によると、二十歳から二十四歳の平均月収は二十万四千五百円。二十五歳から二十九歳は平均月収二十三万七千三百円。まあ、これら、あくまでも平均ですから、高い人もいるし、これ以下の収入の方々もたくさんいらっしゃるというわけです。収入から、これらの収入から住居費用を引いたら幾ら残るかということを想像していただきたいんです。それで食費、通信費、光熱費、それ払ったら幾ら残るだろうって。奨学金の返済が厳しいという理由もよく分かりますよね。貯金なんてとんでもないよという話なんです。今月乗り切るだけで精いっぱいの若者が多く存在することに注目しなければ、少子化も格差も解決しようがないと。これ、若年層だけの問題ではもうないんですよね。そのような状態の中高年も最近では問題化しています。

一般的に日本でホームレスというのを定義すると、公園、河川、道路、駅などで日常生活を営んでいる人々をいうそうですが、もっと広いホームレスという考え方がある。ネットカフェ、ファストフード店など、深夜営業店舗やカプセルホテルなどをねぐらとして過ごすという広義、広い意味でのホームレス状態。これ、若年層を始め、もちろん中高年にも広がっていっている。経済的に実家から出れないだけではなく、実家から出ても家を借りるまとまったお金もない。友達の家を転々とし、そのうち身を置ける場所もなくなり、本来は住まいとはされない場所が住まいになるという現実がこの国に存在している。

 厚労省、現在、ネットカフェ難民と言われる方々、どれぐらいいらっしゃいますか?平成十九年に委託調査と称した電話聞き取り、やっていますよね。それ以降調査が行われているかということで教えてください。」

○政府参考人(中井川誠君)
「委員御指摘の調査は平成十九年に行われて、そのときに五千四百人という数字を出しておりますが、それ以降は調査は行っておりません。」

○山本太郎君
「どれぐらいの方々がそういう暮らしをしているのかということは把握していないと。
私が三年前に本委員会で質問させていただいた脱法ハウス、いわゆる違法貸しルーム。貸し事務所や貸し倉庫などとして届けられた建物を二、三畳ほどの小さなスペースを間仕切りして、その小スペースを住まいとして貸し出しているというものなんですけれども、保証人要らない、敷金、礼金要らない、賃料も安い、けど消防設備などがなかったり避難経路の確保もないと、さらには窓すらない施設も多い。消防法、建築基準法、建築関連条例などで住居用施設としての違法性が強いんですけれども、経済的理由から賃貸物件の初期費用、連帯保証人を用意ができなくて賃貸住宅の契約ができない若者や単身者が選択肢がないゆえに多く利用されているといいます。

国交省、違法建築物件としての違法貸しルームの調査は行っているようですが、そこに住まう方々がどれぐらいいらっしゃるかを調査されていますか?」

○政府参考人(伊藤明子君)
「国土交通省では、いわゆる違法貸しルームについて、安全性の確保から建築基準法への適合状況の調査はしておりますが、その入居者についての調査は実施しておりません。」

○山本太郎君
「中の実態は分からないと。
さらに、実家ではなく社宅、独身寮、住み込み、下宿、シェアハウスなどの不安定な居住形態で暮らす若者にはホームレス経験者も多いことが分かっています。住む場所がないと住所もない、バイトもできない。それはそうですよね。住民票もないので、あらゆる行政サービスから排除されてしまいます。選挙権も失う。これ、一大事ですね。人間らしい暮らしを全て剥奪されてしまうと。

少子化対策は当然のこと、全ての世代に対しての生存の基礎としても、もっと住宅政策に力入れなきゃいけないんじゃないかなと思うんですけど、これむちゃな話していますかね?

ここ数年、問題化している無料低額宿泊所、簡単に言うと、住む家のない生活困窮者に一時的に安価に利用できる部屋を提供する事業者を指すと。届出だけでオッケーなんですって。誰でも簡単にその開所できると。

近年、様々な事業者が参入、ここを舞台に貧困ビジネスが問題化していると。社会問題化になっています。手口としては、暖かい部屋と毎日の食事ありますよ、ホームレスを始めとする社会的、経済的に弱い立場の方々に生活保護を受けさせ、保護費を徴収。内訳、その徴収されて、どういうふうに抜かれるか。家賃、施設利用料と食事代。家賃って、どんなところなんですかね。ベニヤ板などで仕切られた三畳ほどの劣悪な住環境、日々の食事は粗末なもの。生活保護費用のうち本人に渡るのは一日千円程度だと。運営者による虐待なんかも報告されている。皆さんもう御存じだと思います。

社会的立場の弱さから選択肢がほかにないんだということを利用した卑劣極まりない貧困ビジネスが横行している。国は、これらの施設を生活困窮者が自立するまでの一時的な起居の場と決めていると。東京都は入所期間原則一年、千葉県は原則三か月と定めているそうです。しかし、厚労省が行った届出のある施設だけでされた調査では、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五%、四年以上は三二・三%にもなったと。ずうっといるんですって、ずうっと。

去年末に行われた東京都と千葉県の調査、無料低額宿泊所で入所者の死亡が相次いだと。宿泊所で年間百五十人以上が死亡退所、死んだから退所するということになっていると。

厚労省、お聞きします。
全国にある届出がある若しくは無届けの無料低額宿泊所、それぞれの数とそれぞれの施設での死亡退所者数、つまり施設内で死亡した人々の調査していますか?調査していないなら、その理由も教えてください。」

○政府参考人(中井川誠君)
「無料低額宿泊所及びこれに類する施設につきましては、平成二十七年六月末日現在の状況で調査を行っております。この時点で、いわゆる届出の無料低額宿泊所は全国で五百三十七か所でございます。それから、これに類するものとして法的位置付けのない施設は千二百三十六か所となってございます。
それで、これらの施設を退所した方の数や退所理由については把握をしてないところでございます。これは、施設の特性上、利用者が短期間に入れ替わる実態もありますので、退所者の状況をつぶさに把握することがなかなか難しいという理由によるものでございます。」

○山本太郎君
「出入りが激しいので、それをチェックするのが難しいということが一番の原因じゃないですよね。だって、随分、何年にもわたっている人たちもいるし、その中で人生の最期の日を迎える人もいるぐらいですよ。

一番の問題は何だといったら、これ届出で簡単にオープンさせてしまっていることが問題を拡大させているんじゃないですか。届出じゃなくて許可制にしてくださいよ。これ厳しい要件にしないと、川崎のドヤの問題もあったじゃないですか、燃えたところ。埼玉のお寺の問題もあったじゃないですか。これ、規制しない理由なんてないんですよね。

厚労政務官、是非、届出で簡単にオープンさせず、許可制など厳しい対応、(中略)
要は、許可制にしていただきたい。じゃないと、この問題解決できない。だから、そのことを是非、厚労省の中でシェアして、それでより調査に力を入れていただけるようにお願いできないですか?(中略)」

○大臣政務官(堀内詔子君)
「山本委員のお気持ち、よく分かります。厚生労働省としては、今のところ届出制ということで現状させていただいているところでございます。」

○山本太郎君
「困るんです、それ。このまま続けますということを宣言されたに等しいことなので、これ許可制にしていただきたいんです。これ大問題なんです。済みません、許可制にしていただきたいので、それ話し合っていただきたい、これ大問題と受け止めて。お願いします。
(中略)」

○大臣政務官(堀内詔子君)
「今後、制度全体の見直しを検討していく中で検討を進めさせていただきたいと思っております。」

○山本太郎君
「どうしてそういうふうに先延ばしにしてしまうかという話なんですけど、これ、問題があるんですよ。

要は、そこを取り締まったところで、数を減らしたところで、じゃ、行き場がなくなった人たちどうすればいいのという話なんですよ。ある意味、これ、必要悪にされちゃっているんですね、全てが。無料低額宿泊所にしても、そのほかの、何ですかね、脱法ハウスにしても、そういうポジションになっちゃっているということなんですよ。だから、それ、そこをなくしたければ、しっかりとした受皿をつくっていかなきゃいけないということなんですよね。
これ、本当に大問題なんですよ。若年層にも中高年にも共通点があると。自分の部屋を、家を持つハードルが高い日本において、経済的に弱い立場の人たちは充実した住宅支援がない結果、劣悪な施設にも行かざるを得ない。たとえ違法で劣悪な環境でも、次々に人々を移す受皿がなければ動かしようもない。だから、行政は極力そこには触らない。逆に、一か所にまとまってくれるんだったら、ケースワーカー不足だし、これ助かるなと言う人もいるぐらいなんですよ。結果、そのような施設が存在することも必要悪とされてしまう悲しい現状です。

これ、でも、国交省は動いてくれたんですよ。どういうことか。この住宅問題、ある法案が今国会で提出されると。住宅セーフティーネット法の一部改正です。(中略)
簡単に言うと、いろいろ努力して住宅確保要配慮者に住宅を供給していこうという趣旨だと思うんですね。
この法案文の中に、住宅確保要配慮者に該当する者として現在、住宅政策で社会問題化している若年層やホームレスなどはしっかりと明記されているでしょうか?」

○政府参考人(伊藤明子君)
「住宅確保要配慮者につきましては低額所得者等を対象にしておりまして、これに該当する若年者やホームレスは施策の対象になるものと考えております。」

○山本太郎君
「(中略)住宅セーフティーネット法、何年に制定されましたか。それ以後、法改正行われたでしょうか?」

○政府参考人(伊藤明子君)
「セーフティーネット法は平成十九年に制定されております。それ以来改正しておりません。今回改正する予定でございます。」

○山本太郎君
「十年前にこの法律ができたからこそ進んだという事柄があれば、簡単に教えてください。」

○政府参考人(伊藤明子君)
「例えば、地方公共団体の住宅部局や福祉部局、不動産関係団体、居住支援団体等から成る居住支援協議会をつくるということで、居住支援を行おうとしているところでございまして、現在、全ての都道府県と十七の市区町において設立されており、居住支援の取組が進められているところでございます。」

○山本太郎君
「およそ十年前に基本法的な法律は作ったけれども、その後は事実上放置状態を続けたということなんですよ、これ。違います。十年掛かるんですか。やるべきことをやっていたと言えるんですかね、これ。

住宅確保要配慮者とは誰ですかという問いかけに対して、それに該当する人々を一部でははっきりと明記し、一方で少子化対策に絶対必要不可欠な若年層や社会問題化する低額宿泊所などで数年にわたり暮らすことを余儀なくされる方々などに対しては案文には明記せず、後で省令で決めますというらしいですけどね。これ、書かれるかどうかも分からない。何で丸めるんですか、社会問題ですよって。住宅支援に関する法律が十年前にできていながら、前に進めたのは十年掛かりの協議会の設置のみなんですよ。国の本気度が低かったから十年掛かったという、それ以外に何かあるんですかね?

少子化問題や住宅問題がここまで広がったのは、積極に動いてこなかった自分たちにあるという自責の念はないのでしょうか?」

(中略)

○山本太郎君
「(中略) 家賃の低廉化に関して案文に明記されていますか?」

○政府参考人(伊藤明子君)
「法文上は明確に明示してはおりません。」

(中略)

○山本太郎君
「この法案名と先ほどお読みした法の一条の目的にあった、供給の促進に関する施策を総合的かつ効果的に促進し、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると言っているのに、どうしてこれ低廉化、家賃の低廉化について条文に書き込まなかったんですか、これ。予算措置なんですって。ということは、どういうことになるかって。じゃ、来年どうなるか分からないという話ですよ。非常に不安定じゃないですか。そのときによってその付けられる予算が上下するということは、それだけ、もし家賃の補助を受けることになった人も来年は再来年はということで上下するという、不安定な生活させることになるということですよね。そうでしょう、だって。いや、そんな豆鉄砲を食らったみたいな顔されても困るんですけど。

要は、本来やるべきことは何だと。それは家を、みんなにちゃんと住まいの支援をしようということだと思うんですよ。そこには、それを供給していくためには何が必要か。家が必要です。それをマッチングさせる人が必要です。そして、家賃の補助が必要ですというのもこれセットだと思うんですよ。でも、それが条文に書き込まれていないんですよ。これ、余りにもおかしくないですかって。

そしてもう一つ、若年層や生活保護受給者、ホームレスの方々が暮らさざるを得ない公的な規制のない場所を事実上行政は黙認していることを先ほど紹介したと思います。既に社会問題化している事柄なのに、この点に関してしっかりとどうしてそこを書き込まないのかということが非常に不思議なんですよ。

今言った二点のことを条文に追加するということをしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか?」

(中略)

○大臣政務官(藤井比早之君)
「現在、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案を内閣として提出させていただいておるところでございます。
その案が、内閣として提出したものでございますので、この後国会の方で議論されるかと思いますけれども、そちらで審議をしていただきたいと思っておるところでございます。」

○山本太郎君
「これ、省令で後で記すということも聞いたんですけれど、じゃ、この省令で記すときには、先ほどの住宅確保要配慮者というところに、若年層、生活保護受給者、ホームレスとしっかりと記すと、というような姿勢は持っているということですよね?いいですか?」

○大臣政務官(藤井比早之君)
「国会における議論も踏まえてということでございますけれども、こちらは定義、第二条におきまして、「その収入が国土交通省令で定める金額を超えない者」と、これをこの法律において住宅確保要配慮者、次の各号のいずれかに該当する者をいうというのの中にありますので、そういった御議論も踏まえてということと考えております。」

○山本太郎君
「これ、十五・八万円以下の人たちを全員まとめちゃったら、救われる順番として、その人たち、ひょっとして遠のくかもしれないんですよ、この先予算措置が少なくなったら。
加藤大臣、是非、これ所管の法律は違いますけれども、今、今日、本日申し上げたような内容を是非厚労省や、そして国交省と一億総活躍と、そして少子化対策大臣として、是非このことをシェアして、そして話し合っていただきたいんです。お願いします。」

(中略)
***************************
書き起こし終わり

以上

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世界で最も女性が輝いていない国がどこか、あなたは御存知ですか?客観的データの紹介。

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 言うまでもないことですが、日本という社会は男性によって支配されています。社会の在り方が男性の論理によって決められてきたのです。そのため、いびつで暮らしにくい社会が出来上がりました。例を挙げましょう。

・将来世代への負担を考慮せず、安全性も無視して原発を推進している。
・反動政治勢力による違憲安保法案(=戦争法案)の推進。軍需産業の跋扈。
・マスコミへの圧力など言論統制。ヘイトスピーチの横行。
・庶民の収入低下、負担増加
・貧富の格差拡大
・ブラック企業の跋扈。
・画一的に知識を詰め込むだけで、考える力を奪う上意下達教育
・その他

 以下の写真は、女性抑圧社会の現実を覆い隠すための自民党キャンペーンです。

出典:首相官邸ホームページ
出典:首相官邸ホームページ

 日本は世界的に見ても、国会議員の女性比率がとても低いです。

出典:sankei.com
出典:sankei.com

グラフ:我が国と諸外国の国会議員に占める女性割合の推移 出典:内閣府 男女共同参画局
グラフ:我が国と諸外国の国会議員に占める女性割合の推移
出典:内閣府 男女共同参画局

 さすがに、昭和の時代よりは女性比率がアップしていますが、それでも世界最低レベルであることが理解できます。

 政党別の女性議員比率はどうなっているのでしょうか?一つの例を以下に示します。

出典:赤旗
出典:赤旗

 戦前回帰願望が強い安倍自民党は、やっぱり女性比率が低いですね。クオーター制(社会に残る男女の性差別による弊害を解消していくために、積極的に格差を是正して、政策決定の場の男女の比率に偏りが無いようにする仕組み)を導入しようという話もあります。しかし、制度をどのように変更しても男尊女卑の意識が強ければ、仏作って魂入れずになるでしょう。

 現状の制度下でも共産党の女性比率は高いのですから、制度が整っていないことを言い訳にはできません。共産党に対しては色々と批判する人も多いですが、党内の民主主義度は自民党より高いのだと思います。

 例えば、下写真のようなヤジを女性議員に飛ばす国は、日本以外にあるのでしょうか?

写真(辻元議員に野次を飛ばす安倍総理)出典:ANN

 企業内の女性役員・管理職比率も低いままです。下図を参照してください。

グラフ:従業員、管理職、役員における女性の割合 出典:帝国データバンク
グラフ:従業員、管理職、役員における女性の割合 出典:帝国データバンク

 女性役員が一人もいないという企業が約6割です。このデータは企業全体を表していますが、企業規模が大きくなるほど、女性役員・管理職の割合は低くなります。創業何十年と経っていても、女性役員はおろか女性管理職が一人も誕生したことがないという大企業がたくさん存在します。政治の世界の方がまだマシですね。

 日本社会の中でも、特に民主主義が機能しない場所が企業です。以下に例を挙げましょう。

・天皇と呼ばれる経営トップの一挙手一投足に敏感に反応し、ひたすらご機嫌取りに励む役員たち。
・その役員の忠実な犬と化した管理職たち。自分の身を守るだけで手一杯。
・組織が生んだ矛盾・無理難題は下層の従業員へすべて押し付ける。
・従順なだけが取り柄で思考停止した社員。過労死の頻発。
・自分の意見を表明する社員は淘汰される。
・がんじがらめの管理を行い、一般社員には裁量権が一切ない。
・下からの提案がない。不具合・不祥事が隠ぺいされる。
・社内議論が無いが故に凡庸となった商品・サービスが価格競争に巻き込まれ、結果として利益率が低下する。
・その他

 例を挙げればキリがありません。男性が支配している軍隊的な組織は、無機質でストレスがたまります。奴隷サラリーマンでは仕事をしていても楽しくありません。

参考記事のリンク:

【自発的隷従が蔓延し劣化が進む日本】権力者の暴力よりも「善人」の沈黙の方が恐ろしいという話

 ある社会で、女性がどのくらい意思決定に参加しているかは、民主主義のバロメータになります。男性が支配する社会はいびつです。そんな社会に未来はありません。

以上

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あなたを生きにくくしている真の原因はこれだ!ミサイル発射と聞いて祝杯をあげてる奴らがいる。

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写真(安倍首相に経団連ビジョンを手渡す榊原会長(左)) 出典:経団連のホームページ
写真(安倍首相に経団連ビジョンを手渡す榊原会長(左)) 出典:経団連のホームページ

 自民党は長年に渡り、財界の手先として動いてきました。財界の中でも代表的なのが経団連(日本経済団体連合会)です。

 以下「 」内は、経団連ホームページからの引用です。

「経団連は、わが国の代表的な企業1,329社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(いずれも2015年6月2日現在)。
その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、我が国経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。
このために、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけています。同時に、政治、行政、労働組合、市民を含む幅広い関係者との対話を進めています。さらに、会員企業に対し「企業行動憲章」の遵守を働きかけ、企業への信頼の確立に努めるとともに、各国の政府・経済団体ならびに国際機関との対話を通じて、国際的な問題の解決と諸外国との経済関係の緊密化を図っています。」

企業会員の一覧表は以下のリンクからご覧いただけます。

企業会員の一覧表(2015年6月2日現在)

 上記一覧表の最終ページには、ブラック企業として名高いワタミ株式会社も名を連ねています。企業行動憲章の遵守を呼びかけていると言っていますが、実際にはブラック企業の巣窟になっています。経営者の視野が狭いせいか、法律という最低限の道徳すら守っていません。東芝不正会計問題などは氷山の一角に過ぎません。

 経団連は圧力団体として、自分たちの欲望実現のため、政治家への働きかけをしてきました。経団連にとって、どの政党が一番都合がいいか政策評価を実施しています。下記リンク先をご覧ください。

主要政党の政策評価(2014年10月14日)

 やはり、自民党に対する評価は高いですね。この政策評価という名の成績表に基づき、傘下の会員企業は自民党へ多額の献金をしているのです。

出典:赤旗
出典:赤旗

 上記一覧表は一部に過ぎません。長年に渡り、途方もない金額を献金してきました。経団連にとって都合の良い政策を実現してもらうために、お金の力で政治をコントロールしてきたのです。経団連の利益が庶民の利益にも直結していればいいのですが、庶民を虐げる結果になっている、というのが実態です。経団連の政治に対する働きかけの例をいくつか挙げましょう。

1)消費税アップと法人税減税を要望している。
 庶民の暮らしを直撃するばかりか経済停滞の原因にもなる消費税アップを経団連は要望しています。輸出比率が多いグローバル企業は輸出戻し税などの制度により、消費税率が高い方が利益が多くなるのです。
 様々な減税制度をフル活用し、法人税率を低くしている大企業が多いのですが、さらに法人税率を下げろと要求しています。強欲という言葉が良く似合いますね。

出典:赤旗
出典:赤旗
出典:赤旗
出典:赤旗

 ちなみに、トヨタ自動車は2008年からの5年間、法人税(国税分)を全く払っていません。どこまで内部留保を増やしたら気が済むのでしょうか?

2)労働規制緩和に積極的である。
 コストである労働者に払う賃金をいかに低くするか知恵を絞っています。具体的には、雇用の非正規化促進、解雇の容易化、長時間残業の放置、サービス残業の推進などです。
 ブラック企業で過労死が頻発し、「karoshi」という英単語が生まれてしまいました。不名誉なことです。また、全体として実質賃金が低下し、不景気をもたらしています。

3)原子力発電の推進
 経団連傘下には原発関連の企業がたくさんありますから、原発を熱心に推進しています。原発の負の側面には目をつぶり、原子力村のために一生懸命働きかけを行っています。
 福島原発事故直後の2011年7月、エネルギー政策に関する第1次提言として、「原子力については、定期点検終了後も停止したままとなっている発電所を、速やかに再稼働させることが何よりも重要」と述べています。

リンク:エネルギー政策に関する第1次提言

 鹿児島県の川内原発が再稼働されましたが、経団連関係者は祝杯を上げているでしょう。

4)安保法制(=戦争法)と憲法改正の推進
 2015年5月11日に発表された、経団連の榊原会長発言要旨から引用します。

「わが国を取り巻く安全保障上の環境は大きく変化している。国民の生命と財産を守ることは国として最も重要な責務であり、安全保障関連法制を着実に整備してほしい。また、法案の内容について国会で十分に審議するとともに、国民に対してさらに丁寧に説明を行い、理解を深めることが重要である。」

 榊原会長が安倍総理の発言を真似したのか、榊原会長の発言を安倍さんが真似したのか、良く判りませんね、

 また、2005年1月18日、経団連は「わが国の基本問題を考える」という文章を発表しています。
以下、全文のリンクです。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/002/honbun.html#part4
 上記リンクから、集団的自衛権に関する部分を引用します。

「現在、わが国では、主権国家として当然に保有する集団的自衛権は「保有するが行使できない」という解釈に基づき、自衛隊による国際的な活動が制約されている。しかし、集団的自衛権が行使できないということは、わが国として同盟国への支援活動が否定されていることになり、国際社会から信頼・尊敬される国家の実現に向けた足枷となっている。今後、わが国が、世界の平和・安定に主体的に関わっていくためには、必要な場合には、自衛隊によるこうした活動が可能となるような体制を整備しておく必要がある。
従って、集団的自衛権に関しては、わが国の国益や国際平和の安定のために行使できる旨を、憲法上明らかにすべきである。同時に、安全保障に関する基本法を制定し、その行使にあたって、国際情勢、活動地域、活動内容を踏まえて、国会の事前承認を原則とすることなど、限定的、かつ、その歯止めとなる措置を整える必要がある。」

 表面上の言葉遣いは丁寧なのですが、日本の同盟国であるアメリカの侵略戦争に加担したい、という意欲がひしひしと伝わってきます。経団連の傘下には、多くの軍需関連企業が名を連ねていますから、武器を使わせて金儲けをしたいという欲望が強いのです。もちろん、殺される人たちのことには関心がありません。

最後に:
 4個の例を挙げましたが、経団連は、日本国民の生命・財産を守ることにあまり関心を持っていません。支配層を自認する自分たちの利益が第一なのです。彼らに良心を期待してはいけません。経団連によって安倍政権はコントロールされていることが、お分かり頂けたと思います。

 世の中の雰囲気が息苦しい、暮らしにくい、将来に危険を感じるという有権者は多いと思います。その原因は、安倍総理個人や自民党だけでなく、裏でうごめいている財界にもあるのです。

 経団連などの経済団体は選挙権を持っていません。政治的主体でもないにも関わらず、お金の力で政治の在り方を歪めてはいけません。繰り返しになりますが、自民党は長年に渡り財界の意向に沿って政治を行ってきました。私としては、財界ではなく、庶民の声に耳を傾ける政党が政権を担って欲しいと思います。

以上

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フェイクニュースの見分け方をお教えします。政治家はフリをするのが仕事?

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 被災者をないがしろにする度重なる暴言で、今村復興大臣が辞任しました。それを受けて、評論家の田崎史郎氏がテレビ番組で次の発言をしました。

「確かに(被災者の)気持ちには寄り添っていない。でも、政治家は寄り添っているフリはしなければいけないんですよ」(2017年4月26日)

写真(テレビ番組で発言する田崎史郎氏)

 つまり田崎さんは、

「今村大臣も含めて、安倍内閣の閣僚は誰も国民のことなんて考えてないんだよ」

、と本音を言ってしまったのです。

 このような醜い本音を公の場で言ってはいけません。本音は裏で、表では建前を言うという当たり前の原則を破ってしまいました。この発言は安倍内閣の支持率低下につながると思います。安倍さんから、かなり怒られたと思います。今後は、お寿司をおごってもらえないかもしれません。

 田崎氏は次のような建前発言をすべきだったのです。

「今村大臣は心底、被災者のことを考えていた。たまたま失言をしただけであり、一生懸命やっている。」

 しかし、覆水盆に返らず、です。しかも、影響力の大きいテレビを使って安倍内閣の足を引っ張ってしまいました。安倍政権の広報係としては失格です。

 けれども、田崎氏の発言には良い効果もあります。「安倍政権は国民のことを考えているフリをしているだけだ」と多くの国民に気付かせてくれたのです。

 以下に、多くのフリを例示いたします。今後ニュースを見るときの参考にして頂ければと思います。

女性の人権を守っているフリ

写真(安倍政権によるAV業界健全化のニュース)

国のために命を捧げる覚悟があるフリ

写真(教育勅語を取り戻すべきと発言する稲田防衛大臣)

自分は潔白のフリ

写真(森友学園の土地取引や認可に関係していたら辞任すると発言する安倍総理→自分で自分の首を絞めている)

被ばくしても安心なフリ

写真(山下俊一:放射線リスクアドバイザー)

大量の放射性物質が拡散されている場所でも安全なフリ

写真(オリンピック選手を被ばくさせると宣言する丸川大臣)

国の治安を守ろうとしているフリ

写真(組織犯罪処罰法改正案が成立しなければ東京五輪は開催できないと発言する安倍総理)

外交を一生懸命やっているフリ

自分は人気者のフリ

写真(安倍内閣の支持率推移:2017年1月:JNN)

福島原発事故から6年経って放射性物質の心配がなくなったフリ

写真(避難指示解除のニュース)

福島を食べて応援してるフリ

写真(「風評被害」払しょくのため、避難区域産のコメを試食する丸川環境大臣) 出典:FNN

年金制度のことを心配しているフリ

写真:自民党:田村厚労相「年金支給開始年齢引き上げ検討」 出典:NHK

若い世代のことを考えているフリ

写真(子供が大好きな?安倍さん) 出典:不明

社会的弱者のことを考えているフリ

写真(生活保護費削減に熱心な自民党:片山さつき議員)

女性の活躍を願っているフリ

出典:首相官邸ホームページ

責任感があるフリ

出典:ANNニュース

以上

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マスコミは何も言わないけれど、今は「原子力緊急事態宣言発令中」なんです。安倍さんが解除宣言できない理由とは?

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写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 原子力災害対策特別措置法という法律があります。概要は以下の通りです。

「原子力災害が放射能を伴う災害である特性に鑑みて、国民の生命、身体及び財産を守るために特別に設置した、日本の法律である。
1999年9月30日の東海村JCO臨界事故を動機に制定され、1999年12月17日に施行された。特に内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言を出した場合、内閣総理大臣に全権が集中し、政府だけではなく地方自治体・原子力事業者を直接指揮し、災害拡大防止や避難などをすることが出来るようになった。」(出典:ウィキペディア)

 原子力緊急事態宣言が発令された時は総理大臣に全権が委ねられますが、目的はあくまで、国民の生命や財産を守ることです

 原子力緊急事態宣言は、福島原発事故に伴い、2011年3月11日に発令されました。

官房長官記者発表「原子力緊急事態宣言について

 上記リンクから一部を抜き出し、以下に示します。

「原子力安全対策本部を開催をいたしまして、本日16時36分、東京電力福島第一原子力発電所において、原子力災害対策特別措置法第15条1項2号の規定に該当する事象が発生し、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要があると認められたため、同条の規定に基づき、原子力緊急事態宣言が発せられました。」

原子力災害対策特別措置法の第十五条には次の記述があります。

「4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに原子力規制委員会(旧原子力安全委員会)の意見を聴いて、原子力緊急事態の解除を行う旨の公示(以下「原子力緊急事態解除宣言」という。)をするものとする。」

 つまり、緊急事態を脱したら、すぐに原子力緊急事態宣言を解除しろ、という決まりがあるのです。実際には、2017年現在、原子力緊急事態宣言が解除されていません。いまだに原子力緊急事態が続いているのですが、ご存知でしたか?

 原子力緊急事態宣言に伴い全権をゆだねられている安倍総理は、国民の生命・財産を守るという法律の目的に沿って行動しているのでしょうか?

 2011年4月27日、首相官邸の災害対策ページに下記リンクが掲示されました。

放射線から人を守る国際基準 ~国際放射線防護委員会(ICRP)の防護体系~

 上記リンクの文章によると、事故が無い平常時は一般人の被ばく量は年間1ミリシーベルト以下となっています。しかし、福島原発事故で緊急事態となったので、一般人の被ばく量は年間20ミリシーベルト以下と定められました。実際、避難する時にたくさん被ばくして、年間1ミリシーベルトを超えてしまうこともあり得るからです。(注:年間1ミリシーベルト以下という数値は、ICRP(国際放射線防護委員会)という原子力推進機関が示した数値なので、安全だと信じない方がいいです。あくまで0が目標です)

 年間20ミリシーベルトというのは随分と高い数字ですが、原子力緊急事態宣言が発令されている間に限り、仕方なく認めるということです。原子力緊急事態宣言をずっと継続していれば、年間20ミリシーベルトの環境に国民がずっと暮らし続けても構わない、などと解釈してはいけません。平常時の一般人の被ばく限度:年間1ミリシーベルト以下(あくまで0が目標)を、常に念頭に置くべきです。

 さて、福島原発からは大量の放射性物質が漏れ続けており、収束の目途が全く立っていません。原発内部の状況をまともに確認することすらできないのです。従って、原子力緊急事態宣言を解除する状況にないことは明らかです。安倍総理の判断は正しい。しかし、緊急事態から平常状態に戻すにはどうしたらいいだろうと、悩んでいる風には見えません。

安倍総理福島原発コントロール

 危機感の無い安倍政権がやっていることは次のようなことです。

・放射線管理区域に相当する高線量地域に何百万人も居住している状態を放置している。
・避難者への援助を打ち切り、高線量地域へ帰還せざるを得ないようにする。
・放射能汚染レベルの測定が不十分で、しかも、わざと数値を低く見せている。
・健康調査の対象範囲を狭くし、被曝による健康被害を小さく見せている。
・特定の医療機関だけに健康調査・診断を許可し、その結果を住民たちに教えない。
・東京オリンピックの誘致
・福島県の農産物を福島県内の学校給食に用いて、「安全性」をアピールしている。
・汚染地域への企業進出や学校新設を許可している。
・東京電力など原子力村の人間は罰せられず、賠償費用を国民負担にしている。
・安全性の確認ができないばかりか、放射性廃棄物の処理・管理方法も確立できていないのに、全国の原発を再稼働しようとしている。
・原発の新設や輸出を目論んでいる。
・その他いろいろ・・・

 繰り返しますが、今は原子力緊急事態宣言発令中です。しかし、多くの国民が忘れているのをいいことに、あえて平常時を演出しています。マスコミも緊急事態中だということを指摘することはありません。そればかりか安倍さんは、総理である自分に全権が集中している状態を悪用し、年間1ミリシーベルト以下という原則を無視しています。やっていることは、年間20ミリシーベルト地域への避難民帰還政策です。安倍さんは人間の心を失ってしまったのでしょうか?

首相官邸災害対策ページより、「放射線から人を守る国際基準」を引用します。
「平常時には、身体的障害を起こす可能性のある被ばくは、絶対にないように防護対策を計画します。その上で、《将来起こるかもしれないがんのリスクの増加もできるだけ低く抑える》ことを、放射線防護の目的としています。そのため、放射線や放射性同位元素を扱う場所の管理をすることにより、一般人の被ばくは年間1ミリシーベルト以下になるようにしています(公衆の線量限度)。」

(注:年間1ミリシーベルト以下という数値は、ICRP(国際放射線防護委員会)という原子力推進機関が示した数値なので、安全だと信じない方がいいです。あくまで0が目標です。)

結論:
→安倍政権に国民の生命・財産を守る意思はありません。

以上

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あなたがもし、無保険の車に乗りたくないなら、原発には反対すべきだ。その理由とは?

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 自動車の所有者のほとんどが、強制保険だけでなく任意保険にも入っていると思います。対人・対物無制限が基本でしょう。お金さえ払えば、事故による心や体の傷が癒える訳ではありません。しかし、万が一事故を起こしてしまった時に損害賠償金を払う手段を確保しておくことは、加害者・被害者にとって必要不可欠です。

 自動車保険は、人間社会を安定させるために役立ち、かつ、保険会社が利潤を得られるので広く普及しています。自動車という重量物は高速で移動するのでリスクを含有していますが、予測される損害賠償金支払額が許容範囲内のために保険制度の対象物として認められています。つまり、自動車という便利で危険な商品は、社会的に許容されているということです。

 ところで、原子力発電所は損害保険に入れるのでしょうか?

 2011年3月に東京電力の福島第一原子力発電所で大事故が発生し、大量の放射性物質が世界中に拡散されました。事故はいまだに収束しておらず、放射性物質は環境中に漏れ続けています。事故の収束・廃炉には何百年・何千年・何万年かかるのか見当も付きません。トータルでかかる費用や支払うべき損害賠償金が何十兆。何百兆円になるか予測すら困難です。人間の手に負えない怪物だと言わざるを得ません。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 今回の福島原発事故が起きたことにより、国際的な再保険の引き受け先がなくなってしまい、保険の継続ができなくなりました。リスクが大きすぎて引き受けられないと保険会社は判断したのです。当たり前ですね。発電できるという利便性だけを強調して必要性を訴えてもダメなのです。

詳しくは下記リンクを参考にしてください。

「保険から見る原発問題」

日本政府は原子力損害賠償支援機構を作りましたが、責任の所在は曖昧で、国民の税金や徴収した電気料金を湯水のように投入するシステムになっています。

 話を戻しますが、保険会社の冷徹で的確な判断は、次の事実を示しています。

「原発はあまりにも危険なので、社会的に存在することが許されない発電システムである。」

 原発を再稼働させようとしている人たちは、上記の事実を知っていながら無視しています。自分たちの既得権益だけが大事なのです。先のことを考えず今だけ良ければ構わないという態度は反社会的です。原子力マフィアに明日はありません。

出典:原子力村の住民一覧

 このような客観的状況を踏まえることなく原発事業を推進した東芝は、解体・破綻の危機に陥りました。因果応報です。経営者がが辞任して済む話ではありません。グループ全体で十数万人と言われる巨大組織です。社会的影響は計り知れません。

 原発への回帰が露骨な安倍政権の罪はとても重いです。原発の再稼働だけでなく新設や輸出を推進するなど狂気の沙汰です。歴史改竄がお得意な政治家には、過去の失敗から学ぶ能力がありません。無批判にそれを支持する有権者も同罪です。次回の国政選挙では、明確に原発全廃を主張する政党へ一票を投じなければなりません。

以上

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あなたは、日本国のリーダーがどんな人物か説明できますか?心理学に基づく最新知見を紹介。

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写真(安倍晋三氏) 出典:AP・AFLO
写真(安倍晋三氏) 出典:AP・AFLO

 日本国の総理大臣である安倍晋三氏。彼に対するネット上での評判は様々です。政治家として問題発言・行動が多く、このまま総理大臣にしておくべきか悩んでいる人も多いと思います。

 今回は、安倍晋三氏の性格をなるべく正確に把握したいと思います。様々な行動の背後には性格上の問題が存在します。有権者にとって、今後の参考になると考えました。

 参考にした書籍は、「性格のタイプ:自己発見のためのエニアグラム ドン・リチャード・リソ著 春秋社 初版」です。↓

性格のタイプ―自己発見のためのエニアグラム

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 同書によると、性格のタイプは大きく分けて9種類存在します(P43〜P44)。

タイプ2:世話好きで、寛大で、所有欲が強く、人を操る。
タイプ3:自信に満ち、競争好きで、自愛的で、敵対的である。
タイプ4:創造力に富み、直観的で、内向的で、抑鬱的である。
タイプ5:洞察力に優れ、分析的で、変わり者で、妄想的である。
タイプ6:人に好かれ、忠実で、依存的で、嗜虐的である。
タイプ7:才能豊かで、衝動的で、極端で、躁的である。
タイプ8:自信過剰で、力にあふれ、闘争的で、破壊的である。
タイプ9:穏やかで、人を安心させ、受動的で、投げやりである。
タイプ1:主義をもち、規律正しく、完全主義的で、応報的である。

 上記9種類の性格のうち、どれが優れているとか劣っているとかいうことはありません。どのタイプにも長所と短所があります。全ての人間は9種類のうちのどれかに分類できるのですが、各自が努力することで、不健全状態から健全状態の階段を少しづつ登っていくことができます。

 安倍晋三氏は性格としてはタイプ3に属すると、私は判断しています。上記書籍のP110〜P150に、タイプ3といわれる人達に関する記述があります。健全レベルから不健全レベルに至るまで、様々な分析がされています。その中から安倍氏を理解する時に参考になると思われる部分をいくつか抜き出して、以下に引用いたします。

引用始め

***************************
「主要な動機づけ:認められ、他人から抜きん出、注目を集め、賞讃され、他人に印象づけたいと願う。」

「すべての性格のタイプの中で最も自己愛的な人々である。」

「彼らは完全に自分自身にほれ込んでいるように見える。しかし、もっと正確にいえば、本当の自己というよりも、自分の膨張した心像に惚れ込んでいる。」

「賞讃は彼らに生きていることと価値があることを感じさせる。賞讃されないと、自らの自己感覚がひどく脅かされるため、空虚さと敵意を感じる。」

「自分をほとんど無限の可能性をもった人間であると見なし、その結果、自分に関してたやすく誇大妄想的な期待を抱く。彼らは、まさに自らの価値に対するその途方もない信念ゆえに、実際に成功することもある。しかし同時に、期待が際限なく膨らむままにさせておく傾向があるため、現実から相応の報いを受けて、後述するような不幸な結果を招く。」

「良心の欠如と、自分自身に対する膨れ上がった観念は、不健全なタイプ3に、自分の内部に自分を抑制するものが何もないため、容赦なく他人を詐取することを可能にさせる。彼らは、人々を実体として見ておらず、また、自分自身の自愛的な目的遂行のためにしかその存在価値を認めないため、人々を恥知らずに利用する。」

写真(かつては大親友だった森友学園の籠池理事長を邪険にする安倍総理)

「見かけとは裏腹に、通常のタイプ3は、優れているどころか中身が空っぽである。彼らの包装が印象づけのために作られてきたので、彼らは注意を引きつける。彼らは、賞讃されるための正しい口火のつけ方を知っている。しかし、際限なく賞讃を求めることによって、自分自身から偶像をつくり出し、自分自身を崇拝し、他人にも同じようにすることを要求する。他人がその要求に応えなければ、タイプ3は、敵意をもって攻撃し、神ではなく悪魔として自分の本性を現す。」

写真(安倍総理を無批判に礼賛する人たち) 出典:ニュース23

「彼らは、幼いときですら、まるで『私は価値のある重要な人間である』と四六時中自分にいい聞かせているかのように、自信をもち、自分の価値を確信していた。」

「自分より相手は地位が低いためか、なにか公然あるいは隠れた競争で相手を負かしたために、自分がなんらかの点で勝っていると感じるときだけ、人々の周りにいて気楽であると感じる。」

「通常のタイプ3は、他のどの性格のタイプも比肩し得ないほど効率的に成功を追求する。」

「可能なかぎり早く昇進したがり、自分が求める成功を勝ち取るためならばどんなことでも進んでする。」

安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA

「通常のタイプ3にとって、威信ある肩書や職業をもつことは重要である。」

写真(安保法制の内容に自信満々の安倍総理) 出典:http://togetter.com/li/824251

「出世を進め、自分の社会的栄光に加えるために、絶えず人々に接触し、交際を求める。『あなたはどの程度の地位にありますか。あなたにつき従っていく価値はありますか』とでもいわんばかりに、その人の威信の度合いに応じて他人を素早く判断する。」

「あまり望ましくない人々を自分たちの社交仲間から排除することによって、通常のタイプ3は自分を誰が「身内」で誰が「部外者」かを決める裁定者にする」

写真(安倍内閣の閣僚たち) 出典:毎日新聞

「彼らの外見と実際の姿とはまったく異なったものになり始める。したがって、通常のタイプ3にはまがい物的な要素がある。その言動の多くは、自らの真の姿の正確な反映ではないからである。」

「タイプ3が知的で高い教育を受けている場合はとりわけ、そこにどの程度の虚偽が含まれていてもそれを見抜くことが他人にとっていかにむずかしいかということを、強調しておくことは重要である。」

「タイプ3は、練習した見せかけのものではあるが、非常にいい印象を与える(冷静で落ち着いた“いいやつ”というのが典型である)。彼らは、きわめて洗練されていて人当たりがよく、自分の演じている役割はどんなものでも完璧にこなすことができる。しかも、彼らは常に、他人が自分の上演を受け入れているかどうかを気にかけている。

写真(トランプ大統領の出迎えを受ける安倍総理) 「TPPから離脱するけど、文句ないよな?」「はい、もちろんです。自民党の公約でもありますから。」という会話が交わされている・・?

 その振舞いがあまりにも完璧であるため、他人にとってはタイプ3に欠けているものをそれとして認めることはむずかしい。しかし、十分にじっくりと見ていれば、通常のタイプ3にはなにも本質的なものがない――淀みなく洗練された外見の下には、本物の感情も、個人としての確固たる意見も、個性も、情熱もないということがわかるであろう。彼らについてはなにもかもが完璧に見えるが、さまざまな心像を足し合わせても一個の人格にはならない。欠けているのは、個人としての約束と義務の観念である。」

写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)
写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)

「通常のタイプ3は、誰かが自分の内面の空虚さを見抜くのを恐れて、真の親密さを恐れる。しかし、その少なからぬ魅力と他人に順応する能力があるので、親密さという印象を模擬的に出し、自分自身を実際以上に現す方法は知っている。」

写真(真珠湾を訪問する安倍総理) 出典:AFP

「通常のタイプ3は、またその心像がどのようなものであれ、それを一皮むけば冷淡で計算高いため、親密さを恐れる。彼らの言動や意見や表面的な信念はすべて、実利的に、効果が上がるよう前もって計画される。生涯を通じてこうして生きてきたため、通常のタイプ3は非常にもっともらしく見える。」

「自分を導く道徳的な体系をもっていないため、唯一の指針となるものは『なにが有効に作用するか』である。通常のタイプ3は、技術的な問題を克服するのには十分向いているが、個人的な将来像はまったくもたず、真の価値観はほとんどなく、他人に対する本当の気配りを欠いているため、おおむね優れた指導者ではない。しかし、不幸なことに、タイプ3は、名声が関わってくるので、指導者の地位に惹かれる。」

「彼らは、自分の業績を自慢し、重要そうに聞こえる名前をわざとそれとなく口にし、自分が達成したことを『誇大宣伝し』、自分が信じ難いほど素晴らしく聞こえるようにし、自分の行いは何でも、他の誰の行いよりも――そして実際よりも――よく見えるようにするなどして、自分自身を執拗に宣伝し始める。」

「自愛的なタイプ3は、傲慢で、うぬぼれが強く、自分自身に強く感じ入っている。彼らは、自分は生まれながらに他人より優れていると見ており、まるでいつも『私はあなたより優れている』と言っているかのようである。」

「彼らの売り込み口上はたいていは実に説得力があるので、それを見抜くのはむずかしい。にもかかわらず、彼らが非常に優れているように見えても、人々は、本物にしては出来過ぎていると感づき始めるかもしれない。」

「面倒なのは、彼らは、うぬぼれが強くなればなるほど、自分自身に対する評価や成功の見込みがいかに非現実的になってしまっているかを他人に指摘されると、すぐに腹を立てることである。皮肉なことに、その大げさな見込みのために、彼らは現実には自分で自分に失望をもたらす。」

写真(テレビ番組出演中にアベノミクスを批判され激昂する安倍総理) 出典:TBS NEWS23
写真(テレビ番組出演中にアベノミクスを批判され激昂する安倍総理) 出典:TBS NEWS23

「実際のところ、自らの自己愛が絶え間なく強められていなければ、通常のタイプ3は敵意を抱き始め、以前は持っていたであろう自分自身に対するユーモアの感覚をすべて簡単に失う。」

「彼らは実利主義者であり、なにが自分の役に立つかという以外になんの信条も持っていない。」

「彼らは、進んで裏切り、嘘をつき、「忠誠」を乗り換え、一番上になるために他人を利用する。彼らは良心を発達させてこなかったので、他人を詐取しても罪の意識を感じない。くだけた言い方をすれば、不健全なタイプ3は、やり手であり、『他人を利用しても社会的成功を追求する』人間であり、状況を利用するご都合主義者である――常に他人に損害を与える。今や、彼らが愛情に欠けていることもとりわけ役に立つ。」

写真(組織犯罪処罰法改正案が成立しなければ東京五輪は開催できないと発言する安倍総理)

「人々は、彼らのご都合主義にときどきは気付いていても、たいていはそのことで彼らと対決するのを恐れる。不健全なタイプ3は、人々は報復を恐れて、自分の振舞いについてあえて何か言ったりしたりはしないことを当てにする。」

「彼らは拒絶されることを恐れるが、自らの自己愛と詐取性と悪意のために、結局拒絶される結果になる。他人から容認されることをそれほどに望む人物が、とても人間とはいえないとして軽蔑される。人々が賞讃したものの、あまりにも多くのものが偽りの表面、見せかけであったということがわかり、それが崩れて内側の空虚さを露呈する。」
****************************
引用終わり

最後に:
 繰り返しますが、タイプ3といわれる性格自体は良くも悪くもありません。上に引用記述した性格特徴は実社会の中ではよく見られるものであり、珍しいものではありません。皆さんの周囲でも観察できるのではないでしょうか?
 何はともあれ、この記事が安倍晋三氏を理解するための一助になれば幸いです。

 なお、今回参考にした書籍は「性格のタイプ:自己発見のためのエニアグラム」の初版ですが、最新版は以下となります。

性格のタイプ―自己発見のためのエニアグラム

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「選挙で圧勝」=「圧倒的な支持」ではない理由とは?名古屋市長選の結果を分析。

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 2017年4月23日、名古屋市長選の投開票が行われました。結果は下記のとおりです。

図(名古屋市長選結果) 出典:NHK

1)
 結果を一言でいえば河村さんの圧勝です。しかし、河村さんが圧倒的な支持を有権者から得た訳ではありません。

 投票率が36.9%なので、全有権者1,835,747人中、河村さんへ投票したのは、

36.9%(投票率)×0.678(河村さんの得票率)=約25%

、となります。つまり、有権者の4人に1人しか河村さんに投票しなかったのです。これでは圧倒的支持を得たとはいえません。下写真のように喜んでる場合でしょうか?

写真(支持者に水をかけられながら万歳をする河村氏)

2)
 自民・公明・民進・共産・社民の各政党から推薦を受けた岩城正光氏についても同様の計算をします。全有権者1,835,747人中、岩城さんへ投票したのは、

36.9%(投票率)×0.292(岩城さんの得票率)=約10.8%

、となります。つまり、有権者の10人に1人しか岩城さんに投票しなかったのです。自民党と共産党が同じ候補者を支持するというのも異様ですが、与野党全ての組織票を頼りにしても10%程度の有権者支持しか得られなかったのも驚きです。この10%のうち自民党支持層は何%でしょうか?世論調査で目にする自民党支持率何十%と随分乖離しています。世論調査のやり方が間違っているのでしょうか?

3)
 投票率が36.9%なので、意思表示をしなかった人は、100-36.9=63.1%、です。河村さんの支持率25%をダブルスコア以上で上回っています。今回の名古屋市長選で圧勝したのは河村さんではなく、意思表示をしなかった人たちとも言えます。

 投票しなかった人たちは、ただ単に無関心なのでしょうか?面倒くさいから白紙委任をしたのでしょうか?どちらにしても、今後市政がどんなに劣化しても、投票しなかった人たちに文句を言う資格はありません。

以上

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