【簡潔でも印象深い!】社会の本質を的確に表現するジョージ・カーリンの言葉

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写真(ジョージ・カーリン氏) 出典:famousdude.com
写真(ジョージ・カーリン氏) 出典:famousdude.com

 ジョージ・カーリンというアメリカのコメディアンがいました。彼は、ユーモアを交えた毒舌でアメリカ社会や政治権力を批判し、人気を博しました。とても分かりやすい言葉で物事の本質を突き、結果として、人々の脳裏に残り続けるのです。

 彼の言葉の一例を、以下に引用します。

引用始め
*********************
この時代に生きる 私たちの矛盾
ビルは空高くなったが 人の気は短くなり
高速道路は広くなったが 視野は狭くなり
お金を使ってはいるが 得るものは少なく
たくさん物を買ってはいるが 楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが 家庭は小さくなり
より便利になったが 時間は前よりもない
たくさんの学位を持っても センスはなく
知識は増えたが 決断することは少ない
専門家は大勢いるが 問題は増えている
薬も増えたが 健康状態は悪くなっている
飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 笑うことは少なく
猛スピードで運転し すぐ怒り夜更かしをしすぎて起きたときは疲れすぎている
読むことは稀で テレビは長く見るが祈ることはとても稀である
持ち物は増えているが自分の価値は下がっている
喋りすぎるが愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる
生計のたてかたは学んだが 人生を学んではいない
長生きするようになったが 長らく今を生きていない
月まで行き来できるのに 近所同士の争いは絶えない
世界は支配したが 内世界はどうなのか
前より大きい規模のことはなしえたが より良いことはなしえていない
空気を浄化し、魂を汚し
原子核を分裂させられるが 偏見を取り去ることができない
急ぐことは学んだが 待つことは覚えず
計画は増えたが 成し遂げられていない
たくさん書いているが 学びはせず
情報を手に入れ 多くのコンピューターを用意しているのに
コミュニケーションはどんどん減っている
ファーストフードで消化は遅く 体は大きいが 人格は小さく
利益に没頭し 人間関係は軽薄になっている
世界平和の時代と言われるのに 家族の争いはたえず
レジャーは増えても 楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても 栄養は少ない
夫婦でかせいでも 離婚も増え
家は良くなったが 家庭は壊れている
(佐々木圭一氏訳)
***********************
引用終わり

 「・・・なんだけど、・・・だよなあ」という比較対照法がとても効果的で、アメリカ社会に内包される矛盾を見事に描き出しています。アメリカはすでに、人間が安心して暮らせるような場所ではなくなりました。日本は、愚かにもアメリカの後追いをしており、社会が崩壊しつつあります。ジョージ・カーリンの言葉は、日本人も心して受け止めるべきだと思います。

 ジョージ・カーリンの言葉を、私なりに解釈して以下に記します。参考にしてください。

********************
高層ビルで働き生活する人が増えたが、気持ちの余裕は失われている。
あくせくと先を急ぐが、周りを見渡すことがない。視野狭窄で利己的だ。
大量の衝動買いをするが、ロクに使いもせずに廃棄することが多い。
物質的には恵まれていても、家族機能は脆弱だ。
パソコンなどの便利な科学技術は、人々の時間的余裕を生み出すために使われていない。むしろ逆に時間に追われる結果をもたらしている。
形式上の学歴は立派でも、それは、自律的に考える人間であることを意味しない。
ネットなどで簡単に大量の情報を得られるが、雰囲気に流されるばかりで、自分の頭で考え自分で決めることができない。
「専門家」であっても都合の悪い現実から目を背け、問題の先送りという悪習が蔓延している。
医療業界の利益のために患者を薬漬けにし、かえって健康を損なっている。
暴飲暴食・ヘビースモーカー・ギャンブル依存症などは、精神的貧困の表れである。
あくせく働き、うまくいかないのをすべて他人のせいにし、疲労がたまって朝起きるのがつらい。
受動的なテレビ視聴はするが、能動的に本を読み、考え、内省する習慣は失われている。
高級車に乗り、身なりが立派であっても、世に害悪をまき散らす人間が多い。
人の話に耳を傾けて信頼関係を醸成することができず、一方的な言い合いで憎しみを生み出している。
働いて金を稼ぐことは覚えたが、人生哲学の構築やその実践はおぼつかない。
平均寿命は延びているが、惰性で生きているため空虚である。
知性を持っていても、コミュニケーション能力が貧弱である。
権力者や富裕層は世界を支配した気でいるが、自分自身がどういう人間か理解できていない。
大金をかけた公共事業が、人間社会に害悪をもたらし、子孫に借金を残している。
健康意識は高まっているが、原発事故で放射性物質を広範囲にまき散らし、不信感と絶望と無関心が渦巻いている。
科学技術が進歩しても、「常識」を疑う習慣が無く、権力者に何度ダマされても学ばない。
人間を枠にはめて手順書通りに早く作業させているが、仕事を任せないので人が育たない。
体裁の良い計画書を乱造するが、現実を踏まえない絵に描いた餅であることが多い。
大量の書物が世に溢れていても、ためになる良書は稀である。
高カロリーで毒物まみれのファストフードが氾濫し、不健康な肥満体が増え、それが精神をも蝕んでいる。
大企業は強欲な利益追求と搾取をやめられず、非正規雇用の増加が従業員同士の連帯を損なっている。
平和主義の理念は知っていても、実生活での実践が伴わない。
東京ディズニーリゾートには年間2000万人以上訪れているが、空虚な夢の演出のどこが楽しいのか?
********************

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

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日本の「美しい」ところだけでなく、世界最悪レベルの分野にも注目しよう。

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出典:衆議院議員 安倍晋三公式サイト
出典:衆議院議員 安倍晋三公式サイト

 「日本は素晴らしい、美しい」と、日本を礼賛する風潮が強まっています。確かに、日本という国には良いところがたくさんあります。しかし、問題点やその原因に目を向けないと社会が進歩しません。問題点は、事の本質を表すことが多いのです。

 日本社会の問題点、特に、世界各国との比較で最悪レベルといえる分野を今回はピックアップしました。少し我慢してお付き合いください。

1)教育への公的支出が最下位。

図(教育への公的支出の各国比較) 出典:みえ教育ネットワーク
図(教育への公的支出の各国比較) 出典:みえ教育ネットワーク

 教育を受ける若者やその親世代は、政治的に無関心な者の割合が高く、選挙での投票率が低いです。政治家にとって、教育分野は票にならないのです。だから、必然的に教育に対する公的支出の金額は少なくなります。
 公的支出が少ない代わり、個人の負担がものすごく重くなっています。大学の学費などは無料にするのが世界の潮流だというのに、多くの若者は借金に喘いでいます。生まれながらの貧富の差が、教育を受ける機会の不平等につながっています。憲法違反です。これを異常と思わず、自己責任だと思っている国民が大多数です。まさに、異常事態です。
 教育分野をケチると将来的に国家が衰退します。近視眼的でなく、長期的な視野でものを考える人がもう少し増えて欲しいものです。

2)主要7カ国で労働生産性が最下位。

図(労働生産性の各国順位の推移) 出典:日本生産性本部
図(労働生産性の各国順位の推移) 出典:日本生産性本部

 日本はモノづくり大国ですので、生産技術の分野は世界でもトップレベルだと思います。しかし、全体としての労働生産性は低いというのが実情です。多くの時間をかける割には、成果が少ない、ということです。無駄な会議、無駄な資料作り、無駄な手続き、無駄な付き合い残業、存在自体が無駄な仕事・・・例を挙げればキリがありません。
 従来からの慣習にとらわれ過ぎず、合理的に考えて、勇気を出して直すところは直す、廃止すべきは廃止するという姿勢が大事だと思います。

3)若者のチャレンジ精神が最下位。

図(世界の起業意識ランキング) 出典:日本アムウェイ合同会社
図(世界の起業意識ランキング) 出典:日本アムウェイ合同会社

 日本の教育機関は、金太郎飴的人材の生産工場と化しています。自分で考えず判断もせず、上から言われたことに素直に従う人間が優遇されるシステムになっています。個性は悪であり、出る杭は打たれるのです。空気を変えることは許されず、読むことが要求されます。その結果、学年や年齢が上がるごとに無気力の度合いが増えていきます。
 就職活動で学生が着るリクルートスーツの画一さを見れば、受け入れる会社側が何を求めているのか分かります。従順な奴隷が最も必要な人材である社会において、少数ながらも起業家精神を備えている若者がいること自体、奇跡といえましょう。
 

4)女性の活躍が最下位。

出典:sankei.com
出典:sankei.com

グラフ:我が国と諸外国の国会議員に占める女性割合の推移 出典:内閣府 男女共同参画局
グラフ:我が国と諸外国の国会議員に占める女性割合の推移
出典:内閣府 男女共同参画局

 法律など社会の枠組みを決定する場に参画する女性が、日本の場合とても少ないのです。人口の約半分は女性なのに、非常にバランスが悪いですね。結果的に、男性にとって都合が良く、女性が生きにくい社会が生まれます。
 戦前回帰を望むかのような独裁的な政権運営や、軍需産業・原発産業への傾倒は国を滅ぼします。愚かな政治家や経営者でも、表面上は「女性の活躍が大事」などと言い放ちますから、注意が必要です。

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【北海道不明男児保護】海外メディアはどう報じたか?イギリス:ガーディアン記事の紹介

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 北海道での不明男児捜索および発見については、日本国内で大きなニュースになりました。この件を海外メディアはどのように報じたのでしょうか?一例として、イギリス:ガーディアンの記事を紹介いたします。

2016年6月3日付け記事のリンクを以下に示します。かなり詳しく報じています。

「The extraordinary survival of the boy left in a Japanese forest」(日本で森に置き去りにされた男児が奇跡的に救出される)

 以下に要点を記します。

始め
*************************
家族旅行中に行ったいたずらの罰として、両親は男児を森の中に置き去りにした。行方不明になった男児は、約一週間に渡る捜索の末、自衛隊員に発見された。男児にケガはなく、落ち着いた様子であった。かすり傷を負っている位だったが、念のため病院に運ばれた。

恐らく男児は、親に見捨てられたと感じたのであろう。水も食料も無い中で、暗い山中を何時間も歩き、自衛隊の簡易宿泊施設にたどり着いた。この施設が男児の命を救ったと思われる。

写真(男児が発見された自衛隊の簡易宿泊施設) 出典:STR/AFP/Getty Images
写真(男児が発見された自衛隊の簡易宿泊施設) 出典:STR/AFP/Getty Images

自衛隊簡易宿泊施設の扉が偶然空いていたから、男児は中に入ることができたのだ。夜間に気温が7℃まで下がる環境で、外の水道蛇口から出る水が唯一の命綱だった。

金曜日の朝、3人の自衛隊員が雨宿りのためにその施設を訪れてドアを開け、男児を発見した。男児は薄着で、夜は体を温めるためにマットレスに体を挟んでいたという。

数日間も180人態勢で捜索したが、全く手掛かりが掴めず、多くの人が最悪の事態を想像し始めていた。

数日間その施設に泊まり、約1週間、何も食べていないと男児は説明した。自衛隊員はおにぎりを2個与え、男児を病院に運ぶためにヘリコプターを呼んだ。

写真(男児の生還を報じる新聞) 出典:Franck Robichon/EPA
写真(男児の生還を報じる新聞) 出典:Franck Robichon/EPA

男児が何日その施設にいたのかは明らかになっていない。月曜日にその自衛隊演習場を探したときは男児の姿はなかった、という報道もあった。しかし朝日新聞はその後、演習場の入り口は施錠されているので捜索はしなかった、と報じている。

写真(男児の発見場所とその周辺) 出典:Guardian graphic | Image via Google Earth
写真(男児の発見場所とその周辺) 出典:Guardian graphic | Image via Google Earth

捜索に当たった自衛隊員たち、そして、男児が通う小学校の生徒たちは、無事保護のニュースを聞いて大喜びした。

男児が入院している病院の入り口で父親が会見を行った。森の中で男児を車から降ろして500メートルほど走り、再び引き返したときには、すでに子供の姿はなかったという。子供のためを思っての行為であったが、やりすぎであり、後悔していると、父親は述べた。

男児が無事発見された後も、両親に対するネット上での批判は収まらず、しつけではなく虐待だと言う者もいる。両親ははじめ、批判を避けるために「子供を見失った」と言っていたが、それが人々の怒りと不信感に火を注いだ。

警察が両親を育児放棄で起訴するかは分からない。

東京都の家庭支援センター長の弁:
「児童虐待は殴る蹴るだけでなく、育児放棄も含まれます。男児が無事保護されたのは良かったですが、このケースは深刻な問題を内包している可能性があります。」

教育評論家の尾木直樹氏も、両親の行為は育児放棄であり虐待だと非難していた。「子供を自分の持ち物のように扱う親が日本ではとても多い。」

教育者:立石美津子氏の弁:
「両親が行った罰は信じ難いことだ。子供の教育方法が分かっていない。彼らは正しいことと間違っていることを説明しようとしなかった。子供は犬や猫ではない。子供は一人の人間として扱わねばならない。」

男児の両親に対して共感を寄せる人もいる。

書評家:豊崎由美氏の弁
「子供の扱いは難しい。子供を森に置き去りにした行為はとても危険だが、父親の気持ちは良くわかる。彼を責めるのはやめて欲しい。」

ソーシャルメディアでは両親を非難する声がほとんどだが、男児の柔軟性や臨機応変さに賛辞を送る人もいる。

男児を診察した医師のコメント:
「七日間も不明だったのに驚くほど落ち着いている。取り乱すところがない。」

アルピニスト:野口健氏のコメント
「たった一人で生き延びたなんて、奇跡だよ。」
*************************
終わり

 日本では年間、何千人という子供たちが行方不明になっています。全世界では、多すぎて推定も難しいくらいです。イギリスから見れば地球の裏側にある日本での一男児不明事件が、ナゼこれほどまでに大きく記事として取り上げられたのでしょうか?理由を考えてみました。

・何百人という人数で一週間近く捜索を続け、日本のメディアが大きく取り上げたから。
・絶望視する人が多かったのに、無事、発見・保護されたから。
・食事も摂れなかったのに、元気で落ち着いた様子だったから。
・若干7歳でありながら、柔軟性・忍耐力・臨機応変さ・知恵を駆使して生き抜いたから。
・しつけのためとはいえ、熊も出るような山奥に自分の子供を置き去りにするという両親の行動が特異だったから。

 多分、上記のような要因が合わさった結果、海外メディアからの注目も集まったのだと思います。

 皆さんはどう思いますか?

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哲学を喪失した日本企業の病的体質を考える。

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写真(謝罪会見で頭を下げる旭化成グループの首脳陣) 出典:NEWSポストセブン
写真(謝罪会見で頭を下げる旭化成グループの首脳陣) 出典:NEWSポストセブン

 企業不祥事が絶えません。報道されているのは氷山の一角に過ぎないと思いますが、最近の代表例を再確認しましょう。

1)
 自動車メーカーのスズキは、軽自動車全16車種の燃費データ測定を、国の規定とは異なる不正なやり方で実施していた。

2)
 ベネッセホールディングスは、「進研ゼミ」の大量の顧客情報流出により会員数が減り続け、大赤字を計上する事態に至った。原田泳幸会長兼社長は退任することになった。

3)
 三菱自動車の燃費不正問題では、法令と異なる方法で測定されているのが、27車種の200万台を超えることが判明した。会社は経営が悪化し日産の傘下に入ることになった。社長は引責辞任する。

4)
 タカタが製造販売したエアバッグの不具合により、多数の死傷事故が発生した。米運輸省高速道路交通安全局は、「タカタ製エアバッ グの不具合問題は大規模な安全上の危機」と表現した。

5)
 金融庁は東芝の会計不祥事を巡り、会計監査を担当した新日本監査法人に21億1100万円の課徴金納付命令を出すことを決定した。東芝の歴代3社長は、パソコン事業の不正取引を認識しながら虚偽の利益を計上させた疑いがある。

6)
 身寄りのいない高齢者の支援をうたう、公益財団法人「日本ライフ協会」は、葬儀代などとして集めた預託金およそ1600人分(約2億7000万円)を流用していた。日本ライフ協会は、理事長を含む理事8人全員が引責辞任した。

7)
 壱番屋は、異物混入の恐れがあった冷凍カツ約4万枚を廃棄したが、その処分をダイコーに依頼した。しかしダイコーは、みのりフーズなどに転売し、愛知県のスーパーで販売されているのが発見された。

8)
 日本年金機構はサイバー攻撃を受けて、年金受給者ら約96万人分の個人情報が流出した。情報流出に対応する過程で、該当者の基礎年金番号変更手続きを誤り、受給者約400人に年金を少なく支給したり、過剰に支払っていた。

9)
 三井不動産グループが2006年に販売を始めた横浜市都筑区の大型マンションで、施工会社が地盤調査を一部で実施せず、虚偽データに基づいて基礎工事をしていた。複数の杭が強固な地盤に届いておらず、建物が傾く事態になった。

10)
 羽田空港、福岡空港、および松山空港の工事で、東亜建設工業が施工データ改ざんや施工不良の隠ぺいを行い、発注者の国土交通省に対して虚偽報告をしていた。社長は引責辞任に追い込まれた。

 企業・団体の不祥事が起きたときは対症療法だけではダメで、不祥事の温床となるものを明確に認識したうえで、根本的な体質を直す必要があります。

 私が勤めている民間企業は、幸い、ニュースをにぎわすような不祥事を起こしたことがありません。しかし、上記1)~10)の事例は、対岸の火事とは思えません。

 自分の経験も踏まえて、寒々しい企業内の実情を思いつくまま挙げてみます。

・業績が悪化した時、上層部の権益を守るため、一般社員のリストラを躊躇なく行う。
・法律ではなく、トップのご機嫌で物事の良し悪し判断を行う奴隷サラリーマン管理職たちが跋扈している。
・自分より優秀な人間ではなく、従順な奴隷根性の持ち主を優遇する器の小さい経営者・管理職たち。
・経営側の保身によって、形式的で無意味な規則をドンドン増やし、社員をがんじがらめにして仕事をやり難くしている。
・利益を上げるための手段として人件費の削減しか思い浮かばない無能経営者たち。サービス残業の強制や非正規社員の割合増加で、忠誠心の低下を招いている。その結果、内部告発の増加、末端従業員のスキル低下、商品・サービスの劣化、クレームの増加、売り上げ減少につながる。
・権限もない部下に結果責任を押し付けて、それを恥とも思わない経営者たち。結果、社内のモラル低下を引き起こしている。一見真面目だが、本質的に無責任で親身さに欠ける従業員が蔓延する。
・事実と異なる虚偽広告を恥とも思わない。他社から金で買った技術に過ぎないのに、自社開発とウソを言う。地に足を付けた取り組みが出来ず、目先の損得ばかりに振り回されている。

 たかだかサラリーマン、所詮は企業だ、などと言う人もいますが、人間としての誇りや哲学は死語になってしまったのでしょうか?ホームページなどで立派な企業理念を掲げているのであれば、それに相応しい考えを持ち、実際に行動する義務があります。

 他人任せではなく、一人一人が立ち止まって考える必要があると思います。

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【タックスヘイブン】富裕層の税逃れ問題まとめ

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 いわゆるパナマ文書の流出・公開を通じて、富裕層がタックスヘイブン(法人税や所得税が低い国や地域)を悪用して租税回避を行っている実態が、徐々に知れ渡るようになってきました。下図は、租税回避の仕組みを解りやすく示したものです。

図(租税回避の仕組み)出典:朝日新聞
図(租税回避の仕組み)出典:朝日新聞

 富裕層や企業は複雑な経路を用いて、多額の資金をタックスヘイブンに移します。タックスヘイブンに集めたお金は隠し金庫に保管しているのと同じなので、日本の税務署は追跡できませんし、情報も開示されません。富裕層は日本国に対してほとんど税金を払わずに済むので、国は税収不足を補うために庶民など取りやすいところから取ろうとします。消費税の増税は典型例ですね。金持ちの税逃れのツケを庶民が払わされているのです。

 最近、パナマ文書流出が騒がれていますが、もっと昔の2013年8月25日、日本共産党の機関紙である赤旗がタックスヘイブン問題を調査・報道しました。そのとき報じられた内容を、以下に示します。

図(日本からケイマン諸島への投資残高推移) 出典:赤旗
図(日本からケイマン諸島への投資残高推移) 出典:赤旗
図(ケイマン諸島の位置) 出典:赤旗
図(ケイマン諸島の位置) 出典:赤旗
図(日本の主要50社のタックスヘイブン子会社) 出典:赤旗
図(日本の主要50社のタックスヘイブン子会社) 出典:赤旗

 日本の有名な大企業が、小賢しい悪知恵を使って税逃れをしている様子が良く分かります。しかし、このとき赤旗が調査発表したのはケイマン諸島に関係するもののうち一部だけであり、全世界の租税回避実態からみれば氷山の一角に過ぎません。調査分析能力抜群の日本共産党ですら、全体の実態を掴むことが出来ないのです。

 パナマやケイマン諸島以外にも、世界中には租税回避地(タックスヘイブン)がたくさんあります。

図(世界のタックスヘイブン)
図(世界のタックスヘイブン)

 租税回避されている資産は、全世界で数千兆円規模にもなります。公開されたパナマ文書はごく一部の情報ですが、名前が載っている企業の言い分を見てみましょう。

図(パナマ文書に名前が載った主な企業の言い分)
図(パナマ文書に名前が載った主な企業の言い分)

 社会的責任の意識が低い悪徳企業の見苦しい言い訳です。新自由主義経済に毒されて資本主義が暴走しているのです。

 以下に紹介するビデオは、公認会計士の深見浩一郎氏に対するインタビューです。深見氏は、「税金逃れの衝撃 国家を蝕む脱法者たち」の著者であり、租税回避問題をわかりやすく解説しています。オススメです。

 以上の情報をもとに、私なりのまとめを以下に箇条書きします。

・タックスヘイブンを利用した税逃れが可能なのは、法律の不備が原因である。国際協力による法整備が必要である。
・タックスヘイブンを利用した租税回避は現状、違法行為ではないが、間違った行動であり、異常な結果を引き起こしている。
・大企業は税金で整備された社会資本や人的資源を利用することにより儲けを得ている。にもかかわらず税金を納めないのは、タダ乗りしているのと同じである。
・「ルール内で株主利益を最大化するのは経営者の義務」などと尤もらしいことを述べ、租税回避を擁護する人間は、企業の社会的責任という観点を欠いた愚か者である。
・富める者の税逃れのツケを貧困層が払わされている。この理不尽な現実を直視せよ。
・貧富の格差を助長し、社会福祉の劣化・治安の悪化など、社会機能の低下を招いている。
・99%の人間が貧困化することで経済が停滞し、長い目で見れば富裕層の首を絞める結果につながる。
・今回流出したパナマ文書は公開されるべき情報のごく一部に過ぎない。
・租税回避されている資産は、全世界で数千兆円のレベルであることは間違いない。
・巨額の隠し資産に対して適正に課税すれば、我々庶民の税負担はかなり軽くなる。

結論:
 「パナマ文書」と聞いて、「地球の裏側で一部の金持ちが何かやっているな」「私には関係ない」などと捉えてはなりません。対岸の火事ではないのです。富裕層の租税回避は、国家の根幹を揺るがす大問題なのです。増税や保険料・公共料金値上げなどで生活が苦しいと感じている人は皆、被害者です。当事者なのです。富裕層の権益保護のためにダンマリを決め込む政府やマスコミは我々の敵である、という意識を持つべきです。

写真(パナマ文書を調査しないと発言する菅官房長官)
写真(パナマ文書を調査しないと発言する菅官房長官)
写真(民進党のパナマ文書調査チーム) 出典:日刊ゲンダイ
写真(民進党のパナマ文書調査チーム) 出典:日刊ゲンダイ

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【パナマ文書問題】富裕層の税逃れを擁護してはならない。社会の根幹を揺るがす問題を直視せよ。

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写真(ICIJのホームページ)
写真(ICIJのホームページ)

 小賢しい悪知恵を使って富裕層が税逃れしている実態がパナマ文書により明らかになりました。国家の根幹を揺るがす問題を認識するきっかけを与えてくれたのです。情報を入手し公開した人は多大な貢献をしたと言っていいでしょう。

 公開された文書には日本人や日本企業の名前が多数含まれています。詳しくは、下記リンク先をご覧ください。

Offshore Leaks Database:Japan

 今回公開された情報は、全世界の租税回避のうちの極一部に過ぎませんが、せっかく情報公開されたのですから有効活用したいものです。しかし、安倍政権の政治家、官僚、そしてマスコミは、この問題に対する追及・調査に及び腰です。なぜでしょうか?彼らは、富裕層や大企業のために働いている駒に過ぎないからです。働いた見返りに、様々なご褒美をもらっているのです。

1)
 経団連などに属する大企業は自民党の政策を高く評価しています。儲けさせてもらった見返りに多額の政治献金をしています。

写真(2014年:自民党へ献金した企業・団体トップ20) 出典:朝日新聞
写真(2014年:自民党へ献金した企業・団体トップ20) 出典:朝日新聞

この結果

パナマ文書について菅官房長官「軽はずみなコメント控える」

2)
 年をとってからの天下りは、官僚にとって蜜の味。天下り先を用意してくれる企業のためなら国民の命を軽んじることも厭いません。

図(官僚天下りのイメージ) 出典:不明
図(官僚天下りのイメージ) 出典:不明

この結果

【パナマ文書】 富裕層は課税のがれ 官僚は言いのがれ

3)
 多額の広告費を出してくれる企業に逆らえるマスコミはいません。商品・サービスの実情を歪んで伝え、不祥事を隠ぺいするため積極的に協力しています。

図(広告宣伝費ランキング) 出典:rapt-neo.com
図(広告宣伝費ランキング) 出典:rapt-neo.com

この結果

「パナマ文書」日本関連では約400件 →読売新聞は匿名報道

オススメの参考ビデオ:

以上の情報をもとに、私なりのまとめを以下に箇条書きします。

・タックスヘイブンを利用した税逃れが可能なのは、法律の不備が原因である。国際協力による法整備が必要である。
・タックスヘイブンを利用した租税回避は現状、違法行為ではないが、間違った行動である。
・大企業は税金で整備された社会資本や人的資源を利用することにより儲けを得ている。にもかかわらず税金を納めないのは、タダ乗りしているのと同じである。
・「ルール内で株主利益を最大化するのは経営者の義務」などと尤もらしいことを述べ、租税回避を擁護する人間は、企業の社会的責任という観点を欠いた愚か者である。

・富める者の税逃れのツケを貧困層が払わされている。この理不尽な現実を直視せよ。
・貧富の格差を助長し、社会福祉の劣化・治安の悪化など、社会機能の低下を招いている。
・99%の人間が貧困化することで経済が停滞し、長い目で見れば富裕層の首を絞める結果につながる。
・今回流出したパナマ文書は公開されるべき情報のごく一部に過ぎない。
・租税回避されている資産は、全体で数千兆円のレベルであることは間違いない。

以上

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弱い者イジメが蔓延する国は衰退するのみである。上に対してモノを言わねば民主主義は育たない。

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 戦後から今日に至るまで、日本では実質、アメリカの植民地状態が続いている。アメリカにとって利用しやすい、搾取しやすい国にするためにはどうしたらいいか?日本の官僚とアメリカ高官は日米合同委員会で定期的に話し合っている。自民党はその決定を実行するための部隊に過ぎない売国奴集団なのだ。(詳細は下記文献を参照願いたい。)

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

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 アメリカ様の意向に沿うには、統制が行き届いた上意下達国家にしなければならない。そのため、学校教育は金太郎飴工場と化している。上から与えられた知識を疑問を持たずに受け入れ、それを忠実に再現することを求められている。この無機質な作業を効率よく間違いなく実行できる人間に高い点数を付ける。子供たちは人間性を奪われ、精神的な虐待を受ける中でイライラし、その鬱憤をイジメという陰湿で残虐な行為で解消しているのが実態だ。

 このような環境にすんなり馴染める人間はむしろ異常なのだが、適応できない正常な人間は落ちこぼれの烙印を押される。知的好奇心を掻き立てられることもない退屈な場所に疑問を持ち、拒否反応を起こすのは当然である。上意下達だけでは、自分の頭で考える習慣は身に付かず、人間としての個が確立されず、ディスカッション能力の基礎すら育たない。英語を学習すれば国際人になれる訳ではないのである。

 このようにして教育工場で生産された金太郎飴こそ、日本社会が求めているものである。就職活動をする学生たちの服装が画一的なのには驚かされるが、学生側は、枠から外れてないことをアピールしないと受け入れてもらえないのを熟知している。

 近年は、企業も含めた組織の官僚化が過度に進み、細かな手続きがたくさん要求されるようになった。管理も度を超すと、生産性や効率を落とす原因になる。個が確立された海外では、末端の従業員に権限を大幅に委譲し、大きな裁量権を与えて働いてもらうのが普通であり、能力次第で短時間に大きな成果を生むことが可能だ。日本のように、会社に長くいたかどうかで評価されることはない。大企業病が蔓延した会社では、上役に媚びへつらい奴隷根性が染みついた者でなければ出世できない。このような環境下で上に対してモノを言うのは本当に疲れる。

 宴会芸の中で、スカートをはいた女性警官に「吊天井固め」というプロレス技をかけるのが警察で流行っているらしい。セクハラで複数の警官が処分されたが、雰囲気が支配的だと女性側も拒否しにくいだろう。

吊り天井固め 出典:産経新聞

 これは弱い者イジメの一例であり、一警察署の特殊事例ではない。警察全体に蔓延している上意下達体質を象徴している。自衛隊という武闘集団も同様だ。警察や自衛隊だけではない。悪質の度合いはともかく、日本全体にはびこっている病気だと認識すべきである。弱い者イジメは得意だが、「上に対してモノを言えない病」にかかっている国で、健全な民主主義が育つだろうか?社会が繁栄し、経済が成長するだろうか?

 組織や周囲の雰囲気を敏感にかぎ取り、素早く適応し反応するのも大切な能力の一つだと思う。しかし、多種多様な能力を認めず、素直な偏差値秀才という物差しだけで人間を評価する社会はとても息苦しい。鬱病の多発と大いに関係がある。若者の死亡原因の中で自殺が第一位なのは日本だけだ。若年層にしわ寄せをして人口が増えるわけがない。

図(若者の自殺死亡率の国際比較)
図(若者の自殺死亡率の国際比較)

 人間として個が確立されないと、雰囲気に流されるクラゲとなってしまう。海外の人たちからは、日本はクラゲ国家だと見なされている。「世間」ではなく、自分の頭で考えて自分で決断し、自分の責任で行動するという習慣が身に付いていない社会では、民主主義が機能しない。政治的無関心によって投票率が低下するのは当然の帰結なのである。

図(2014年の衆院選における自民党獲得票数と棄権者数の比較) 出典:数値は総務省集計データ通りだが、図自体の出典は不明
図(2014年の衆院選における自民党獲得票数と棄権者数の比較) 出典:数値は総務省集計データ通りだが、図自体の出典は不明

 棄権者のほとんどは、選挙権を行使することよりも、奴隷になることを望んでいる。反発する人はいるだろうが、自分で自分のことが解っていないのだ。残念だが、これは現実だ。政治的権力層にとって、これほど操りやすい国はない。宗主国であるアメリカ様もほくそ笑んでいるだろう。

有権者のレベルが政治家の質を決定する。写真出典:日刊ゲンダイ‹“
有権者のレベルが政治家の質を決定する。写真出典:日刊ゲンダイ
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 最後に、マスコミの堕落ぶりについても指摘せねばなるまい。日本の政治家がマスコミに対してかける圧力は、実際、諸外国と比べると大したものではない。にもかかわらず安倍政権下で報道の自由度ランキングが急降下しているが、原因の多くはマスコミ側の情けない自己検閲によるものだ。マスコミに努める人間たちもまた、給料で飼い慣らされた奴隷サラリーマンに過ぎなくなっている。自覚のないテレビコメンテーターが大勢いるのは嘆かわしい。番組に魅力が無くなり、視聴率が低下するのは当然の帰結なのだ。

図(日本の報道の自由度ランキング推移:2016年) 出典:データを基に筆者が作成
図(日本の報道の自由度ランキング推移:2016年) 出典:データを基に筆者が作成

 特に大手の新聞社やテレビ局は、従順な偏差値秀才が集まる場所になっており、権力の監視が仕事だという意識は皆無である。むしろ逆に、政権の広報機関に成ろうと熱心に動いている。総理大臣を番組に招いて気持ち良くしゃべって頂き、内閣支持率アップに貢献する・・・ 亡国の風景を演出している取り巻きたちに存在価値はない。プライドを持たない卑屈な人間が主流派として大きな顔をしている状況は、まさに異常である。権力層に対して臆せず批判を行う人間が主流派にならなければ、民主主義は機能不全のままである。

写真(バラエティ番組に出演する安倍総理) 出典:フジテレビ
写真(バラエティ番組に出演する安倍総理) 出典:フジテレビ

参考ビデオ:

以上

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【どう解釈するかは自由】社会問題を考えさせてくれる絵を紹介します。

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 今回は、下記リンク先の記事を紹介いたします。

「20 Chilling Photos that will Force You to Look at the Darker Side of Our Society」(社会問題を考えるきっかけになる20枚の絵)

 リンク先には、ポーランドの画家が描いた絵が20枚紹介されています。少し嫌な気分になってしまうかもしれません。しかし、忙しい日常生活の中で見過ごしてしまっていたことに気づく可能性があります。例えば・・・

・人類は、地球にとって脅威になっていないか?
・技術は我々を幸せにしているのか?
・自分の人生を生きているのか?
・内面よりも上っ面にダマされてないか?
・人間関係が希薄になっていないか?
・忙しさのあまり、人間性を失っていないか?

 リンク先の20枚の絵のうち何枚かを選び、下に紹介します。注釈を添えますが、最終的にどう解釈するかは、あなたの自由です。

ジャンクフードまみれの肥満男
ジャンクフードまみれの肥満男
スマホ中毒は身を亡ぼす?
スマホ中毒は身を亡ぼす?
大きくなったら、身も心も管理社会に支配される
大きくなったら、身も心も管理社会に支配される
操り人形になることを望む人
操り人形になることを望む人
自然をどうするかは人間次第
自然をどうするかは人間次第
既成概念に囚われていないか?
既成概念に囚われていないか?
感情が死んで技術が取って代わる
感情が死んで技術が取って代わる
いつか痩せることを夢見て、毎日を無為に過ごす女性
いつか痩せることを夢見て、毎日を無為に過ごす女性
時間に追われる人
時間に追われる人
地球環境を破壊しているのは誰だ?
地球環境を破壊しているのは誰だ?
混乱してるので四六時中考えても結論が得られない
混乱してるので四六時中考えても結論が得られない
家庭が崩壊すれば被害を受けるのは子供である
家庭が崩壊すれば被害を受けるのは子供である

以上

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【冤罪事件多発!】中世の野蛮国家を体現している日本

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写真(再審開始の決定を知らせる報道) 出典:NNN
写真(再審開始の決定を知らせる報道) 出典:NNN

 そのあまりに杜撰で野蛮な刑事司法システムゆえ、「日本は中世の国か?」と国際社会が揶揄するようになってから久しい。野蛮国日本を象徴する冤罪事例を新聞記事で見つけた。

リンク:
「検察、有罪立証せず 「自然発火」になお反論 再審結審」

 1995年、大阪市東住吉区の民家火災で小学6年の女児が焼死したが、朴龍晧さんは殺人などの罪で無期懲役が確定し、服役していた。その再審初公判が、2016年4月28日に行われ、即日結審した。裁判所は自然発火の可能性を認定し、検察は有罪主張を断念した。無罪判決は2016年8月10日に言い渡される予定だ。

 朴さんは、違法な取り調べで自白させられたと主張してきたが、検察側は認めていない。そればかりか、「取調官による暴行や脅迫は認められない。自白は自発的で、任意性に何らの疑義もない」と断言している。何の強制もされずに、やってもいない犯罪を自発的に認める人はいない。この事件を担当した検察官は、嘘をついても良心の呵責を感じることがない特技を持っているのだろう。

 その一方で検察側は、裁判所に提出した有罪を裏付ける証拠には信用性が無いと自ら認めている。自分のしている仕事にプライドを持っていないのだろうか?謝罪もしない厚顔無恥な態度は、あまりに無神経である。冤罪で20年以上もの時間を奪われた被害者に対して申し訳ないという気持ちがあるのだろうか?ある訳がない。もしも罪悪感を感じる能力を持っているならば、このような冤罪事件を起こすはずがないのである。仕事の進め方に慎重さを欠く、という次元ではない。官僚組織の中で良心が分散・希釈された結果、人権蹂躙が起きたのである。

 冤罪被害に遭った朴さんは刑務所に長年服役している。検察のデタラメな言い分を鵜呑みにして無期懲役判決を言い渡した裁判官にも大きな責任がある。再発防止には、原因の検証が欠かせないが、地道な検証を行う気持ちはあるのか?

 警察の発表内容をそのまま垂れ流して無実の人を犯人に仕立て上げたマスコミも責めを負うべきである。組織の中での良心分散化・希釈化は、警察・検察だけの事象ではない。権力がやっていることに問題意識を持てないならば、報道機関に存在価値は無い。

 報道を受け取る側の一般国民はどうだろうか?犯罪者を捕まえるためならば、多少の冤罪は起こっても仕方がないと考えてないだろうか?ほとんどの日本国民が冤罪事件に無関心なのは事実だ。自分が痛い目に合わないとダメでは、想像力が無さ過ぎるだろう。冤罪事案に無関心な一方で、8割以上の国民が残虐な死刑制度に賛成している。

 安保法制(=戦争法)は憲法違反だが、自分に火の粉が降りかかるかもしれないという恐怖・心配が多くの人間を反対運動に駆り立てた。冤罪事件も死刑制度も人権侵害の違憲行為なのだが、多くの国民は無関心だ。自分は巻き込まれない、自分は大丈夫という根拠のない自信があるのだろうか?

 警察・検察・裁判所・マスコミの堕落、さらには国民の無関心にも支えられて、今後しばらくは「中世の国、日本」が続きそうである。

参考リンク:

以上

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【世論調査で8割以上の支持率!】死刑制度は本当に必要なのか?仇討にしか興味がないあなたへ。

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出典:情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

 ジャパンタイムズが2016年4月6日付で、日本の死刑制度に関する記事を出しました。リンクを以下に貼ります。( )内は私の邦訳です。

「Amnesty slams Japan over death penalty as global executions soar」(世界中の死刑執行数が激増:アムネスティが日本を断罪)

 要旨を以下に記します。

・世界中の死刑執行数は、この25年間で最高を記録した。合計1634人だが、この中に中国での実績は含まれていない。情報が開示されていないからだ。
・日本では、2015年に3人が死刑にされた。
・死刑制度が社会を安全にするというのは幻想だ。
・日本では、死刑囚が精神異常を起こすような状態で長期間(何十年も)拘束されている。
・自白の強要による冤罪だとして再審を求めているのに、死刑にされた者もいる。
・袴田巌氏は45年もの長期間、死刑囚として拘禁され、精神に異常を起こした状態で釈放された。

写真(冤罪で45年以上拘束された袴田巌さん) 出典:ANN
写真(冤罪で45年以上拘束された袴田巌さん) 出典:ANN

・冤罪を大量に生み出す日本の司法制度自体が犯罪である。
・現在の安倍政権の下で、すでに16人が処刑されている。死刑囚の数も増え続けている。
・日本には現在、124人の死刑囚がいるが、そのうち89人が再審請求している。
・日本政府も死刑を廃止する議論を始めるべきだ。

 私もこのブログで過去に、死刑制度に関する記事を書きました。以下にリンクを貼ります。

【冷静に考えてみよう】死刑賛成派が日本で多数を占めるのはなぜか?死刑制度を廃止すべき根本的な理由は何か?

 私は上記リンク先の記事で、たとえ冤罪が無くても死刑制度に反対である理由を述べています。簡単に言うと、
「厄介払いという安易な姿勢で死刑を行っても社会は進歩しないし、犯罪者を通して犯罪が起きた本当の原因と向き合わない限り、同種の事件が繰り返されますよ」
、ということです。

 国の調査によると、2015年1月の時点で日本国民の8割以上が死刑制度に賛成しています。従って、私の意見に賛同する人はほとんどいません。実際、同記事のコメント欄は、次のような反論ばかりです。

・被害者とその遺族の感情を考えたら、加害者を許すことはできない。
・おまえは、自分の大切な人が殺されても同じことが言えるのか?
・加害者は更生不可能だし、刑務所で生かしておいても金の無駄だ。
・絞首刑ではなく、もっと残虐な刑にするべき。
・外国と日本は違う。日本には仇討の文化がある。

 被害者感情を第一に考えた「思いやりにあふれる」コメントと言うべきでしょうか?死刑賛成の人は、自分や自分の親族が加害者になる可能性はゼロであると考えているのでしょうか?加害者の処遇を被害者の感情にゆだねるという考えは、前近代的で野蛮な印象を受けます。加害者になるに至った経緯や社会的な要因、再発防止策などには興味が無いのでしょうか?

 視野狭窄で思考が硬直化していると安易な手段に流されてしまい、進歩することがありません。仇討をして気が晴れればそれでOK、ではいけないのです。

 死刑制度自体には犯罪抑止効果が無いことが、統計的に証明されています。また、日本国憲法第36条では、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」と定められています。最高裁判所は、「絞首刑は人命を奪う刑罰だが残虐ではない。よって違憲ではない」と述べていますが、説得力が全くありません。死刑制度は残虐な刑罰なので明らかに違憲です。立憲主義に基づくならば、死刑制度は廃止すべきでしょう。
 
 社会システムの欠陥によるしわ寄せは社会的弱者へ行きやすく、特に未成年では本人の努力だけで困難を克服するのは無理でしょう。人格に異常が生じ、社会に害を与える存在になった者は、その社会の欠陥・本質を映す鏡であり、社会の他の構成員と無関係ではありません。確かに加害者という厄介者をこの世から抹殺してしまえば、社会制度や我々自身の欠陥と向き合う必要は無くなります。しかし、「臭い物に蓋」という態度にしがみついている限り人間社会が進歩することはありません。原因を究明せず議論もせず対策もせずに放置すると、同じような事件・悲劇が必ず繰り返されます。

 何か事件が起こった場合、本当の原因を直視した上で再発防止策を行う。この地道な繰り返しをせずに、暮らし易い社会を実現することはできません。死刑制度への賛成は、「臭い物に蓋」「厄介払い」という安易な姿勢の表れであり、人間社会の進歩にはつながりません。時間・お金・手間がかかる検証・改善作業を積み重ね、暮らし易い社会の実現のために努力することを避けてはいけません。

 この地道な作業を実行する為には、事件を起こした加害者が生きている必要があります。殺してしまったら話をすることすら出来ません。取り調べや裁判の記録などは情報のごく一部に過ぎないので全く不十分です。

 被害者感情を考えるのは大切ですが、加害者やその背景にある真の原因・社会の腐敗から目を背けてはならないと考えます。

以上

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