【財政健全化のために消費税アップが必要?】麻生太郎発言がトンチンカンな理由

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写真:財政健全化のために消費税率10%は欠かせないと述べる麻生財務大臣

 自民党の麻生太郎議員は、元総理であり、現在は、副総理と財務大臣を兼任しています。彼は、2018年頭の記者会見で、「財政健全化を目指すためにも、消費税の増税が必要だ」と述べました。これは、「政治家と官僚による税金の無駄遣いのツケは国民に払わせる」という暴言です。以下に説明します。

1)無駄遣いの実態
 国の借金が膨れ上がっています。とんでもない金額です。あなたの家族は、これだけの借金を負担する力がありますか?


写真:日本の借金時計 出典:財部誠一氏のホームページ(2018年1月7日)

 国の借金がこれだけ増えてしまった大きな原因の一つが、無駄遣いです。安倍総理は、目立ちたいがための分不相応な海外バラマキに余念がありません。

図(安倍総理の海外へのバラマキ一覧:2017年1月更新)

 過去に作った50基以上の原発には、何十兆円?単位の国費が注ぎ込まれてきました。福島原発の事故処理や他原発の廃炉には、トータルで何百兆円もかかりそうです。外国に原発を輸出している場合でしょうか?

 リニア中央新幹線も無用の長物ですが、多額の税金が注ぎ込まれます。これ以外にも、無駄な公共事業は数え切れません。官僚は自分たちの天下り先を増やすことばかりに熱心です。血税をすするヒルは、今も増殖中です。

 頼まれもしないのに沖縄駐留米軍へ思いやり予算を献上したり、アメリカに言われるがままにポンコツの兵器を大量購入していますが、すべて我々の税金でまかなわれているのです。

 以上に述べたのは、ほんの一例です。国の借金だけでなく、地方の借金や表に現れない隠れ借金も合わせたら、一体いくらになるのでしょうか?財政健全化を目指すと綺麗ごとを言う以前に、すでに日本国は実質財政破綻していると認識する必要があります。

2)応分負担の原則を無視した大企業減税
 麻生財務大臣は「財政健全化を目指す」と言っていますが、お金を持っているところから徴税するという当たり前のことを実行していません。特に大企業は、社会資本をたくさん利用して多額の利益を上げているわけですから、儲けの中からしっかりと応分の負担をしてもらわなければなりません。しかし、やっていることは真反対の減税です。法人税率を下げるだけでなく、他にも数多くの減税メニューを用意し、内部留保の増大に貢献しています。

図:大企業の内部留保額の推移(2016年度まで) 出典:赤旗

 減税メニューをフル活用することで税金をほとんど払っていない大企業はとても多いのです。

利益を出しても法人税を払わないトヨタ 出典:赤旗

出典:赤旗

出典:赤旗

 財政健全化に逆行する大企業減税を実行するため、その財源を消費税でまかなっているのです。このことに気付いている人が、果たしてどのくらいいるでしょうか?

消費税収を法人税減収に用いていることを示す。 出典:赤旗

3)消費税アップは景気を悪くする最低・最悪の政策
 逆進性の高い消費税は、収入の少ない庶民ほど負担が多くなります。弱者からむしり取って豊かな者に配分するという最悪の制度が消費税なのです。

出典:野嵜裕二税理士事務所

 実際、消費税率を上げるたびに景気が悪くなりました。実質賃金が低下し続け、保険料その他の負担も増える中で消費税率を上げたら、消費が減るのは当たり前です。モノやサービスの消費が減れば、企業活動も低下し、特に中小零細企業は大打撃を受けます。その結果、社員の給与が減ればさらに消費が減少するという悪循環に陥ります。消費税を上げると景気が悪化し、逆に税収が減るのです。財政健全化のために実行していることが、逆に財政悪化をもたらしています。財務官僚たちはこのことが分かっているにも関わらず止められません。

出典:赤旗

 自民党政権は経団連に裏から操られている政党であるため、何が何でも彼らに貢ぐ必要があるのです。あらゆる悪知恵を絞って99%の庶民から搾取し、その金を1%の支配層に献上する。国民が選挙で自民党を引きずり降ろさない限り、この動きが止まるはずがありません。

 以上の説明により、「財政健全化を目指すためにも、消費税の増税が必要だ」という麻生発言がいかにトンチンカンで、嘘とゴマカシにまみれているかお分かり頂けたと思います。

 麻生太郎氏の出身母体である麻生財閥は戦前、強制連行された一万人以上の朝鮮人を傘下の炭鉱で働かせました。ブラック企業もびっくりの劣悪な環境で、タダ同然で酷使し、搾取して蓄えた富が、今日の麻生太郎氏の力の源泉です。5世議員、良家の子息などともてはやされていても実態はどす黒く、搾取される側の心の痛みなど全く理解しようとしない冷たい人間なのです。ここでクドクド説明しなくても、過去の無数の暴言から理解できるはずです。

求職者に声をかける麻生太郎さん→共感力はあるか?


写真:「北朝鮮から来た難民を射殺するか?」と発言した麻生太郎氏

 こんな人間を国会議員や総理大臣に就けるなど、本来はとんでもないことなのですが、それが実現されてしまうところに、日本という国の後進国性が表れています。

 あなたは、「財政健全化を目指すためにも、消費税の増税が必要だ」という麻生発言を聞いてどう思いましたか?御用マスコミの論調に流されて感心しているのなら、奴隷になる素質十分です。

 戦前の悲劇を繰り返さないためにも、是非とも見方を変えて頂きたいと思います。

以上

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日本の労働生産性は約50年間、G7で最下位が続いている。その理由を考えてみよう。

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 日本は人口が一億人を超える規模の国家のため、日本全体で判断すると世界有数の大国といわれることが多いです。しかし、日本人一人当たりで考えてみると、その実力はどうなのでしょうか?次の図が参考になります。

図(日本人一人当たりの実績) 出典:東洋経済

 一人当たりの数値で世界各国と比較してみると、そんなに褒められるようなレベルではないことが分かりますね。

 公益財団法人の日本生産性本部によると、OECD=経済協力開発機構に加盟する35か国の2016年の労働生産性を分析した結果、日本は20位で、G7=主要7か国では最下位だということが分かりました。労働生産性は1人の従業員が1時間にどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標です。実は、日本の労働生産性は1970年以降、G7で最下位が続いています。

 1人の従業員が1時間にどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標でランキングが低い原因を考えてみました。以下、参考にしてください。

1)仕事での指示待ち姿勢
 「天皇」が支配する大企業病にかかった組織で顕著ですが、職位が上がれば上がるほど、上役の意向に対し敏感で、神経質になります。何か新しい商品を出さなければならない場合でも、自ら提案するケースは稀で、ただひたすら、鶴の一声が出るのを待つのです。沈黙は金なのでしょうか?
 おとなしく指示を待っているタイプの方が、組織で干されることもなく長持ちします。下手に積極的に提案するタイプは、上役の逆鱗に触れ、淘汰される場合が多いのです。自分の身を守るために沈黙を強いられるような組織の生産性が高くなるはずがありません。

2)上役への提言・直言を避ける
 トップがやっと指示を出してくれたとしても、その指示内容や判断が正しいとは限りません。日本型の上意下達組織では、上役のご機嫌を損ねるような情報は、たとえそれが正しくても報告されないケースが多いのです。トップが、不十分な情報をもとに間違った判断をしても、間違いだと指摘できず、言われたとおりにただひたすら業務をこなし、悪い結果が出て上役が自分で気付いてくれるのをずっと待つというパターンが目立ちます。これでは、時間・お金の無駄を減らすことはできません。
 上司のご機嫌や意向を忖度する人間ばかりが昇進するシステムでは、業務の効率化など望むべくもありません。

写真(佐川氏の国税庁長官昇格を報じるメディア)

3)担当者の裁量権が少ない
 欧米では、末端の担当者レベルでもかなりの裁量権を持ち、自分で判断しドンドン仕事を進められると聞きます。日本では、いちいち会社に持ち帰り、報告書作成、会議、根回しなど無駄な手間と時間で溢れています。日本では、主体的に考えて判断し行動する人間は好まれません。思考停止の奴隷根性が好まれる風潮が蔓延しているようでは、他の先進国と競争するのは無理でしょう。

4)とにかく会社に長時間いることが大切
 日本では、とにかく会社に長時間いることが大切です。連日、夜遅くまで残業する人間は忠誠心が高いとみなされ高評価を得られます。だらだらと非効率的なことをやっていてもです。反対に、効率よく働いて結果を出しても、毎日定時に帰ろうとする人間の評価は低くなります。組織の中で浮いてしまい、抜擢されることもなく、閑職に追いやられることも珍しくありません。
 無意味な協調性を強要されるような組織の生産性が高いはずがありません。

5)残業代を稼ぐことが目的化
 基本給が低く、副業も許されないならば、必然的に残業代で稼ごうという人が多くなるのも仕方ないでしょう。時間の切り売りという感覚になります。限られた時間の中で何とかして仕事を終わらせよう、成果を出そうという意欲がなくなり、そのための工夫もしなくなります。効率が低下するのは避けられません。

6)ブラック職場の蔓延
 日本全国がブラック化しています。ブラック企業でない会社を探し出す方が難しいかもしれません。長時間労働が原因の過労死・過労自殺が問題となっています。体調が悪化し、精神的に追いつめられるとどうなるでしょうか?集中力の低下、ヤル気の減退、ミスの頻発、周囲への迷惑など、仕事上の悪影響は計り知れません。実際に命が失われてしまったら、会社にとっても、社会にとっても大きな損失となります。取り返しがつきません。
 ブラック企業は生産性の低い会社とみなすべきです。

7)非正規雇用の増加
 非正規社員の割合は増え続け、今や4割を超えました。

非正規労働者の増加 出典:赤旗

 非正規社員には、昇給もボーナスも退職金もないことがほとんどです。正社員との生涯賃金格差には凄まじいものがあります。

図(年齢階層別平均年収) 出典:赤旗

 経営者の利益のために格安の使い捨て労働をさせられる人間が、親身になって組織のことを考えてくれるでしょうか?改善提案など、積極的な行動をしてくれるでしょうか?お金のために、言われたことを言われたとおりにこなすだけの人間ばかりになったら、組織は衰退するばかりです。

8)賃金の低下と値下げ競争
 庶民から搾取し、大企業の内部留保が増え続けています。搾取される庶民の賃金は下がり続けています。

 使えるお金が少なければ、なるべく買わないようにするため消費が冷え込みます。本来なら値上げしたい商品でも、仕方なく値下げせざるを得ない場面が増えます。価格が下がるということは、働いた人の成果が安く売られているわけですから、生産性が落ちていることに他なりません。

写真(牛丼3社が一斉値引き) 出典:東洋経済

 1%の人間が富を独占し、99%の人間が貧しさに苦しむような社会を改善しなければなりません。トリクルダウン(富裕層がより豊かになれば富が自然に滴り落ち、庶民もそのおこぼれに預かることができる)などという幻想を信じてはいけません。

出典:不明

以上

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最近、食べ物がみんな小さくなってませんか?

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まずは、下のツイッター投稿を見てください。

これらのツイートは、みな消費者目線のものであり、皆さんも薄々感じていたことではないでしょうか?なんでこんな現象が起きているのか分かりますか?

アベノミクスで円安に誘導されると、輸出が多いグローバル企業は利益を出しやすくなり、株価も上がり、富裕層はホクホクです。その見返りとして大企業から自民党への政治献金が増え、選挙の時の支援も期待できます。経団連と自民党政権は持ちつ持たれつなのですね。しかし、円安になると、輸入される原材料の値段が上がります。日本は食料自給率が4割に満たないので、特に、食料品の原材料費に響くのです。

企業は原材料費が上がっても利益を確保しなければならない。その為には、従業員の給与を抑えたり、非正規雇用の割合を増やしたり、サービス残業も横行しています。値上げができればいいのですが、消費者の実質賃金がドンドン下がっており、購買力が減少しているので、値上げは、即、売り上げ減につながります。大企業へ減税している一方で、消費税を上げるという弱者いじめをしているので、なおさら、値上げがしにくい状況です。景気が悪いのですね。

企業は利益を確保するための苦肉の策として、価格を抑えつつ商品の量を減らすという方法をとるようになりました。お客に気付かれにくい目立たない方法でコソコソと実行してきたのです。しかし、気付かれないための限界を超えてしまったため、冒頭の「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」というタグがにぎわいを見せているのです。

繰り返しますが、こういう状況は景気が悪いと言います。庶民の目線から判断すると、アベノミクスは失敗です。安倍総理がどんなに自画自賛しても虚しく感じられます。

消費者が現場で確認した事実は確かです。マスコミの垂れ流す政府の広報なんかよりも、よっぽど役立つと思います。

以上

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アベが最も知られたくない数字はコレだ!下がり続ける賃金と苦しくなる生活。

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実質賃金とは、労働者が受け取った賃金が、実際の社会において、どれだけの物・サービス購入に使えるかを示す数字です。賃金から消費者物価指数を除することで求められます。貨幣で受け取った賃金そのもののことを名目賃金といいます。

例えば、労働者の給与が1割増加した場合、同時に物価も1割上昇しているならば、労働者の購入力は変わらず、実質賃金は変わりません。賃金が変化しなくとも、経済状況などにより物価が上昇したり、賃金上昇率より物価上昇率が高い場合は実質賃金は下落します。

庶民にとって、実質賃金は生活実感を表すのに適した数字です。安倍総理自身が自画自賛するアベノミクスの成果を計る有効な指標と言えましょう。実際は、自画自賛するほど実質賃金は上がっていません。

実質可処分所得というデータを見ても、生活の苦しさは一目瞭然です。

出典(赤旗)

会社員の手取りはだいぶ減りました。皆さん、気付いてましたか?

年収の平均値というのは、一部のとんでもない富裕層が全体を押し上げるので、あまり当てになる数字ではありません。それよりも世帯年収の中央値に注目すべきでしょう。例えば、全世帯数が100だと仮定した場合は、年収を大きい順から小さい順に並べて、50番目の人の年収が中央値だと思ってください。この年収中央値は、貧富の格差が拡がり一部の者が富を独占する状態になるほど、小さくなります。安倍政権の広報にいそしむNHKですら、下図のような報道をしています。

随分と格差が拡がり、生活の苦しい人が増えたことが分かります。これだけ生活が苦しくなると、貯金をする余裕は無くなってきます。実際、貯蓄ゼロの世帯は多いのです。

アベノミクスで特に打撃を被ったのは20代の若者たちです。

これだけ余裕がなくなると、自分の日々の生活を成り立たせるだけで手一杯です。車も買えないし、結婚・子育ても難しくなり、少子高齢化の原因にもなりますね。

安倍さんは、選挙演説でアベノミクスの「成果」を懸命に訴えています。しかし、その言葉に心から納得している人はほとんどいません。当たり前です。しかし、疑うことを知らない多くの日本人は、次のように考えることでしょう。「そうか。安倍さんのおかげで景気が良くなっているんだな。実際、株価も上がっているみたいだし・・・。自分は実感できないけど、きっと、他の人は豊かになっているんだな。自分はまだまだ努力が足りないな・・・。」

ダマされてはいけません。公的年金基金と日銀が国内の株式を大量に買い入れ、見せかけの官製相場により好景気を演出しているだけです。各企業に投入された公的マネーはトヨタ自動車1兆5308億円、三菱UFJフィナンシャルグループ1兆75億円、ソフトバンク・グループ9968億円など、めまいがするくらい巨額です。下図もご覧ください。
その結果、国内外の投資家は巨額の利益を得て、大企業経営者は保身できましたが、それだけのことです。内閣支持率を高くするための官製相場は、社会的には害悪でしかありません。

図(国内株式市場での公的マネーの推移) 出典:赤旗

日銀による金融の緩和で人為的に物価上昇を引き上げる手法も同様に邪道であり、黒田総裁の任期中の目標達成は断念せざるを得ない状況になりました。

今回の記事で取り上げたような数字を見ない限り、アベノミクスの本当の姿は理解できません。権力者の搾取を許し続ければ、生活はますます苦しくなります。権力者が庶民のことを思いやって、そのうち何とかしてくれることはあり得ません。庶民が明確な意思表示をして要求する以外に、暮らしやすい社会は実現する方法はないのです。

ネトウヨの皆さんも含めて、もういい加減、ダマされるのはやめにしませんか?

以上

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大企業の内部留保が膨れ上がっているのに社会が劣化しているのはナゼか?

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 2017年9月1日、財務省は2016年度の法人企業統計を発表しました。その結果、大企業(金融・保険業を含む、資本金10億円以上)の内部留保が、はじめて400兆円を超えたことが判明しました。

図:大企業の内部留保額の推移(2016年度まで) 出典:赤旗

 アベノミクス(安倍政権下での経済政策)が成功した一例と言えましょう。恩恵にあずかった大企業経営者たちは、今頃ホクホク顔でしょう。政治献金額を増やした甲斐がありましたね。

写真(2014年:自民党へ献金した企業・団体トップ20) 出典:朝日新聞

 安倍政権は、「企業の税負担を減らせば、設備投資や賃金は増える」などと言って、法人実効税率を引き下げ、政権発足時の37.0%から2016年度は29.97%へ引き下げました。その他の優遇税制は数え切れず、実質法人税を払ってない企業も多いのです。

利益を出しても法人税を払わないトヨタ 出典:赤旗

 利益を溜め込んでばかりで税金を払わないため、各企業の内部留保額は膨大な金額になっています。

図:上場企業内部留保額ランキング  出典:日刊ゲンダイ

 その一方、肝心の従業員給与は伸び悩んでいます。

図(企業の内部留保と従業員給与の推移) 出典:東京新聞

 物価上昇を考慮すると、従業員の実質可処分所得は低下傾向にあります。労働組合が弱く、従業員個人個人が自己主張をしない風土も、企業経営者を増長させる原因になっています。

出典(赤旗)

 各種税金や保険料、医療費負担、電気代など公共料金の増加も、庶民の家計には痛いものです。さらに、非正規写真の比率も高まっています。

非正規労働者の増加 出典:赤旗
図(年齢階層別平均年収) 出典:赤旗

 その結果、しわ寄せは特に若い世代に行き、20代で貯蓄ゼロの割合が劇的に増えました。

 教育に金をかけたがらないドケチ国家として有名な日本では、奨学金という名のサラ金が若者世代を苦しめています。こんな状態で、一般庶民の消費が増える訳がありません。減る一方です。結婚、子育て、住宅・車購入・・・、すべてに響くのです。

 消費が減って困るのは企業側です。税収も減りますので国も困るでしょう。自業自得です。目先の損得勘定しか考えてないから、こうなるのです。

 税金というのは応分負担が原則です。収入・財産が多い人・企業にたくさん払ってもらわねばなりません。様々な社会資本を利用して儲けている訳ですから、税金を払うのは当然です。しかし、悪徳富裕層たちは税金逃れの方法に悪知恵を絞っています。

図(租税回避の仕組み)出典:朝日新聞
図(世界のタックスヘイブン)

 全世界で、何千兆円というお金が法の網をかいくぐっているか見当もつきません。社会資本へのタダ乗りを許してはなりません。放置しておくと貧富の格差がますます拡大し、人間社会が根本的に存続不可能になります。

 話を戻しましょう。経団連に所属するような大企業経営者たちは、安倍政権と癒着してうまい汁をすすり、喜んでいるのかもしれません。しかし、それは近視眼的な愚行であり、自らの首を絞めるものです。

 今こそ、哲学が必要な時代はないのではないでしょうか。

以上

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【アベノミクスによる温かい風?】選挙では、これを見てから投票先を決めよう。

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 2014年12月に実施された衆議院選挙で安倍総理は、「この解散はアベノミクス解散であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります。」と述べました。明らかに、選挙公約の目玉として扱っています。安保法制でもなく、共謀罪でもなく、本命の憲法改悪でもなく、アベノミクスという経済政策の是非を有権者に問うたのです。

 自分の名を経済政策に冠したくらいですから、安倍さんは経済に熱心なのでしょうか?実際には、99%を占める庶民の生活には興味も関心もありません。有権者の耳に心地よいキャッチフレーズを用いてただけのことです。アベノミクスのおこぼれに期待したのか、多くの国民が自民党に投票し、自公政権に圧倒的多数の議席を与え、「安定した」政権運営を可能にしました。その後の政権の豹変ぶり、暴走ぶりについては、憲法無視の悪法成立過程に表れています。


山本太郎議員の問いかけに対して、「もちろんです!」と即答する自民・公明議員は多いでしょうね。

 安倍さんは、日本を明治時代に戻すための憲法改悪に対しては並々ならぬ執念を見せていますが、アベノミクスにも同じように心を砕いているのでしょうか?アベノミクスの「成果」を少し見ていきましょう。

1)公的マネー投入による株価吊り上げ

図(国内株式市場での公的マネーの推移) 出典:赤旗

 公的年金基金と日銀が国内の株式を大量に買い入れています。その額は、2014年以降、急増しています。見せかけの官製相場により、好景気を演出しているのです。各企業に投入された公的マネーはトヨタ自動車1兆5308億円、三菱UFJフィナンシャルグループ1兆75億円、ソフトバンク・グループ9968億円など、めまいがするくらい巨額です。その結果、国内外の投資家は巨額の利益を得て、大企業経営者は保身できましたが、それだけのことです。内閣支持率を高くするための官製相場は、社会的には害悪でしかありません。日銀による金融の緩和で人為的に物価上昇を引き上げる手法も同様に邪道であり、黒田総裁の任期中の目標達成は断念せざるを得ない状況になりました。

2)貧しくなる庶民の生活

図(企業の内部留保と従業員給与の推移) 出典:東京新聞

消費税を社会保障に使うという公約は、見事に反故にされました。

出典:消費税廃止各界連絡会

若い世代にしわ寄せして、知らんぷりは良くありません。

 不安定雇用ばかりが増え、収入が減り、税金が上がり、社会保障が削られれば、特に若年層の貧困が促進されるのは当然です。結婚もできず、子どもも作れず、車もPCも買えず、貯金をする余裕もありません。消費など増えようがないのです。アベノミクスは失敗しました。

 アベノミクスによる温かい風が全国津々浦々に届くことはありませんでした。温かい風を届ける気など最初から無かったので、当然の結果です。

3)お友達のための規制緩和を行った。

 加計孝太郎さんという腹心の友のために、安倍さんは大いなる規制緩和を実現しました。国家の私物化は犯罪です。

加計学園の獣医学部新設をめぐる構図
写真(安倍首相人脈と加計学園グループ) 出典:週刊朝日

官僚の中にもまっとうな人がいたのが、せめてもの救いでした。

前川喜平氏の発言

 99%の有権者からすれば、次のような気持ちになるのは当然です。

写真(加計学園問題で追及する山本太郎議員)

 総理大臣ならば、特定に人間たちのためだけでなく、日本国民全体のこと、50年100年先を見据えた政治をして欲しいものです。

写真(男たちの悪だくみ) 出典:安倍昭恵氏のフェースブックより

最後に:
 2017年1月25日、参議院議員の山本太郎氏が本会議で代表質問をしたときの演説を引用して、本記事を終わりにします。

「皆さん、安倍総理を信じて、このバスに乗り込みましょう。次の停車駅は、地獄の一丁目一番地です。今回無理をして、批判は避けようと思いましたが、どう考えても無理です。総理、あなたがこの国の総理でいる限り、この国の未来はもちません。最後にお伺いします。総理、いつ、総理の座から降りて頂けるのでしょうか?教えてください」

代表質問の全文はこちらのリンク先でご覧ください。
政府が、最も国民に聞かせたくない演説はこれだ!安倍が青ざめた山本太郎の褒め殺し。

以上

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景気拡大は戦後3番目の長さ?実感が湧かない理由は、これを読めばわかる!

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 2017年6月15日、内閣府は、「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大教授)を開きました。そこで、消費税率を8%に引き上げた2014年4月以降も景気は後退局面に陥らなかった、と判定したのです。第二次安倍政権が発足した2012年12月から始まった景気拡大期間は、2017年4月の時点で53カ月に達し、バブル景気(51カ月)を抜いて戦後3番目の長さになったことが確認されたんだそうです。

 これは、皆さんの実感と一致しますか?

 この件に関しては、NHKが比較的良心的な報道をしていました。

写真(実質GDPの推移) 出典:NHK

写真(1人あたり実質賃金の増加率) 出典:NHK

 NHKは街角インタビューでも、景気回復の実感が無い市民の声を取り上げていました。以下に紹介します。

品川区の84歳の女性:
「景気がそんなにいいとは思いません。お金を使うのがもったいないので、衣類などは割り引きされている時に買うようにしています」

板橋区の75歳の男性:
「今は景気はいいほうだと思いますが、バブル景気など昔の好景気と比べたら落ちると思います。昔は欲しいものをたくさん買っていましたが、今は節約するためによく考えながら買い物をしています」

品川区の31歳の会社員の女性:
「給料は増えないのに物価は高くなっている感じがして、景気が回復している実感はありません。食材なども特売品など安いものを買って献立を考えるようにしています」

品川区の31歳の会社員の男性:
「生活にそこまで余裕を感じられていません。飲食店に勤めていますが、お客さんの単価も下がる傾向にあると感じます」

 なぜ、景気回復の実感が無いのか?その理由は、下記のデータを見れば納得いただけると思います。政府の大本営発表を信じ切っている人たちのお役に立てば幸いです。

図(企業の内部留保と従業員給与の推移) 出典:東京新聞

出典(赤旗)


非正規労働者の増加 出典:赤旗

 アベノミクスの惨憺たる有様は、海外メディアからも揶揄されています。

風刺画(アベノミクスで日本経済重症) 出典:ニューヨークタイムズ

 トリクルダウンなど起きません。庶民から搾り取り、富裕層を潤わせるのがアベノミクスの本質です。

 安倍総理は、元々、経済政策や庶民の生活に関しては興味がないのです。熱心なのは、共謀罪法の成立や下記のような事柄です。

安倍政権の実績 出典:ニュースサイトハンター

 戦前回帰願望が強い安倍政権に期待し続けても生活が豊かになることはありません。ダマされやすくてお人好しの日本人も、そろそろ気付くべきだと思います。

以上

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ウォールストリートジャーナルのアベノミクス論評記事を読んで、意外なことに気付いた。

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写真(トルコのイスタンブールで記者会見する安倍首相) 出典:OSMAN ORSAL/REUTERS
写真(トルコのイスタンブールで記者会見する安倍首相) 出典:OSMAN ORSAL/REUTERS

 ご存知の通りアベノミクスという名の経済政策は破綻し、日本の経済は長らく停滞したままです。ウォールストリートジャーナルが2015年11月17日付の社説で、アベノミクスの再考を促す記事を書いています。リンクを以下に貼ります。

【社説】アベノミクス、今こそ再考の時

 上記の記事から一部を引用し、私の論評を加えたいと思います。以下、「 」が引用部分で、→に私の考えを記します。

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「アベノミクスの「3本の矢」は、財政出動と金融緩和で始まった。その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。」

→日本政府の借金のGDP比は世界でも断トツですね。増加率が減る気配がありません。小学生でも解ることですが、この巨額の借金を返済することは不可能です。既に、日本国は破産状態です。公務員は破産した会社に勤めているという認識が必要です。

「3本目の矢である構造改革が、日本にとって持続的景気拡大の唯一の期待だった。電力・ガス業界の自由化や移民受け入れの幾分の拡大、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意などは構造改革の目玉と言える。」

→TPPの内容を実行したら、強欲な資産家たちに日本の富が収奪され、まともに生活することが出来ない社会になってしまいます。経済が活性化することもありません。そのような構造改革をやってはいけません。

「2014年4月には首相は不本意ながら消費税率を3%引き上げて8%とし、政権発足後初のリセッションに陥った。より最近では、子育て支援や社会保障の充実を打ち出した。これは政治的には人気があるものの、経済的には効き目がない。」

→子育て支援や社会保障を充実させれば国民の安心感が高まり、積極的な消費活動につながります。経済的には大きな効き目があります。安倍政権は口だけで、本音では社会保障を充実させる気などありません。軍需産業を含む大企業の利益が最優先なので、国民の暮らしぶりは貧しくなるばかりです。

「首相はまた、正社員の解雇を難しくして年功序列の賃金体系を促している労働契約法の見直しにも失敗している。非正規雇用は不完全な一時しのぎに過ぎず、2層式の労働市場の効率の悪さは深刻だ。」

→正社員を駆逐し、全員を非正規雇用にすればいいと主張しているのでしょうか?日本における非正規社員の悲惨な実態を、全く理解できていないようです。非正規化を進めれば一時的には企業収益が増えますが、給与の少なさが原因で消費は落ち込み、不景気が加速する結果となります。

「今日、日本企業の内部留保は約300兆円に達しており、この数字は経営者が利益につながる投資を見出せず、将来についていかに悲観的かを物語っている。
 多くの国では株主は、配当もしくは自社株買い戻しという形で、利益につながらない内部留保を株主還元するよう企業に要求する。しかし、日本の企業経営者たちは株式持合いや緩い企業統治規定のために、こうした圧力から保護されてきた。従って、日本の経営者は将来の損失に対する保証として現金の保有を好んでいる。」

→安倍政権の大企業優遇策が功を奏して、企業の内部留保は増加の一途を辿っています。内部留保に対して課税を強化したり、従業員の給与に回すべきでしょう。また、大企業優遇策も程々にしないと、社会の貧富の格差が広がってしまいます。
 強欲で倫理観の無い機関投資家たちを儲けさせるために株主還元をする必要はないでしょう。不労所得も度が過ぎると人間を堕落させるだけです。他の多くの国で行われているからと言って、マネする必要はありません。

「日本経済新聞社が実施した世論調査で、アベノミクスによって今後景気が「よくなると思う」との回答が25%にとどまったことも驚きではない。首相が真の改革を推進しなければ、近く、首相自身が行き詰ることにもなりかねない。」
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 リンク先でウォールストリートジャーナルの記事を一通り読んでみましたが、何をどうすれば日本経済が上向くのか説得力のある提案を読み取ることはできませんでした。世界の支配層である少数の資産家たちは、強欲で無慈悲な手法を用いて人々から富を収奪していますが、そのような非道徳的な振る舞いを安倍さんにススメているかのような印象を受けました。

 皆さんはどう感じましたか?

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【暴走する資本主義】8人の富豪が世界の富の半分を所有するのは健全なのか?

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 資本主義が暴走し、世界的に見ても貧富の格差が拡大しています。その勢いは弱まる気配がありません。関連記事のリンクを以下に貼ります。

Inequality Gets Obscene: 8 Men Own Half the World’s Wealth

 上記リンクの邦訳を以下に記します。参考にしてください。

邦訳始め
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写真(世界の半分の富を独占する8人の富豪)

富と収入の格差について考えてみよう。2015年では、裕福な1%が世界の富の48%を所有していた。2016年は、たった62人の合計資産が、世界全人口半数の資産に匹敵する状態だった。2017年、格差はさらに広がっている。地球上の8人の富豪(内6人はアメリカ人)が、全人口の半数が所有するよりも多くの富を持つに至っている。

「An Economy for the 99%」と題された報告書では、租税回避の取り締まりや行き過ぎた株主資本主義の是正が謳われている。株主を優遇し過ぎて、富裕層に対して不当に大きな配当がなされているのだ。Oxfamという団体はその報告書の中で、貧富の格差が今だかつてない程広がっていると指摘している。

Oxfamの分析によれば、格差は許容限度を遥かに超えており、8人のスーパーリッチが4260億ドルの資産を所有している。一方、貧しい側の36億人は合わせて4090億ドルである。

報告書によれば、最も貧しい層10%の人たちの年収は、1988年から2011年の間に3ドルも増加していない。その一方、最も裕福な層1%の人たちの収入は同時期に182倍になっている。

世界の富の半分を所有する8人が、フォーブスのビリオネアリストに載っているので、以下に紹介する。

1. Bill Gates (US)
 マイクロソフトの創業者 750億ドル

2. Amancio Ortega (Spain)
 Inditexの創業者 670億ドル

3. Warren Buffett (US)
 Berkshire HathawayのCEO 608億ドル

4. Carlos Slim Helu (Mexico)
 Grupo Carsoのオーナー 500億ドル

5. Jeff Bezos (US)
 Amazon.comの創業者・会長 452億ドル

6. Mark Zuckerberg (US)
 Facebookの共同創業者・会長・CEO 446億ドル

7. Larry Ellison (US)
 オラクルの共同創業者・CEO 436億ドル

8. Michael Bloomberg (US)
 Bloomberg LPの創業者・オーナー・CEO 400億ドル

OxfamのMark Goldring氏は次のように述べている。

「貧富の格差に関する今年のデータは今までよりも明確・正確で、かつ、大きな驚きに満ちたものだった。ほんの一握りの人間たちが世界の富の半分を所有する事態は、醜悪という言葉でもまだ足りないくらいだ。」

「この地球上では、9人に1人がお腹を空かして眠りに就くというのに、数えるほどの少数の金持ちが、到底使い切れない富を所有しているのだ。スーパーリッチのエリートが我々の犠牲の上に優雅な生活をしている。我々の経済社会がいかに歪んでしまったか分かろうというものだ。」

「格差は、無数の人を貧困に押しとどめるだけでなく、社会を混乱させ政治を劣化させる。労働者の給与が目減りしている一方で、経営陣が多額のボーナスを得る現実、また、公共サービスが削減されているのに多国籍企業や富裕層が租税回避を行っている現実は正しくないのだ。」

Bloombergの報告書によると、第一位に輝いたビルゲイツは300億ドル以上をthe Bill and Melinda Gates Foundationに寄付したという。その財団は、今までに350億ドルを、飢餓・病気・貧困撲滅のために使っている。

ビルゲイツの例のように、巨大な富は貧困層を助けるために使うことができるといっても、慈善事業では根本的な問題を解決することはできない。OxfamのMax Lawson氏は次のように述べている。

「我々は搾取の実態をたくさん見てきた。トランプの勝利や英国のEU脱退はその反動だろう。しかし、ビジネスの手法に関して具体的な代替案が無いのだ。多数派の庶民たちがもっと豊かになるには、資本主義と別の付き合い方をする必要がある。」

「億万長者が寄付をするのは結構なことだ。しかし、それでは格差問題は無くならない。億万長者が彼らの秘書や清掃係よりも低い税率で優遇されるシステムを許してはならないのだ。」

このような異常な貧富の格差を生んでいる原因は何だろうか?資本主義への傾倒、租税回避、そして、労働者からの搾取が主な原因だとOxfamは考える。

「世界中の企業は、労働コストの削減に余念がない。その結果、関係する労働者たちの収入は減るばかりだ。これが、格差を増大させ消費を減らす原因なのだ。」

「企業はある意味、払う税金を極少化することで利益を最大化している。これは、タックスヘイブンを利用したり、優遇税制が充実した国で事業を行うことで可能になる。法人税率は世界的に低下しており、これと租税回避によって、企業の多くは最小限の税金しか払っていない。株主へ多額の報酬を支払うのではなく、従業員給与のアップ、税金の支払い、インフラや革新技術開発への投資へ使うこともできたのだ。」

「資本主義へ傾倒すれば富裕層が潤う。彼らの企業経営は、公共の利益を食いつぶし貧困を放置することで成り立っている。企業経営者はカルテルを組み、寡占化を行い、政府と癒着している。その一方で、中小企業は過酷な競争を強いられ、庶民はモノやサービスへより多くの支払いをする羽目になっている。」
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邦訳終わり

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トランプ氏が分別のない傍若無人発言を続けるならば、アメリカに対する投資は減ることになるだろう

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写真(初めての記者会見に臨むトランプ次期大統領)

 ツイートでの一方的なメッセージ配信は出来るが、記者会見での気に入らない質問には露骨に嫌な顔をするトランプ米次期大統領。その傍若無人ぶりは、日本の安倍晋三氏や橋下徹氏を彷彿とさせる。

 そのトランプ氏が、トヨタ自動車の企業活動に注文を付けている。トヨタがメキシコに建設予定の自動車組み立て工場からアメリカに輸出される場合は、高い関税をかけると公言したのだ。政治家が、特定業界の特定企業の活動に口を出すのは異例のことだ。

 トヨタのようにグローバルに活動する巨大企業は、コスト削減のために世界中のどこでどのような活動をすればいいか常に知恵を絞っている。コスト削減活動の度が過ぎて弊害が生じないように必要な規制をしたり、利益に対して応分の負担をしてもらうことはもちろん大切だ。しかし、少なくとも現状のルールを遵守した上で企業活動をしているのであれば非難されるべきではない。自動車産業は北米自由貿易協定に基づき、人件費の安いメキシコに工場を建設し、関税ゼロでアメリカへ輸出しているに過ぎない。

 トランプ氏のトヨタへの脅しは、明らかな越権行為であり、ルール違反である。オバマ政権の8年間でアメリカでの貧富の格差が拡大し、安心して暮らせる社会ではなくなったことは確かだが、雇用の創出をアメリカ国民に訴えるために、思い付きの人気取り発言をしてはいけない。トヨタも日本政府も毅然とした対応をすべきだ。

 トランプ氏は自分の発言や行動に責任を取れる人間なのだろうか?彼が本当に保護主義の政策をとりたいならば、貿易のルールを変更することから取り組むべきだ。独裁者気取りで特定産業・特定企業を攻撃するのはルール違反である。

 日本の自動車メーカー(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ)は2015年度にメキシコで135万台の車を生産しており、しかもアメリカは巨大な市場である。自動車メーカーがトランプ氏の発言にとても神経質になるのは無理もない。

 トヨタは過去60年以上の間に220億ドルの投資を米国内でしており、10棟の工場と1500か所の営業所を立ち上げ、13万6000人の雇用を生み出している。2015年だけで16万台以上の車をアメリカから輸出している。しかも、今後5年間で100億ドルの投資を行うと発表しているのである。しかし、トランプ氏が分別のない傍若無人発言を繰り返すならば、今後は、アメリカに対する投資を躊躇せざるを得なくなるだろう。

 トランプ氏の態度が改まらない限り、今後の情勢は不透明である。アメリカはルールを軽視する国だと見なされれば、その社会は不安定で予測不能だと判断される。どの国のどの企業であっても、そんなところで本腰を入れてビジネスをする気にはなれないだろう。結果として、アメリカ国内で多くの雇用が失われる可能性がある。

 初めての記者会見で、冷静さを欠き傍若無人な振る舞いが目立ったトランプ次期米大統領だが、今後の発言や行動を注視する必要がある。

参考リンク:
Trump meddling in Toyota’s affairs

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