【浦安市長の産めよ増やせよ発言】不快感をもたらした原因は何か?

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写真(着物で正装し、新成人たちに「祝辞」を述べる松崎市長) 出典:NHK
写真(着物で正装し、新成人たちに「祝辞」を述べる松崎市長) 出典:NHK

 千葉県浦安市の松崎秀樹市長は、2016年1月11日、東京ディズニーランドで開催された成人式の祝辞で次のような発言をしました。

「人口減少のままで今の日本の社会は成り立たない。若い皆さんに大いに期待をしたい」
「これまで結婚適齢期というのはあったが、少子化で日本産科婦人科学会は出産適齢期ということを若い皆さんに伝えようと努力し始めている。18〜26歳を指すそうだ」

 また、式典終了後に、記者団へは次のように語りました。

「(少子高齢化で)どれだけ若い人たちが大変な時代を迎えるか、新成人が次の時代を考えなくてはいけないということで率直に伝えさせてもらった」
「産まなければ人口は増えない」

 この松崎市長発言は反発を招き、ネット上も含めて非難の嵐となりました。ある種の不快感が原因だと思います。どんな不快感なのか考えてみました。

 ある会社内での一状況を想定してみましょう。あなたには部下も権限も使える予算もありません。自分の判断では何一つ動くことを許されていないので、細かな報告を逐一しなければならず、余計な時間を取られてしまう、そんな職場にいるとします。あなたの上司は経営層からの方針通り、仕事の割り当てと非現実的なスケジュールを作り、有無を言わさず、あなたに押し付けます。上司は机に座っているだけで、仕事のしやすい環境づくりなど上司がすべきことからは逃げ回っています。当然、仕事が予定通り進むはずもなく、結果は最悪となります。その結果責任は、何の権限もない部下であるあなたが負わされ、評価はずっと低いまま。無能な上司に文句を言いたいが、報復としてさらに給料を下げられることが分かっているので、何も言えない・・・

 大企業病にかかっている会社のサラリーマンの多くは、上記のような無力感や不快感にさいなまされながら毎日を過ごしています。浦安市長の産めよ増やせよ発言は、この無能上司がもたらす無力感・不快感と類似しています。

 今の若者たちが直面している現実を列挙してみましょう。

・大学を出ても奨学金という名の多額の借金を背負っていることが多い。
・正規雇用が減り、非正規雇用の割合が増えている。
・給料が安く、税金や保険が高いので手取りが少ない。
・住居費が高く、狭い家にしか住めない。
・消費税が上がっており、買い物を手控えざるを得ない。
・金銭的な理由で、車も持てないし、結婚もできない人が増えている。
・子供を持つと、学費など莫大な教育費がかかり、とても賄えない。
・保育園の空きがなく、入れても費用が高く、給料の手取りがほとんど残らない。
・将来に備えて貯金をする余裕がない。
・福島原発事故による汚染状況や健康被害実態が隠ぺいされている。
・・・・

 日本は、結婚して家庭を築き、安心して子供を産み育てられる社会でなくなったことは明白です。このような社会状況を脇に置いたまま、「人口を増やすために子供をたくさん産め」と上意下達的に言われても、無力感と不快感しか生まれないでしょう。

 つまり、「権力を持っている者が自分のするべき仕事をせず、力の弱いものに負担を押しつけ、うまく行かないと文句を言い、反論も許さない状態」、が反発を生んだ原因だと思います。今の自民党政治そのものですね。ちなみに、今回物議を醸した松崎秀樹浦安市長は、日本会議系の自民党議員である衛藤晟一氏の公設秘書をやっていました。体質的に似た者同士なのでしょう。

 安倍政権はアメリカの言いなりとなり、大企業の利益最優先の政治を行っています。力の弱い庶民は搾取の対象でしかありません。搾取したお金は大企業の内部留保や海外の投資家・財閥に流れています。売国奴と呼ぶにふさわしいですね。暮らしにくい社会を作れば人口が減るのは当たり前です。さらに、軍需産業の利益のために若い人を経済的徴兵制(注)で戦地に追いやることを目論んでいます。さらに人口を減らしたいのでしょうか?

 成人式のお祝いの場で、「人口を増やすために子供をたくさん産め」などと妄言を吐いた無教養な松崎秀樹市長。彼には、相手の心情を察する基本的な能力が欠けているようです。千葉県浦安市の新成人の皆さんには、心から同情申し上げます。

注)経済的徴兵制の意味(出典:ウィキペディア)
 軍人が特に魅力的な職業とは見られない国の場合、志願制度では軍隊の補充の問題が避けられない。一方、国の一部に経済的に貧しい地域、または経済的な発展から取り残された地域がある場合、仕事も金も技術も学歴もないその地域の人々にとって、基本の衣食住や兵役中の高い金銭的報酬に加えて資格の取得や高等教育を受ける際の奨学金など退役後のキャリアパスまで保証される軍人という職業は逆に魅力的な選択肢に映る。
 貧困地域では経済的理由で高等教育が受けられず、そのために専門知識や学歴が必須とされるような賃金の高い仕事に就けない結果となり、貧困が再生産されている。このような状況から抜け出すため、真に自発的な意思ではなく兵役に志願せざるを得ない状況があることを知りながら、政府がこの経済格差を是正しないばかりか、むしろこの状況を放置し利用することで新兵をリクルートしている実態がある。経済的弱者が兵役を強いられるこの状況を事実上の徴兵制とみなし、非難する意味合いを込めて「経済的徴兵制」と呼ぶ。

以上


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投稿者:

J Iwasaki

J Iwasaki

大学卒業後、民間企業に勤めています。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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