日本の大学の学費は高いですね。親が裕福でないと子供の学費を全額払うことなど出来ませんね。そのため、奨学金制度を利用する学生が増えています。しかし、利子付で返さないといけないケースがほとんどなので、まともに就職できないと返済できず金融機関のブラックリストに載ってしまうケースが多いようです。
「大学の学費が高いのは仕方ないし、多額のお金を個人の努力で工面するのは当然だ。借りた金を返済できないのは自己責任だ。」と考えている人が多いみたいですが、しかしこれは世界的に見ると異常なことです。諸外国、特に先進国では、学校の授業料は大学も含めて負担を軽くする方向で動いています。例えばドイツでは大学の学費は原則無料です。住居費も安いので、学生はちょっとしたアルバイトをすれば生活費を自分で賄いながら大学に通えるのです。日本の状況が異常なのです。学生相手にローンの商売をする人たちの神経を疑います。
日本では特に医学部の学費が高いですが、親が医者でなければ医者になる道がほとんど閉ざされるというのは不健全な状態です。能力と意思がある者に対しては門戸が開かれるべきです。親の経済状態が子供の学歴に影響する状態を放置してはいけません。子供は親の経済状態に対して責任はありません。格差が固定化すると社会が衰退する原因になります。
大学の学費が高い現状を何とかしなければなりません。
税金の無駄遣いをやめて、その分を教育分野に回せばいいのですが、なかなかそのような動きが生まれません。日本の政治家にとって教育問題は票にならない、というのが原因です。「大学の学費は無料なのが当たり前だ。多額のお金を個人で工面するなんて異常だ。意思と能力のある者が安心して教育を受けられるように政治家は動くべきだ。」と考える国民が増えれば良い方向に教育政策が動くと思います。教育環境を良くするも悪くするも有権者の意識と投票行動次第です。
山本太郎議員の下記YouTubeビデオが参考になりますのでご覧ください。
山本太郎が高校生100人を前にして、子供の夢をブっ壊す演説を行ったと話題の動画!2015/8/4(12分36秒)
https://www.youtube.com/watch?v=G33jiaiGvCU&index=48&list=WL
このビデオの中で、集まった高校生たちはラッキーだったと思います。社会に対して問題意識を持つきっかけを山本太郎さんから提供してもらえたのですから。
権力者から詐取される理不尽な状況を当たり前と思い、我慢するだけの日本人。自分の頭で考えずに、何となく雰囲気に流されてしまう日本人。多くの日本人は自発的隷従という病にかかっています。
自発的隷従が蔓延し劣化が進む日本】権力者の暴力よりも「善人」の沈黙の方が恐ろしいという話
国民の多くが現状に対する問題意識を持ち、具体的な投票行動を起こさないと、暮らし易い社会の実現は不可能です。
以上
コメント
日本は国連で157の国が加入している国際人権規約に加入しています。そのうちA規約(社会権規約)の13条は、大学まで含めた教育の無償化を推進することを義務づけています。この条約は1976年に作られ、日本は1979年にそれを批准しました。
だから、本当は日本の大学はただのはずです。
ところがこれを批准したときの国会(自民多数)が、国家財政の条件が調うまで実施を延期できる、という但し書きをつけたのです。
あの条約はどうなったのか?という質問を、その後社会党や共産党が国会でしていますが、そのたびに、まだ条件が調いませんと言われてきました。
1979年と言えば、1968年にGDP第二位になった日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言われた年です。
そして、この条約にそんな留保をつけたのは、157カ国のうち、ほかにルワンダとマダガスカルだけでした。
そのルワンダも2008年にこの留保を撤回しています。ちなみにルワンダは、世界で一番、政府の女性閣僚の比率の高い国でもあります。
日本では、民主党政権の鳩山首相が施政方針演説のなかで、この条約について本の1行ほどふれたのみで、条約の名称すら明らかにしていません。その後、野田内閣になって、この但し書きを撤廃しましたが、国立大学の授業料が40万引き上げられることになったり、学費を払うために風俗産業で働かざるを得ない男女学生がいたりします。